番組審議会

第176回 放送番組審議会議事録

1.開催日時:平成24年9月25日(火)午後3時30分
2.課題番組:①「テレメンタリ―2012 地図から消された島で~あばかれる毒ガス戦の真実~」2012年8月18日(土) 26:30~27:00 (30分) 放送
                       ②系列24社放送番組審議会代表者会議議題「震災、原発報道について」

3.議事の概要:

①「テレメンタリ―2012 地図から消された島で~あばかれる毒ガス戦の真実~」

・夏休み、日本を離れグダニスクに行っていました。そこでは、今でもチェルノブイリの話をしています。色々なものはずっと残っているものだと思った次第です。「地図から消された島」は、非常に重いテーマでもあります。大久野島は昔から聞いていて、ただ実態はなかなか表に出ない。資料もあまりないのではないかと思われます。1年間以上、取材に時間をかけ、じっくりとした内容ですが、30分に凝縮された番組となっています。

・非常に良い番組だと思います。記者が驚いたと同じような驚きを、私たちは、テレビを見て知りました、毒ガスの酷さ、あのようなものを作っていた。しかもその毒ガスは沢山、中国本土に眠っているという事実。お話をされた藤本さんは、未だに罪悪感に悩まされているという事実。こういう事実を知っただけでも、大変なものだと思います。藤本さんの悩み、日本の戦争責任をどの段階で負うのかということを問いかけている。その答えを出した人はあまりいません。「私は貝になりたい」というドラマがありましたが、あれと同じレベルの重い問題です。それをこの番組で投げかけた。答えは、見ているものが考えるという番組だったと思います。報道は知られていない事を知らせるという意味で、色々な事を知らせてくれた。優れた番組です。

・戦後生まれなので、戦争のことを知らない世代です。確かに重い番組で、一言で率直に言わせていただくと、愉快ではないが、事実であることは直視しなければならない。そういった思いで見ました。比較的、日本贔屓の人間ですが、どこの国にも影の部分があるので、そういうことに関しては、直視するべきだと思います。毒ガスを製造したことも事実、使用したことも事実。陸軍の資料をアメリカが押収して、どれだけ利用したかは分かりませんが事実です。未だに現物が中国大陸にあるということ。事実であることは全く間違いありません。そういうことを薄々は聞いたことはありましたが、再認識させられた番組でした。ただ、この種の番組で気を付けなければいけないのは、作る人の思い込み、決めつけ、「こうであったはずだ」ということには極力注意して作らなければならないと思います。検察庁でストーリーを作り犯人に間違いないと仕立てあげたが、実は無罪だったという事例もあります。そういうことを冒しがちなので、そういう点は、極力注意していただきたいと思いました。一つ引っかかったのは、「東京裁判で、毒ガスの問題をわざと不問に付した」という描写がありましたが、その理由として「当時、アメリカは、ソ連と対立の局面があり、アメリカも毒ガスを使用するかもしれないため、このことを取り下げた、深く追求しなかった」という言い方がありました。それは本当かなと、どこまで検証したのかと思いました。私の感覚では、東京裁判はどちらかと言うと、アメリカが日本の悪事を暴くということにずっと血道をあげた裁判と言いますか、追撃戦のような感じがします。それからすると、少し意図が違う感じがしました。その辺りは、どこでどのように確認されたのかなと思いました。これは毒ガスのことなので、あまり他のことまで言いたくはありませんが、ハーグ陸戦条約「不必要な苦痛を与える兵器を禁止する」というのは、1900年代のかなり古い時代に作られた条約です。毒ガスはもちろん残虐性があるもので、それに値するのですが、原子爆弾はどうなのか?と感じました。現時点では、毒ガスは禁止されていますが、原子爆弾、核兵器は禁止されていないのかなと感じました。私にとっては非常に、ある意味では少し見辛い番組でしたが、そのような事は言えないので、直視すべきことは直視しようという姿勢で見させていただきました。このような事は必要だと思います。ただし、言いましたように、一つ間違えると、一方的な断罪になります。「若い人に反省をさせ過ぎる」というと語弊はありますが、そういう気がしました。女性アナウンサーの口調も、ドスがきいていて、告発状に拍車をかける感じがしました。難しいでしょうが、70年前のこのような残酷な話、今の世界では、このようなことはないのか?現在進行形の残虐な話もあるではないかと思います。それを暴くのは大変でしょうが、報道としては、現在進行形の話にも問題意識をもっていただきたいと思います。人道に対し何かあったとすれば取り上げていただきたいと思いました。

