番組審議会

第108回 放送番組審議会議事録

1. 開催日時:平成17年11月25日(金)午後3時
2. 課題番組:「石原良純が行く源平合戦ミステリー」
          平成17年11月20日(日) 18時56分~19時58分(62分)放送
3. 記事の概要:
・この番組は生で見たが、正直申し上げて、あまり面白くなかった。源平の話というのは、いささか聞き飽きて、うんざりしている。私は、NHKの大河ドラマ「義経」も見ておりませんが、企画が陳腐だという感じがする。落人伝説も、あちらこちらにたくさんあり、何故あそこをとりあげたのかという感じもするし、那須與一の話も、あまりにも有名で、いまさらという感じで、再現で的に一発で当たりでもすれば面白かったとは思うが、そういうわけでもない。全体に、付け焼刃的な印象を受けた。もう少し一箇所を深く掘り下げるというようなことはできなかったのかなと思う。例えば、壇ノ浦の潮の流れなども科学的に具体的に示してみても良かったのではないか。四局共同制作ということでやむを得なかったのかなという気はする。各局の女性アナウンサーが亡霊に扮して出演するが、言葉遣いも何だか妙だし、特定の誰がいいとか、悪いとかいうのではないが、着物を着た女性の亡霊に扮するというのならともかく、なぜ武将の姿で出てくるのか違和感があった。

・大人が見る、歴史に詳しい人、歴史を正面から学びたい人が見る番組ではないと思う。しかし、子供が歴史を学ぶときに、こういう番組があってもよいのではないか。あちらこちらの土地が紹介されていて、何となく理解し易い、忘れにくいのではないかと思いながら見た。ちょっと苦しいなと思ったのが、女性アナウンサーの言葉遣いとか振舞い方で、もう少し研究する余地があったのではないかと思いながら見た。各局からアナウンサーが出たが、言葉がその土地の言葉になったり、標準語になったりしていた。そのあたりを勉強すれば、こういう番組がいわば小学生向けの番組としてあればいいと思う。

・私はあまり歴史が得意ではないが、見終わってから、あまり印象に残らない番組だ。なぜかと考えたが、こういう歴史物の番組はNHKで見ることが多く、どうしてもNHKの番組の作り方が頭の中にある。そのためではないかと思う。日曜日のこの時間に、石原良純さんをこの番組に起用したのはどうしてかとか、しかも、わざわざNHK大河ドラマ「義経」での源範頼役の写真を出したのはなぜかなど、いろいろ考えてしまった。画面を見て気づいたのは、字幕が多いということで、難しい言葉の場合は確かに参考になる。例えば、神社の「しで(垂)」などは、呼び名や表記がよく分かる。しかし、普通の平易な会話の場面では、字幕がないほうが後ろの景色もよく見えるし、いいのではないか。「八艘飛び」「那須與一」「三種の神器」などの史実を現代で検証してみようという試みはいいが、どれも落ちが今ひとつすっきりしない。「八艘飛び」をやってみるのかと思ったらやらなかったし、「那須與一」は、なんとか18射目で射落として胸をなでおろしたが、「三種の神器」は祟りがあるので発掘できないということで、まあそれはそうだろうということで、結局、終わってみると、落ち着くところが感じられない。四局共同制作ということで散漫になってしまったのかも知れない。女性アナウンサーのことは、私も気になった。よく頑張っているのはわかるのだが、古典の言葉なども、ふだん使い慣れていないと、ああいう場面でとっさに喋れといわれても付け焼刃のものしかできないと思うし、あまりうるさすぎると、せっかくミステリー的な話題を紹介しても、信憑性というか、真実味が出てこないように思った。

・NHKを下敷きにしているというのは、民放としてどうか。なんだかNHKを立てているような感じもするし、しかも、石原良純さんを起用している。NHK大河ドラマは下火になってきているというようなこともある。

・まず、それぞれの土地の美しい風景が出ていて、旅番組のようでもあるというのが、印象として一つある。こういう番組だからこそ、アナウンサーとしての言葉遣い、日本語の大切さというものを考えていただいたら、もっと良かったのではないか。アナウンサーの服装や言葉遣いが漫画チックになりすぎていて、番組を軽薄にしているような感じがする。せっかく歴史作家が登場されているのに、彼の重みが半減しているような感じがした。また、62分という放送時間を非常に長く感じさせる。私の個人的な感想かも分からないが「まだ、終わらないのか」という感じがした。また、確かに字幕は多すぎで、大切な「ここがポイント」というところで効果的に使うとよかったのではないか。場面の切り替わりもめまぐるしくて、お年寄りには辛かったのではないかと思う。また、歴史作家の方をもっと活用するというか、もっと別の角度でも使っていけば、もっと違った良い番組、歴史番組になっていたのではないかと思う。全体的に、内容が広く浅くなっていて、この番組を制作するにあたって、各局が討論した跡が感じられない。そういう意見の交換なしに、ぱっと制作にとりかかったのではないかという感じもする。松岡さんの話ぶりを見て思ったが、開局のときから思っていたが、彼は非常に優しい物言いをする。敬語を適確に使って、言葉を大切にして話をする。ここで一つ提案だが、松岡さんを女子アナが囲んでディスカッションをする。例えば、何か一つテーマを定めて、松岡さんに先生になってもらって話し合う。そういう機会を度々作ってはどうか。苦情の中に、言葉遣いのことが取り上げられているが、その辺りが良くなるのではないかと思う。松岡さんと話をすると、心地よいテンポで、落ち着いて話ができる。そういういい面を活かすべきではないかと思う。松岡さんの真似をせよというのではなく、言葉の処理の仕方、使い方、単語の使い方、話し方、そういうものを若いアナウンサーが学ぶといいのではないか。今日特別に強く感じた。

