番組審議会

第117回 放送番組審議会議事録

1. 開催日時:平成18年10月25日(木) 午後3時
2. 課題番組:「地デジでeatつくりました、デジタル5ちゃんです!」
          制作:eat  10月1日(日)15時30分~17時00分(90分)放送
3. 記事の概要:
・課題番組担当チーフ・ディレクターの話を聴いて、番組を見終わったときの気分を思い出し、ああ、そういう狙いだったのかと思った。何かの制作意図、コンセプトというものがあることは当然だが、視聴者は制作意図を知ることなく見ているわけで、そういう意味で一視聴者としての番組が面白かったかどうかを考えると、こういう番組の批評は難しくて、何度も考え直した。コーナーとしては、「デジタルマドンナ」、「Love Chu! Chu!」、「かつみ・さゆり」のコーナーは必要だったのか。「かつみ・さゆり」の部分は致し方ないとは思うが、「デジタルマドンナ」、「Love Chu! Chu!」については、要らないというと言い過ぎかも知れないが、90分という限られた時間であれば、もっと他のコーナーの方に振り向けて、膨らませて欲しいことがあった。「Love Chu! Chu!」のところでは、映画の紹介があったが、スタジオから良い音ですねというようなフォローがあっただけで、視聴者としてはどうということのない内容で、「Love Chu!Chu!」のクローズアップの仕方として、あのような内容にする必要があったのか。また、「かつみ・さゆり」については、安っぽいベタな感じがした。「デジタルマドンナ」の部分は時間を取り過ぎで、やるのならもっとさらっとしたものにすべきだった。CMメイキングのNGシーンとか、アナウンサー同士の旧交を温めている場面は必要があるのか、見ている方としてはただ単に通り過ぎただけの部分だ。私としては、茂本ヒデキチさんに興味を覚え、彼はどういうアーティストなのか、どういう感性の持ち主で、どういう仕事をしているのかということに関心を持った。しかし、最後のところで、じっくり見ましょうと言いながら、じっくり見せていない。カメラが動き過ぎて、自分の視線と合わない。あそこは、もっと十分時間をかけなければならないところだったはずだ。「い~虎」のコーナーは、あの番組を知らない人も多いということを考えると許容範囲内、「土居記者のへんろ旅」のコーナーは、せっかく美しい景色や出会いがあったのに、非常に細切れになっている。もっとじっくり見せるようにすべきだった。

・なんだか90分間走り回っている感じがした。

・番組を見始めたとたんに、何これ、うるさい、しんどいなという感じで、この番組が課題番組でなければ、茂本ヒデキチさんが出てくる前にスイッチをオフにしていたと思う。個別のコーナーについては、もっと知りたいと思う部分もあったが、全体として女子アナがギャーギャー言っているところばかりが印象に残った。チーフ・ディレクターから制作意図について説明があったが、視聴者は制作意図のことなど考えることはない。ただ番組を見てどう思うかということだけだ。そういう意味では、内容的にいろいろ盛り込み過ぎていて、内輪の自己満足に陥っている感じすらある。土居記者の遍路旅と茂本ヒデキチさんの墨絵は、着眼はいいが、たとえば遍路旅については、もう少し若者の視点でどういう魅力があるのか聴きたかった、もう少し膨らませて欲しかったと思う。土居記者が一生懸命歩く姿、あと2キロほどなのに動けなくなるところなどは、よく撮れていたと思うが、もっと感情的なものを出してほしかった。

・私は、この番組を何時になく楽しく拝見した。チーフ・ディレクターの説明だと、縦軸として地上デジタル放送の魅力、横軸として既存番組のPRということで、なるほどと思った。また、女子アナの「デジタルマドンナ」は可愛くて、全国でも愛媛が一番可愛いのではないかと思った。コーナーとしては、茂本ヒデキチさんの墨絵、夫婦漫才、遍路旅とあったが、茂本ヒデキチさんの墨絵のコーナーは、個人的に墨絵が好きということもあり良かった。遍路旅のコーナーは、土居君の記者魂を見せることに成功している。視聴者プレゼントの「かつみ・さゆり」のコーナーは、・さゆりさんの激しい動きにカメラがついていけていないのが残念だった。遍路旅の土居記者は120kmほどを歩いたようだが、一日50kmぐらい歩くと人生観が変わると言われている。感性が敏感になり、がんばってねという言葉の聞こえ方が違ってくる。その辺りは、たとえば土井記者が詩のような形で語っても面白かったと思う。また、遍路旅のすばらしさの一つである街頭の人々とのふれあい、絆について、もっと表現すべきだ。最後のところで「デジタルになっても変わらないものがある」という大澤アナウンサーの言葉が出てきて、いいなと思ったら、それで終わってしまったが、このラストコメントにもう少し想いを込めるべきだったと思う。いろいろ勉強にもなる良い番組だと思う。

