番組審議会

第95回 放送番組審議会議事録

1. 開催日時:平成16年7月26日(月) 午後3時
2. 課題番組:「小倉智昭・柴田理恵のいまどき!ごはん」
          毎週日曜日 18時00分~18時30分(30分)放送
3. 記事の概要:
・小倉智昭さんは今もっとも安定したスタンスで仕事をし、また局から安心して番組を任される旬の司会者だと思う。今回の録画を見ながら「この番組のメインパーソナリティーが小倉さん以外の他の人だったら誰が?」と思ってもちょっと思い浮かばない。小倉さんは、出演する番組の内容やコンセプトを大切にして、自分で関心を持ち、自分に合う仕事を、上手に選ばれているのだろう。とにかく主役はゲストではない、小倉さんである。そこがクリアだから柴田理恵さんの存在も自然で庶民的。ゲストも持ち味を活かしあっていて、和みのある、いい番組に仕上がっていると思った。

・各コーナーについては、いずれも欲張っていなくて、「健康コーナー」、「ご飯百景」もコンパクトで、なにより食べるシーンのよくある食べ物番組の大げさな「美味しい」の表現が、少なく、食べるシーンがくどくないので美味しさが、むしろよく伝わった。

・ナレーションの小倉久寛さんも良いと思うが、画面で小倉久寛さんのナレーションが入っているときに、スタジオトークを同時に流しているところが数箇所あった。そこが耳障りだった。スタジオの笑い声が被るとどうしてもナレーションが聞き取りづらくなった。

・旅をして新しい発見をしたり、美味しいものを食べたりすることが嫌いな人はいないと思いますから、この種の番組を見ると苦痛になるとか、こんな番組は怪しからんという人はいないと思う。

・この番組を続けて見ていけば、全然食べたことがなく、是非食べてみたいと思うものも出てくるし、食べたことがあって懐かしいと思うものに再会することもある。そういう楽しさがあると思う。

・この番組は「食」についての啓蒙、いわゆる「食育」を取り上げた番組だと思う。いままで、「食」に関しては、その望ましい在り方について、いろいろ議論もされ、教育、啓蒙活動がなされてきたが、どうも効果が見えてこない。そういうことを背景にして、あまり一般には知られていないことだが、この6月3日に「食育基本法案」が衆議院に議員提出の形で上程された。議案は年金問題のごたごたのため審議が進まず、内閣委員会に付託されたまま閉会中審査ということで成立せず、継続審議となっているが、政府や「食」に携わる関係者が力を合わせて「食育」に取り組もうという大きな気運がおこっている。これに加えて、農作物は出来るだけその農作物の産地で消費しようという「地産地消」の奨励、また、食糧自給率が極端に低い日本で、外国からの輸入依存度の低い「米」を大切にしよう、「米」をもっと食べて稲作を守ろうという動きが同時に湧き起こっている。更にこれらに関連して、お茶碗の持ち方、箸の持ち方、使い方といった食事のときの作法についての関心も高まっていて、子供に正しい作法を躾けようということが呼びかけられるようになっている。この番組は、そういう社会の情勢を背景として作られている番組だと思う。ところが、ゲストのタレントの作法がおかしいことが少なくない。番組の本番中に「その持ち方はおかしいよ」といって直してあげるというのは難しいかと思うので、事前に指摘して直してから収録するというような、教育的配慮が欲しいものだ。

・番組の最初に「MY茶碗」というコーナーがあり、番組の後には、「番組の中で小倉さんと柴田さんの使っていた○○焼の茶碗をプレゼント」という風な告知がある。番組として「茶碗」にも拘っているようだが、茶碗に拘るのなら、多くの土地には、その地の焼き物があり、せっかく全国を訪ねて食文化を紹介しているのだから、その回に紹介された土地の焼き物の茶碗を番組中で使用すれば、よりローカル色溢れる画面になるし、そういうものをプレゼントするようにすれば良い。

・番組そのものは、特に抵抗感もなく見ることができる。MCの2人については、初めのころは柴田さんに違和感があり、「どうしてこの人が出てくるのか」と思ったりしていたが、だんだん馴染んでくると丁度小倉さんがお父さんで、柴田さんがお母さんというような家庭的な雰囲気を感じるようになってきた。

・7月4日放送分の「一億人の食卓」は、単身赴任のお父さんが初めて自炊をするという話で、あの話では、おそらくお父さんご本人が自発的に「やってみたい」と思って、ああなさったのだと思うが、自分一人で作って自分一人で食べるというのは、料理が出来る出来ないの問題を抜きにしても、なかなか難しいものなので、家庭料理が食べたいということなら、苦労して自炊をすることを奨励するよりも、何か別の解決策を考えたほうが現実的だと思う。

・「ごはん百景」については、料理家の眼から見ますと、かなり無茶なところがあって、抵抗感があるということは否定できない。ただ、地方の家庭料理というものは、ああいう風なものになることが多く、またそういうところが家庭料理の魅力だということも確かだ。ああいう昔ながらの料理をどんどん紹介して、地方の食文化を活かしていって欲しい。