・石原良純さんは、NHK大河ドラマの源範頼役であることから起用されたのだと推測していたが、それは正に予想通りだった。まず、良かったこととしては、小西さんの弓はすばらしかった。いま、理数離れといわれていますが、歴史離れも起きていて、あのような、史実を現代に再現してみるとどうなるかというような試みというのは面白いと思った。弓を引く小西さんの眼も武将さながらで、番組の滑り出しとしてはなかなかいいぞと思いながら見始めた。広島の平家谷のミステリーのところは、物語仕立てにするのかなと思っていたら、割とあっさりとした内容だった。ただ、他の源平ものではとりあげていないだろうと思われることを取り上げているあたりは、すごく新鮮で、私はNHKの大河ドラマ「義経」も見ているが、NHKの「義経」とは違った切り口の話題が出てくると、心が小躍りした。ただ、源平グルメに関しては、愛媛が蛸だったということの良し悪しは別としても、なんだか付け足しのようで、無くてもよかったのではないかと思う。その後、大三島が少し出てきて、愛媛はもう出ないのかなと思っていたら、四国中央市が出てきて、希望としては、この四国中央市の5人の武士の末裔と安徳天皇が実は替え玉だったという話題のところ、これだけでも十分1時間の番組ができるような内容の話題なので、この愛媛のところ、5人の末裔の方たちも、確かにこの人たちの先祖は武士だったに違いないというような、どこか気品のある紳士だったので、よくこういうネタをみつけたものだと思って、愛媛のところを応援しながら、もう少し見たいなと思ったところで、もう範頼の墓が出てきてしまった。この愛媛のところは、充実していたので、もっと見たかった。三種の神器の場面は、この番組のヤマだったと思うので、平家物語を知らない人にも、もう少しわかるように、安徳帝の入水の話などももう少し丁寧に、時間が必要だったのではないかという感じがした。ナレーションの高尾六平さんというのは、思った以上に良かった。この番組で初めて知った方だが、結構いろいろな番組のナレーションを担当しておられるようだ。ナレーションが落ち着きがあり、声にも含みがあって良かったと思う。また、切山での浦本アナウンサーは、とても面白かった。スコップをもってきて「掘りましょう」というところでは、本当に掘るかもしれない、彼女ならやりかねない、掘ったら大変なことになるぞと思いながら見た。ああいうちょっとしたところが面白かったりするものだ。

・このような歴史物の番組は、あまり外れることはないし、私自身、日本史には詳しくないので、いろいろな専門家のコメントには、自分の知識不足のため、自分自身の考えや意見、見解というものを持たないまま、それが本当かどうかという疑問も浮かばず「なるほど」と納得させられるだけだった。しかし、今回は源平にまつわる三つのミステリーを追いかけることで、大変歴史の勉強になった。
その中で少し気になった事は、イントロの部分での「扇の的」の話の内容は、バラエティ色が濃すぎて、また、時間的にちょっと長く取りすぎていて、もったいないような気がした。それと、グルメの紹介の部分は、このような番組の中では、かえってじゃまになっているような気がした。
しかし、全体的には、歴史の流れの中に三つのミステリーをうまく乗せ、興味深い話の連続で、800年前の歴史の謎を通して壮大なロマンを抱かせ、見る者を飽きさせない内容、構成だった。
最後にガイド役の女性キャスター達が、テンション高く、はしゃぎ過ぎているなと感じたのは私だけだろうか?でも、良い意味でも、悪い意味でも、彼女たちのキャラクターのおかげで地方の番組らしさは出ているように思った。
なお、番組内での発言中、「たわけ」という表現があったが、あれは名古屋弁だと思う。

・源平グルメは蛇足だ。時代劇で人気のあるテーマといえば、忠臣蔵、次いで、いまNHKが大河ドラマでやっている義経の話になるわけだが、平家物語というのは、壇ノ浦で平家が滅亡するところで終わりで、義経はそれほど大きく取り扱われているわけではなく、義経の名場面である牛若丸時代や、壇ノ浦後の弁慶との絆というところとはずれている。だから、NHKのテーマとは微妙にずれている。平家物語を中心にしたのは良かったのではないかと思う。番組全体としては、結構面白かったと思う。平家物語というのは、平家が滅亡していく、基調として哀しいストーリーとして頭にこびりついているが、それを謎仕立てにして、その謎を解いていくという形もなかなか良かったし、司会のアナウンサーも平家の亡霊という設定で、平家びいきという形になっていて、新鮮味があった。筋書きも面白かったと思う。愛媛は出ないのかと思っていたら、最後に四国中央市の話題になり、安徳帝替え玉説というショッキングなミステリーが出てきて、ほっとした。組み立て方、物語の持って生き方は、なかなか良かった。しかし、冒頭部、イントロダクションのところがインパクトが弱く、石原良純さんも普段着でふらっと出てくる感じで、いつ番組が始まったのかわからない。あのあたりで、この番組はどういう番組なのか、番組のコンセプトを視聴者に分かるようにはっきりと出したほうがいい。いま、若い人だけでなく、世の中全体が歴史に対する関心を失いつつあるように感じるが、もちろん史実と歴史物語とは違うと思うが、歴史の話を語り継いでいかなくてはならないと思う。

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