・90分の番組を見るときに、正座してしっかり見ようとすると疲れる。寛いでお茶でも飲みながら見ることになる。しかし、それによって全体像が見えてくるのだが、この番組は全体として良い。eatのアナウンサーの良さ、特に底抜けに明るいことはいいことだと思う。また、構成がしっかりしている。「墨絵」、「遍路」、「デジタルマドンナ」、「かつみ・さゆり」など、期待感を持たせる構成になっている。まず、構成で勝ちを収めている。もちろんいろいろ工夫する余地はあるが、全体としてはこれで良いと思う。「かつみ・さゆり」については、私は、ちょっと甲高すぎてついていけないところがあるし、もう少し上手な使い方があったかと思うが、土居記者のコーナーは出色の出来である。土居記者の人間性を描き出している。eatの記者はいいねと思わせた。英語は下手でもいい。下手な英語でやっている根性が涙ぐましいが、何より番組の内容で勝っていると思う。また、墨絵も素晴らしかった。あれでも十分じっくり見ることができたと思う。迫力もあった。だいたいこの手の番組を手がけると、あれこれ盛り込み過ぎになることが多いが、この番組には適度の緩さがある。ご祝儀番組といっても、他人に対するものではなく、自分に対するものだということを考えると、これ以上は期待できないような出来だと思う。私は制作者の立場で番組を見てしまうが、制作者の視線は逆に厳しいものだ。こういう番組を担当するとディレクターは、とかく盛り込み過ぎになるものだ。細切れに盛り込んでしまうものだ。しかし、この番組は、きちんと纏りをつけてクリアして話を前に進めている。

・まず、eatが5chを取れたというのはラッキーだ。4chでもなく、6chでもなく5chが良い。また、女子アナを並ばせると真ん中になり、主役になる。「デジタルマドンナ」のコーナーは、他局の女子アナが出てくるところでカルチャー・ショックのようなものを感じ、何だかトヨタのショールームで日産の車を見たような感じがした。茂本ヒデキチさんの起用は成功だと思う。彼のことは、この番組を初めて知ったが、こういう人がいるのかと思った。こういう風に故郷の人材をどんどん発掘していって欲しいと思う。常々思っていることだが、松山市もいつまでも子規や漱石にしがみついていてはいけないのであり、新しい人材を掘り出さなければならない。「かつみ・さゆり」のコーナーは、デジタル放送が始まったのでデジタル家電を買いにいくという設定には無理がない。しかし、願わくは、たとえばプラズマディスプレイと液晶ディスプレイの違いとか、コピーワンスの話とか、そう遠くない将来にVHSテープデッキはなくなるので、家庭で録画してあるVHSテープは今のうちにDVDにダビングしておくほうがいいとか、そういう話をして欲しかった。ワンセグのことについては、むしろ店の人の方が知らないというところに驚いたというか、面白いと思った。土居記者の遍路旅というのは良い着想で、デジタルと遍路とどう結びつけるのかと思っていたら、デジタルになっても変わらないものもあるということで遍路旅を出してきた。なかなか粋な発想だと思う。

