番組審議会

第89回 放送番組審議会議事録

1. 開催日時:平成16年1月23日(金) 午後4時
2. 課題番組:EAT新春特別番組「2004初夢!一番Show」
          1月2日(金)午後0時00分(正午)~13時00分(60分)放送
3. 記事の概要:
(1) 課題番組「2004初夢!一番Show」について
<番組全体について>

・月の番組らしく、無難で罪のない内容だった。それぞれの話題を担当しておられるアナウンサーの演技は、決して上手なものではなかったが、各人の涙ぐましい努力が垣間見えるようにも思える。正月のことでもあり咎め立てせず、赦してあげてもいいように思う。

・三人のレポートの関連性が見えず、脈略が感じられない。また、内容とタイトルの間には関係がないように思われる。三つの話題を敢えて一本の番組に束ねる必要性はなかったのではないか。

・正月番組として、こういう肩の凝らない、あっさりした番組は良い。年末年始の番組は得てしてタレントを大量に動員して、騒がしく、また、どこの局も似たり寄ったりのことをしていて、正月二日というのは、いい加減そういう番組にはうんざりして、食傷気味になる頃なので、地元制作の良い番組をOAするのには、もってこいの時間帯である。

・タイトルには「初夢」という言葉が入っているので、出演者の今年一年の目標のようなものをより強く感じさせる構成にすれば良かったのではないか。

・三本のリポートが相互に脈絡がない、関係が薄弱であるという感じはあるが、正月番組なので、「おせち料理」と同じように、いろいろなものが詰まっているというように受け止めて良い。

・内容の点では、三本目の舞妓さんの話が水際立っている。前二本の「旅」、「食」の話題は、今やどこでも溢れていて、前二本を見たところで、視聴者は、もう見飽きた、聞き飽きたという気持ちになり、チャンネルを変えてしまうのではないか。愛媛から出て、苦労して、よそで働いて、ようやく憧れていた舞妓になった。その人が自分の夢を語るという貴重な話であるから、少しでも多くの人に見て欲しいし、その話まで辿り着かないうちに、チャンネルを変えられるというのはもったいない。もっと早いタイミングで舞妓さんの話を出すべきあった。

<ゲストについて>
・ゲストの人選は非常に良かった。この番組はゲストの二人のキャラクターに救われている。武田大作さんの人柄は、場を和ませているし、加藤いづみさんも若いけれども、心の強さを感じさせている。

<スタジオセットについて>
・木藤たかおさんや浦本アナウンサーのバックは、正月飾りなどがあり、それなりの雰囲気が出ているのに、ゲストのバックがやけに寂しく、殺風景に見えた。ゲストの背後は、ホテル自慢の日本庭園なのだから、障子を開けて画面に入れるなりの方法があったのではないか。また、画面全体が暗く見えた。

・出演者の座り位置が気になった。床柱を背にして木藤さんがドカッと座り、EATのアナウンサーがずらっと並んで座っていて、ゲストの二人がちょこんと小さくなって座っている。ぱっと見たときに「入社試験の面接みたいだな」と思った。

<衣裳について>
・画面に映っている人のファッションが暗い。大澤アナウンサーも川上裕子アナウンサーも、もう少し「お正月らしい」というか、明るく見える衣裳を着るほうがよかったのではないか。衣裳が醸し出す雰囲気というのは、セットの豪華さなどとはまた違った次元のもので、衣裳が番組を華やかにしたり、場を和ませたりする。ゲストの加藤いづみさん、武田大作さんも普段着みたいな衣裳だったので、ゲストの二人にスタイリストを付けて、雰囲気を出させるという方法もあったのではないか。

・打ち合わせの段階で、せめて木藤さん、浦本さん、大澤さん、川上さんの四人の局側出演者の衣裳について、よく話し合っていれば良かったのではないか。

・何か木藤さんだけがお正月を迎えているように見えて、他の方はみんな木藤さんの引き立て役みたいに見えた。画面では、ベージュ系、黒系のものばかりで、見た目の第一印象は「なんだか地味なお正月番組だな」という感じになっている。