・終戦記念日のすぐ後に放送され、改めて戦争について考えさせる良い企画だと思います。タイトルに「あばかれる」とありますが、どの部分が「あばかれた」のか、もう少し分かり易くしてもよかったのではないかと思います。企画書の中に、「徐々に明らかになっていった」とあるので、そこのところを特化させることに意味がないのかもしれませんが、「あばかれつつある」という形の捉え方をすればよかったのかなとも思いました。アメリカ公文書館に行かれ、「この記述のこの部分については、あまり解決しなかった」という部分があってもよかったのかなと思います。せっかくアメリカに行き取材されているので、そういったところを補強してもよかったのではないかと思います。大久野島に毒ガス工場があったということは、知る人は知っている。私も20年近く前に広島で仕事をしたことがありますので、地図から消えた島、学徒動員の女性も働いていたということ、本も何冊か出版されていることも承知していました。ですが、知っている人がいても、こういったことを繰り返し番組で紹介していく意義は大いにあると思います。登場する藤本さんは、割と個性的で印象的な語り口調なので、ナレーションの女性の方の語りは、落ち着いていて、ちょうどバランスは良かったと思います。導入部の防毒マスクの映像ですが、キャッチかもしれませんが、少々おどろおどろしい入り方なので、あの画面を見てチャンネルを変えられてしまわないかなと危惧しました。非常に現場に足を運んだ労作と言えると思います。

・重たい番組で、なかなか見ていても楽しくはない番組ではあります。見終わった後の第一印象は、未だに戦争は終わっていないという感想を持ちました。改めて戦争とは、勝つためには手段を選ばない。正常な精神、判断ができないのが戦争であるのだろうと思います。私の父親は89歳で、満州で石井731部隊に所属していたという話を最近聞きました。私が、30代、40代の時までは、一切、戦争のことは語りませんでしたが、最近でこそ、酒を飲むと昔のことを話します。中枢にいたわけではありませんが、ネズミを朝から晩まで捕っていた。いわゆるペスト菌の繁殖の為にネズミが必要なので、ある部隊の父親の部署は、朝から晩までネズミを捕り、増殖させ生物兵器として使っていくという、この番組の化学兵器と同等のことをやっていたのだなと、最初に思い浮かびました。アメリカの広島・長崎の原子力爆弾も同じ。非人道的な、使ってはならない兵器をあえて戦争になると使ってしまう、正常ではない人間を沢山作り出すというところが非常に印象に残りました。最後に藤本さんに写真を見せて、「この状態をどう思いますか?」と質問していましたが、非常にきつい質問だと思います。傷口に塩を塗るような感じで、よくコメントをしてくれたものだと思います。本来なら思い出したくもない、しかしながら、一秒たりとも忘れたことはないというコメントがありました。その中であの写真を見せて、コメントをとるのは、なかなか厳しい取材をされているのだろうと思いました。しかし、このような番組を作ることによって、明るみに出し、二度と悲惨な戦争を起こさないという目的の為に使うのは、マスコミの使命だと思います。東京裁判もそうですが、戦争というものは勝った側が正義、勝った側がリードしながら裁判をしていくところだと思います。アメリカが、その後、ベトナム戦争で枯葉剤を使用していますが、非人道的な兵器です。どの国も戦争になれば悲惨な結果になります。度々見たくはない番組ですが、子供たち、私もそうですが、戦争未経験者に対しては、一度は見て、心に刻みつけるこのような番組が必要なのかなと思います。