・この日の各局特番を梯子で見たが、他局の番組に比べて遜色はないと思う。墨絵については、デジタル放送なのに何故白黒の題材にしたのか、カラフルなものにしなかったのかと思ったが、デジタルだと濃淡が細かく分かるというところもあるとも言えるなと思った。我が家の子供は書き始めのシーンを見ないで途中から見始めたため、短時間に描いていることに驚き、本当に始めから描いたのかと感心していたが、確かに途中の描きぶりや筆遣いなども見たいところなので、画面の隅にワイプで進行状況を出すようにすれば良かったのではないかと思う。ジャズのBGMも格好良かったと思う。かつみ・さゆりは、何だかエネルギーを無駄に使っている感じがした。あのコーナーでは、ココロンが可愛かったという一言に尽きる。視聴者プレゼントの告知のところでは、当選者発表の方法が出ていなかったのが気になった。「い~虎」はまあいいとして、土居記者については、娘が「もっと英語を勉強したほうがいい」といっていた。咄嗟とは言え、少しは応答できるようにしたほうがいいと思う。私の周囲では英語の下手な土居記者というイメージが出来てしまった。また、忠政さんについては全くもったいない使い方だと思う。折角なのだから、遍路旅に出る前にアドバイスをしてもらうとかすれば良かったのにと思った。遍路旅の最後に出てきた振り返りのところで、チャンピオンベルトを肩にかけてもらうような良いシーンが沢山出てきたが、良いシーンが多いので、今後使えるのではないかと思う。全体として動と静がうまく組み合わせられていて、90分退屈せず見ることができた。

・「eatはゴッチャンです」というキャッチフレーズは巧く考えたと思う。eatは5chということが視聴者の記憶に強くインプットされたと思う。番組全体として、ごちゃごちゃしていて騒がしいという感はあるが、一種のお祭りのような番組であり仕方ない部分もあると思う。また、制作スタッフも楽しみながら作っているのだと思うが、それが内輪だけの面白さになっていないかとも思う。他の委員からも指摘があったが、茂本ヒデキチさんを起用したことは良かったと思う。これからも茂本さんを追いかけて、この松山出身のアーティストをもっともっとビッグにしてほしいと思う。ただ、あの絵のモチーフは「未来の愛媛」ということだが、どういう風に読み解くべきなのか。次の国体のポスターには使えるかもなどと思ったりした。「い~虎」のコーナーはいつもの調子で好きにやっているわけだが、携帯電話を持ってはいけないはずのジェットコースターに、なぜカメラが乗っているのか、面白かった。土居記者の遍路旅については、あれで土居記者のキャラクターが固まったように思う。全体にほのぼのした感じの仕上がりで、次の番組の種になるようなコーナーだったと思う。

・チャンネルの「5」というのは良い数字だ。また、「ごっつあん」と結びつけたのも巧いと思う。「デジタルマドンナ」のコーナーで、NHK松山放送局を含む愛媛の各局の女子アナがずらっと並んでいたが、浦本さんが一番個性的だと思う。また、だんだんココロンに似てきているような感じがする。浦本さんは、もうウラモトさんでなくてオモテモトさんだ。また、どんな番組を見るときでも感じることではあるが、この番組はどんな人に見せようとしているのか。たとえば、課題番組になっていなければ、私はこの番組は見ていないと思う。察するに、この番組を見る人は比較的に真面目な人か、放送関係者ではないかと思うが、いずれにせよ誰に見て欲しいか、誰が見るのかという部分を考える必要があると思う。また、明るくて良いというご意見があったが、私はこれには疑問を持っており、最近のテレビ番組は総じて面白可笑しくしすぎているように思う。デジタル化というのは日本の放送の歴史の中で、非常に大きな出来事となるはずのものだから、もっと真面目にやっても良かった。また、放送のデジタル化はどういう意義を持つのかということについて、正面から説明をすべきだ。また、楽しくやるといっても、「デジタルマドンナ」のようなコーナーは如何なものか。CMのメイキングの場面などは必要なのか。面白い、楽しいだけでなく、真正面から取り組むところが欲しかったと思う。やや外連味がありすぎる。もっと素直にやればいいのであり、面白がらせようという気持ちが強すぎるように感じる。ただ、一生懸命やっているということは伝わってきたし、eatにはいろいろ人材を擁しているということも分かった。

・番組の最初にアナウンサーが勢ぞろいしている場面などで、口々に身内の茶化しあいのようなことを言い合っているのが気になる。ちょっと多すぎる、ひどすぎると思う。また、その内容として体形や容姿のことなどが多いことも気になる。笑いの誘い方として質が悪いと思う。こういう現象は、必ずしもこの番組だけの問題ではないが、生番組だとカットもできないので、十分注意すべきだと思う。ユーモアというものを誤解しないで欲しいものだ。

・茶化しあうように見える原因の一つは、アナウンサー同士が他の人の話を聴かずに、勝手にしゃべっているところにあると思う。他の人の話を聴いて、受け止めて、それから発言すべきだ。この点は特にeatの番組を見ていると感じることだ。

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