・正月番組というのは、世間の既成概念として通用している「正月らしさ」のようなものに、必ずしも拘る必要性はないし、普段着風というのは決して悪いことではないと思う。ただ、大澤アナウンサーも川上アナウンサーも、日頃からファッション・センスが良いと思っていたが、何故かこの番組に限っては、ああいうことになるのか。誰かに命じられて着せられているようにも思える。

<「香川の旅」(レポーター:浦本可奈子アナウンサー)について>
・何が主たるテーマなのかが分からない。短時間でたくさんの事柄を見せようとするあまり、内容が非常に希薄になっていた。

・浦本アナウンサーも、KSBの井口玲音アナウンサーも、普段はもっと落ち着いているはず。この番組では「若さ」だけを強調して、無理矢理に子供っぽく、ハイティーンのように幼く見せようとしているから、振る舞いがわざとらしく見え、ぎこちなくなる。一頃とは違って、今は「キャピキャピ」する必要のない時代になっているので、もっと、等身大で、気負わずに自然体で、肩の力を抜いて、普段通りに落ち着いて振る舞っていれば、ずっと見やすかった。

・学校の同期の女の子どうしが正月に里帰りをして再会し、旧交を温めるという場面設定は自然で、親近感を抱いた。

・浦本アナウンサーの声が甲高くて、ひっくり返りそうだった。いわゆるテンションがハイになりすぎていて、聞いていると疲れてくる。

・アナウンサーはアナウンサーであって良いのであり、無理にタレントのような振る舞い方をする必要はない。

<なぜ香川か>
・番組内で紹介された料理が食べられるところは、愛媛にも少なくない。愛媛発の番組なのだから、愛媛の話題を取り上げていれば、もっと良かった。一言でもいいから「なぜ香川か」ということについてコメントを入れるべきだった。

・わざわざこの時期に香川に出かける意味が感じられない。正月気分という点から考えても、石手寺とか、護国神社とか、椿さん(伊豫豆比古命神社)とかの有様を、うまく取り入れて正月らしさを出すという方法もあったのではないか。

・香川のお勧めスポットにしても、讃岐うどんの売り込み方にしても、「香川は今がんばっている」という感じがする。遠出が出来ない人に「近場では、香川はこんなに頑張っていて面白いよ」というようなメッセージが込められているようにも感じた。

・香川と愛媛の間は普通に往来があるので、いちいち「香川」とか「愛媛」とかいうことを意識しなくても良いのではないか。

<「おせち料理の話題」(レポーター:大澤寧工アナウンサー)について>
・ゲストの家でのお餅の儀式を紹介したのは、とても良かった。昔はどこの家にも何らかの儀式があり、そこでの家族の会話があった。おせちをいただくにつけても、ただ「おいしい。おいしい。」というだけではなく、食品や料理の一つ一つの由緒、願い事などを話しながらいただいたものだ。もっと、おせち料理の話題を掘り下げて、愛媛独自のおせち料理とか、その由来とかを紹介するなど、もう少し詳細におせちの説明をすれば良かった。

・大澤アナウンサーが、出演者に料理を勧めるときに、「召し上がってください」というような場面で、「お箸をつけてください」「手をつけてください」と言っていたが、一般にそういう言い方はしないのではないか。また、木藤さんの箸の持ち方には違和感がある。

・「さあ、皆さんおせち料理を楽しみましょう」という話なのに、その後すぐに、「おせち料理が余ったら、こういう風にするとおいしいですよ」という話が出てくる。そして、それを「おいしい」といって食べる。じゃ残した方がいいのかという話になりそうで、たいへん滑稽に見えた。正月二日なので、おせち料理もまだ「残っている」というよりも、まだまだこれからだし、「残り物」という話は早すぎるのではないか。また、賄いをする人を休ませるというおせち料理の趣旨にも反している。

<祇園の舞妓「真生」さん(レポーター:川上裕子アナウンサー)>
・親の決断も大変なものだったろうと思うが、本人の決意こそ大したものだと頭が下がる。正しく初志貫徹で、今時の若者には稀に聞く話だと感心した。始めの方では「どうかな」という半信半疑で見ていたのですが、十八歳にして歴とした大人の言葉遣いができていて、しかもたった三年で言葉を使いこなせるようになっているというのは、やはり何か生まれつきの才能のようなものがあるのではないかとも思った。