・見終わって、なぜこんな遅い時間の放送で、再放送は早朝なのだろうと思いました。これがもしドラマだったら、俳優をつかい、ネームバリューのある女優をつかい、ゴールデンに放送したのかもしれないくらいの中身だと思います。ドキュメンタリーの本当の人をゴールデンに持ってくると、色々な波紋が起こるということが分かっていたから、この時間帯にしたのか、スポンサーがつかなかったからなのか?数字が取れないということ、このようなドキュメンタリーの枠はなかなか作る方も、編成する方も度胸のいることだと分かりました。タイトルが出てくる前の1~2分のイントロは素晴らしいと思いました。鳥肌ではありませんが、恐怖感とドキドキ感、自分の心拍数が上がったのが分かりました。このイントロは素晴らしいと思いました。またこういったドキュメンタリーの番組にしては、エレクトロ的な音楽素材を使ったり、クラシックを混ぜたりなど、背景の音楽が素晴らしかった。ナレーションの声、またナレーション自体も文体が短文で、頭の中にセンテンスが残りやすい文章力で書かれていて、感銘を受けました。世界で戦争が残した傷跡はまだ続いていると、私も感じるところがあり、見ていて苦しくなる、やり切れない思い、ショックを受けたところは多分にありました。こういった番組の中で、参考文献は「毒ガス戦と日本軍」という吉見氏の一冊だけですが、他にも何冊か当たられたのですか?吉見氏が研究者として一人登場なさったので、客観性と言いますか、多角的な意見、実はそうでもない見方もあったといったことを出す時に、例えば他の文献には、このことに関しては、このように別の捉え方をしていたというような、研究者の方がもう一人登場してくると良いと思います。最後の記者の写真を見せての投げかけは、重たく、辛い仕事だったのだろうなと思います。ですが、ドラマと言いましたが、やはりドラマではなく、ドキュメンタリーの方が良かったと思ったのは、この瞬間でした。嘘がない。上手い役者さんが藤本さんのセリフを言ったとしたら、全てをオブラートに包んでしまったような思いしか残らなかったかもしれないと思います。

・私が子供の頃は、防毒マスクがありましたが、あの毒ガスを防ぐマスクだったのかと思います。あの映像に出ていたようなマスクを、各家庭で1つは持っていました。アメリカの兵隊さんが来て毒ガスを振り撒いたらこれを被らないといけないと言われました。それを信じていましたが、この番組を見て、日本がやったのかなと思いました。それを否定する意味でそういったことを政府が出してきたのかなと思い、気をまわしました。敗戦が小学校の4年生だったのですが、毒ガスの話も世の中に沢山でました。そういったことが出てくるということは、やはり近くで作っていたのかなと思いました。戦争の恐ろしさを、嘘を言われて大きくされたような気がしました。戦争に負けていて良かったと感じました。これが続いていると、あの島もなくなってしまい、ダメになる日本人が大勢でて、中国の方の可愛そうな状態が起こり、戦争は嫌だなと思いながら、この番組を見ました。娘と同じくらいの方が学校を訪ねてきて、お昼の時に食事をしながらこの番組を見ました。「先生、こんなひどい事を日本人がしていたのですか?私は知りませんでした。」とびっくりして、「戦争は嫌ですね」と涙を流すまでに、自分の胸に刻んだと思います。若い人には、戦争はこんなに裏があるということを言わないといけないと思います。私が子供の時に、近所のお兄ちゃんは、小学校を卒業し、田舎なので高等小学校の高等科というものがありましたが、その人たちは皆、義勇軍といいましたが、満州の方や工場の方へ行ったりしました。女学校や中学校の人たちも、学徒動員に行き、色んな苦しい思いをして、敗戦になり帰ってきました。毒ガス製造のところに行った人もいたのかなと思い、藤本さんをお気の毒に思いました。感心したのは、藤本さんはすごく頭の良い人だと思いました。ずっと設計し、毒ガスの化学式まで覚えていて、書いて出していました。化学式を画面に出すと、真似をする人が出てくるといけないと思いました。かつてのサリンではありませんが・・・化学方程式が出たので、このようなものが作れるのかなと、誰でもとは言いませんが、それなりの人が作ることもあるのかなと思い、化学式はぼやかしてもよいのかなと思いました。心を痛めました。こういう時に記者の質問の仕方が少しきついと思いました。もう少し柔らかくしてあげた方がいいのかなと思いました。質問する時の言葉の使い方が気になりました。若い人たちに話し、見せてあげないといけないと思いました。番組としては素晴らしいものだと思います。