・「ごはんで健康」のコーナーでは、栄養学の見地から、やや専門的な話をされている。ただ、番組全体の雰囲気のことを考えると、いくら栄養学の話だからといって、あのような硬い雰囲気にしてしまうのはまずいと思う。もう少し米飯の美味しさを生き生きと感じさせるような話し方をするほうが、他のコーナーと馴染むのではないかと感じた。

・「いまどき!ごはん」という番組タイトルは、もう少し普通の言葉に直すと「現代の食事情」ということだと思うが。よく考えたタイトルだ。

・キャスティングについては、小倉智明さん、柴田理恵さんの二人がアットホームな雰囲気を醸し出していて、視聴者を自然に番組に惹き込んでいる。

・番組全体の構成が良く、流れが自然である。「一億人の食卓」に次いで、その日のテーマに沿った栄養学的な話、「ごはん百景」、スタジオに降りて「試食コーナー」ということで、スムーズに進行し、見ている者を飽きさせない。肩のこらない、よく出来た米食推進番組だ。

・子どもとゆっくり見るのにもってこいの番組だ。また、主婦としては他の人、他のお宅の食卓というのはどんな風だろうということには大変興味があるので、そういう意味でも興味深い番組だ。

・30分の番組ですが、欲張ってあれこれ話題をごちゃごちゃ詰め込むことなく、ゆっくりとした進行になっていて、ちょうど良い長さの番組だ。

・メインキャスターの小倉さんと柴田さんについては、二人とも苦労人で庶民の味覚を持っておられると思うし、人生経験も豊富な方なので、安心してコメントに集中できる。取り上げられている料理なども決して高級な料理ではないので、これといった苦労もなく育った二世タレントのような人がキャスターだと、いくら「おいしいですね」と言われても、「この人は本当に庶民の味が分かって言っているのか」という気持ちが起こると思う。

・「ごはんで健康」のコーナーは、分かりやすくて勉強にもなり良いコーナーだと思う。

・「ごはんのすすむ一品」のコーナーでは製造元の連絡先など、何かもう少し詳しい説明が欲しい。

・小倉さんは、毎朝フジテレビのワイドショーに出演しておられて、その印象がとても強烈なので、何か局が違うのではないかというような錯覚に陥りそうになる。

・今の子どもたちは炊きたての湯気の立つご飯を食べるということがあまりないようで、電子レンジで温めたコンビニのごはんと本当に炊きたてのごはんとを比べると味や香りが全く違うということが分かっていないように思われる。そういう意味では本当の炊きたてのご飯を美味しそうに食べる様子をテレビで見せるというのは良いことだと思う。

・最初のコーナーで茶碗が話題になっているが、「自分の茶碗」を話題にするということは、物を大切にすることにつながるところがある。茶碗や箸を選ぶとき、誰もが自分の気に入った茶碗、箸を選ぶ。特に子供はそうだ。子供には「自分の物」、「自分の好みで決められる物」が少ないので、茶碗や箸を選ぶというのは、とても楽しいことだったし、そうやって手に入れたものは子供にとっては非常に大切なものだ。ところが、昔は欠けたり傷んだりした茶碗、箸は使うものではないということを厳しく躾けていて、どんなに気に入った茶碗、箸でも、少しでも欠けると母親に取り上げられて捨てられた。「ちょっと欠けただけなのに」といっても許してもらえない。そういうわけで、自分の茶碗や箸が傷むととても寂しい気持ちになるものだから、食器を洗うときも自分の茶碗や箸は特別丁寧に扱ったものだった。そういうことを通じて、物に愛情を注ぐということを教わった。茶碗にこだわるということは、物を大切にするということの第一歩のように思われる。そういう意味では「MY茶碗」のコーナーはいいところに着目していると思う。

・最近は、箸を持って肘をついて箸先を少し咥えるというような光景をよく見かけるようになった。そういう格好が可愛らしいというような錯覚をしているのではないかと思われる。今は「食事の作法を正しく躾けよう」という気運が高まっているので、特にこういう番組のゲストを選ぶときには、正しく箸を持てる人、使える人、正しく茶碗の持てる人、湯飲みを両手で正しく持てる人を起用して欲しい。そうでないと、せっかく良い番組だと思って気分良く見ていたのに、ゲストの食事シーンでぶち壊しになってしまう。

・もともと米飯というのは非常に美味しいものだと思うが、このような番組などを通じて若い人にもどんどん米飯の美味しさを再認識してもらい、大いに米食を推進させて頂き、ひいては日本の米作を振興していただきたいものだと思った。

・番組全体として、非常に健康的で、抵抗なく楽しく見られる番組だ。

・今、日本では年々米の消費量が減る一方である。概して高年齢の人はまあまあ米を食べているが、若者はますます米を食べなくなっているということのようだ。「いまどき」というのは浪速言葉では「どうして」というニュアンスがあるので、「いまどき!ごはん」という番組のタイトルは、そういう意味ではなかなかセンスのいいネーミングだと思う。

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