・話題として舞妓さん、しかも愛媛出身の舞妓さんを取り上げたというのは、お正月らしくもあり、非常に良かった。また、京言葉というのはお正月にはぴったりだと思う。

・最後の舞妓さんの話題を見て、「ああ、見て良かったな」という気持ちになった。また、話の構成がよくできていて、話に引き込まれた。

・「大きくなったら舞妓さんになりたい」という小、中学生は少なくない。この番組を見て、ますます「私もああなりたい」と思って、夢を膨らませた女の子も居るかもしれない。番組内では、舞妓さんになるまでの苦労については、割とあっさりした紹介の仕方になっているが、これを見ると三年ぐらいの努力で誰でもお座敷で踊れるのだという印象を与えてしまいかねない。しかし、もう少し苦労、努力の部分を強調して、決して憧れだけでは舞妓さんにはなれない、三歳のときにしっかりした指導を受けた基礎があり、その上に修行を重ねに重ねて、ようやく「舞妓さん」の入口に辿り着くのだ、また舞妓さんになってからも修行が続くのだ、ということを感じさせたら、現実の厳しさをより強く子供に伝えることができたのではないか。しかし、「初夢」なのだから夢の部分を感じさせるだけでも良いのかも知れない。

・ビデオの中に出てきた「祇園小唄」は、若い舞妓の最初の踊りで、「さあ、いよいよスタートだ」という雰囲気がよく出ていた。

<その他>
・お正月映画の紹介のコーナーは、何だか取って付けたような感じになっていて、蛇足である。

・ビデオの部分でスタジオトークがところどころ入り、邪魔な感じがしたところが数ヶ所あった。生放送ならどうしようもないが、録画放送だったのなら修正ができたのではないか。

・「ほほー」「はい」「ええ、ええ」というような木藤さんの相槌がやたらと多すぎる。ゲストの話に相槌をはさんだために、雰囲気が壊れてしまったところもあった。

・食べ物の話については、正月だからということで、何か特別な食べ物、特別な場所、特別おいしい料理というのも悪くはない。ただ、今現在の人々の関心は、そういうものではなく、もっと日常生活に取り入れられるもの、日常生活に結びつくものを見つけて、楽しもうというのが主流になっている。イベントの類も、そういう食べ物のイベントが流行っている。最近のテレビ番組では、何かというと食べ物、グルメの話になってしまいがちである。確かに、「食」というのは誰でも関心をもつ話題ではあるものの、やや安直な感じがする。

(2) 自衛隊のイラク派遣問題関連の報道について
・テレビ朝日のニュースで、自衛隊の派遣地での設営について、模型や図を出して、「ここが食堂」とか「ここが宿舎」とかいうような調子で、微に入り細を穿って説明をしていた。現地での自衛隊の生活について心配をする国民の感情を考慮したということかも知れないが、こういうことを「ニュース」として広く一般の人に放送する必要性、価値はあるのか。隊員の家族には知らせる方が良いのかも知れないが、それ以上にこういう報道をすることは、テロ等を誘発する可能性があり、かえって隊員の身体・生命を危険に曝すこととなりかねない。確かに政府の発表に基づくものではあり、そこまで詳細に発表した政府もどうかとは思うが、それをそのまま報道するということは適切ではないのではないか。

・自衛隊のイラク派遣問題については、政府が報道規制をしており、これに対して報道関係者は、取材の自由や国民の知る権利の侵害であるということで、政府に対して抗議をしている。確かに、何でも公表すればするほど良いというものではない。今回の自衛隊の現地での設営についての発表、報道については、確かに危険は皆無ではないかも知れない。しかし、自衛隊の現地での生活、暮らしぶり、その地区の様子などは、単に隊員の家族にとって必要であるのみならず、自衛隊の派遣という国の安全保障に深く関わる問題についての情報として、あるいは、巨額の派遣、滞在費の使途に関わる情報として、国民が重大な関心をもって然るべき問題であるので、政府・マスコミともそういう要素を重視して公表に踏み切ったのではないか。

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