・日本人にとっての戦争、毒ガスはネガティブな問題で、これをドキュメンタリーとして仕上げる経緯を知りたいと思いました。ですが、2年前からというお話を伺い、そうなのだと納得しました。私たちの感覚では、地元でもなく、この大久野島のことも知らず、毒ガスというのは戦争の時というイメージです。ですが、今の私たちの世代や、子供の世代は、毒ガスというと「オウムのサリン」です。分からない内容を、この番組を見て(子供にはまだ難し過ぎて分からなかったのですが)、説明をする。そういうことで戦争を伝えていくという面では素晴らしいと思いました。これからの世代の子供に、こういった事をしっかり伝えるべきなのか、教科書のようにさらりと授業で流し伝えるだけでいいのかというのは、それぞれの個人の問題だとは思います。ですが、このような番組を見せて、家族で、また先生と生徒で話し合う、考えていく上で、親の立場でどのように対処していいものなのかなと感じました。私も化学式の場面は怖かったです。もちろんインターネットには出ていて、中高生は簡単にいじります。理学部系の学生は簡単にできてしまうような内容の化学式だと主人とも話しながら見ました。インターネットで調べれば分かることですが、頭にインプットさせない為には、ぼやけさせたりといった配慮をしていただけたらと思いました。深夜の時間帯の放送については、先ほど質問があり分かりましたし、私自身も納得しました。藤本さんに質問をされていたのは安倍さんですか?「肉じゃがが食べられない」、藤本さんが怒ったような言い方で、「胃がないんじゃ」とおっしゃっていましたが、あのようにおっしゃられる時の怒った表情、怒っているように受け取れましたが、戦争でこういうことをしてしまったという罪悪感などの面が非常に感じ取られて良かったと思います。私は、主人と見て、その後、子供とも見ましたが、その後で、子供に伝えていきたいと思いました。こういった番組が深夜の時間ではなく、普通に見ることができればと思います。

・半分に分けて見させていただきました。半分まで見ると、少し自分が考えなければならない、重たい感じになりました。今日、出る前にも、さっともう一度見ました。取材をされる時の苦労がすごく伝わってきました。私個人の意見ですが、藤本さんは、きっと性格も激しい方だと思います。なので記者が、質問をされる、何か言葉を投げかけられる時の苦労は、計り知れないものが沢山おありになったのだろうと、ひしひしと感じ取れました。まず「お疲れ様でした」という感じがしました。長年に渡り取材を重ねてこられ、今までドキュメンタリーとして拝見させていただいたものとは全く違う印象を持ちました。内容はもちろん違うのですが、この番組に力を注がれたということが伝わってきました。化学式が映っていましたが、私は化学式は全く分かりませんが、やはりドキュメンタリーなので、化学式は出てもいいと思います。真似をする人は、何をしても真似をします。真似ができない人は、何をしても真似はしないと思います。この番組はドキュメンタリーなので、出すべき、出してもいいと思いました。BGMと、最初と最後の金色の演出は綺麗だと思いました。これに綺麗を言うのはおかしいかもしれませんが…。「美しい世界を、これからの時代を、私たちが繋がなければならない」それで救われた感じがしました。最初の防毒マスク映像が出たときは、「何が始まるのだろう」という不安感と、恐怖感を感じました。そう感じ取ったような内容でした。番組として、重いけれども、やはりこれからも大事なことなので、このようなドキュメンタリーを制作され、色々積み上げていかなければならないと思いました。お疲れ様でした。

