番組審議会

第77回 放送番組審議会議事録

1. 開催日時:平成14年10月28日(月) 午後3時
2. 課題番組:「現代進行形TV イマジン!」
          毎週火曜日 20時00分~20時54分(54分)放送
3. 記事の概要:
・SOSが番組の前輪なら、「救護センター」が後輪。後輪のボランティアの善意と感動のドラマも、疑うわけではないのにどこか落ち着けないものがあり、他方、そのドラマ性が前輪の「SOS」の足を引っ張っている。

・今日この社会が抱えている風俗や流行(はやり)を巡る状況をとりあげるフリをして、実はそれをなぞってみせるだけで、そこには問題意識や見識・視点のかけらもないとも取れる。

・現代の社会現象の闇に潜む問題を抱えつつ、行き場のない女性達の相談を聞いてもらえる民間の相談所として『新宿救護センター』を紹介し、また、このようなNPOの存在意義につき十分に説明されていた。

・「世の中にこういう現実があるのだ」とストレートに見せられて、あらためて社会的な眼を取り戻したように思う。日本人はもっとボランティアに関心を持たないといけないと強く感じさせる刺激的な内容であった。男性、女性を問わず、この番組を見た視聴者の方々にとっても、真剣に社会問題を考えさせる契機となったと思う。

・番組を見て、こんな事が世の中に起こっているのか、こんな人が世の中にいるのかという驚きの連続であった。あまりにも不思議すぎて、「やらせ」ではないかとすら思われた。

・こういう事態が現実に起こっているとすれば、教育の見直し、あるいは、このような番組を生徒に見せて、身の守り方を教えたり、このように道徳や人の道に背くようなことはしてはいけないと教えたりしなければならないのではないかと考え込んでしまった。

・DV、ストーカー、家出など、今の社会の病理的現象、そういう問題自体は既に取り上げられているが、この番組の中で光っていたのは玄代表の活躍で、文字どおり私財を投じ、24時間ゆっくり休む間もなく困っている人の相談に乗っている姿は、救世主のように見える。

・コメンテーターの鳥越俊太郎さんのコメントが実に適切だった。

・タイトルの「現代進行形」は英語の授業で出てくる「現在進行形」と混同してしまいそうで少し気になる。

・番組のテーマが重く、あまり見る気が起こらなかったが、見ているうちに番組に引き込まれていった。

・この番組の番宣は、番組のオープニング部分のあとに、少しだけテーマの紹介があるだけでごちゃごちゃしたものになっている。もっと見やすく工夫するべきであり、作り方次第で、もっと視聴者の興味を引くことができる。

・「女たちの…」というタイトルに抵抗がある。

・タイトルから想像すると、番組を見て、自分の中に重いものを溜め込みそうな感じがしてしまう。

・本体のNPOとの関係がよく分からない。番組の中でも途中で少し紹介されただけであった。資金難の問題も、本体のNPOとの関係はどうなのか気になる。

・救護センターの活動が、単なる玄代表の個人的ボランティアなのか、もっと背後に組織的なバックアップがあるのかないのか、その辺りを十分に明らかにされていない。

・この番組でとりあげられている社会問題の中で、もっとも深刻で将来に大変な問題になると危惧されるのは、いわゆる「援助交際」である。援助交際の本質は売春そのものであり、悪いことなのだという部分が曖昧になっている。マスコミの方でも「援助交際」という言葉を使うときには、それが悪いことなのだという文脈の中で、慎重に使うべきだ。また、マスコミは若者に対して、そんなことをしていたら将来困ったことが起きるのだ、というような働きかけをするべきだ。

・この番組で取り上げられている事例について考えて見ると、自分が軽率に作り出した原因から困難に陥っている例がある。確かに被害は被害であるが「もともと道に外れたこと、悪いことをするから、こんなことになるのだ」あるいは「自分が蒔いた種じゃないか」というような捉え方、仏教の言葉でいえば「因果応報」というような考え方が、今はもう通じなくなっているのかなという遣り切れない気持ちがする。起きている出来事も問題だが、その根本には物事の善悪を判断する意識が希薄化しているということがあり、そちらの方がもっと大きな問題である。

・薬物の問題、出会い系サイト、ホストクラブ、プチ家出などが紹介されていて、この番組は最大限善意に解釈すれば、そのような社会現象の裏側の面を見せてくれているのだと思う。

・かつては、不道徳なことをしていたら、近隣の住民から咎められるとか、近所の評判が悪くなってしまい、例えば縁談のときにそれが問題になるというような、一種の仕組みというか歯止めのようなものがあったが、いまは、そういうことはプライバシーを侵害するものであるとされ、調べること自体が人権の侵害になるとされてしまって、就職のときでも調べてはいけないことになっている。そういう事情を考えると、若者の意識という問題についていえば、この番組で取り上げられているような若者に、「今はなんとかなっているかも知れないが、これから先に困ったことになるよ」というようなアドバイスをしても、何も感じない、危機意識を持たないのではないか。

・この番組は、現代社会の闇の部分を赤裸々に紹介しており、ここで紹介されているような問題は、個人の責任も当然あるが、社会的な病理現象にまで至っているというのは、社会そのものの歪みが、立場の弱い人に覆い被さっていったものと考えられる。しかし、なかなか表には出てこない。そういう現象を見せており、良い番組である。

・タイトルが軽薄な感じがする。現代の社会を赤裸々にリアルタイムで紹介するという趣旨なら、「現代進行形テレビ」「現代進行形」だけでも良い。「イマジン」と言葉を付けているのは、何かカタカナ信仰の残滓のようなものを感じる。

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