・価値のある番組だと思います。30分に圧縮することで、結構苦労されたと思います。できれば資料として、学生たちにも見せてあげたいと思います。アメリカの公文書館は、なかなか行けません。リサーチャーの人が難しいと思います。どこへ行ってもそうですが、リサーチャーの人がしっかりしていないと、かつ、依頼する人との言葉の問題があり、意図が伝わらない事もあります。またアメリカ側の表現がうまくこちら側に来なかったりするので、随分リサーチャーも…。ウィンチ啓子さんは、ずっとアメリカに住んでいる方なのですか?だいぶ苦労されたと思います。ただ、かなり重い内容で、私自身もこの番組を見て、石井731部隊のことを思い出してしまいます。私の父親も満州で、陸軍中尉でしたが、一切、昔のことを話さないまま亡くなりました。皆、言えない事が沢山あったと思います。そういった意味で、貴重な表現をされた方なので、ぜひ資料として、アーカイブの形で見られるようにしていただきたいと思います。

・これだけの番組を、多くの人が視聴できる時間になぜ放送しないのかと思いました。視聴率が取れないという話がありましたが、それを最優先するのは悲しいです。愛媛朝日テレビの存在感を示すには非常に良い番組だと思います。プライムタイムに出しても十分視聴率は取れると思います。視聴者は、愛媛朝日テレビを見直します。こんなに良いものを放送しているので。もったいないです。


②系列24社放送番組審議会代表者会議議題「震災、原発報道について」
・震災報道、原発報道共に、メディアは後追いになっている。現象など、後を追うような形に全てなっています。たとえば、原発について言えば2030年廃炉を目標というのは予測の範囲外でした。2030年に廃炉になるかどうか実際には分かりません。震災報道は、どこの局も同じような事をやっていたという反省がありました。もう少し独自性を出すなり、分担してやるなり、震災報道はそうするべきだったと思います。次なる震災ということが大きな問題になっていますが、発表されたものでしかない、その結果どうなるのかという予測について非常に分かりにくい。それに対する対策はどうなのか?ということが震災報道についてあります。原発について言えば、この後、大変長い15年もかけ、廃炉になってからも後処理をするということ、もっと知りたいことがいっぱいあると思います。震災報道についても、原発報道についても、隔靴掻痒な気がします。本当に知りたいことを先んじて調べてほしい。

・震災の発生した2011年3月11日から1年半が経ちました。あれだけの大災害の直後と今とでは、見方が変わることがあるのではないと思います。原発報道については、現在、大飯原発以外の原発はすべて運転を停止しています。福島の原発の後処理、今どのようにして廃炉にもっていくのかという問題と、それ以外の原発をどうするのか?動かすのかどうか?ということについて、もう少し細かな分析をするような報道があっても良いのではないかと思います。日本は被爆国なので、原子力については、過剰に神経質なのは解ります。しかし、電力需要については、今年の夏は停電もなく何とか乗り越えました。既存の火力発電を動かし、極端に言うとコストを無視して乗り切った訳です。原発の依存度は2割だったので、ピーク時のことを思えばできないことはなかった。このまま続けていき、日本全体の経済は大丈夫なのか?日本の国際競争力は大丈夫なのかというような分析。例えば、ドイツは脱原発を決めましたが、現実としては、ドイツは持っている原発全てを稼働させ、安く電力を供給し、国際競争力を保っています。そういった国際社会の実情、常識を分析しても良いのではないかと思います。国際社会の実情や常識を報道すると、日本の現状とは相当ズレがあるかもしれません。あるいは国際社会が無神経な状態かもしれません。国際社会の原発に対する見方も報道しても良いと思います。脱原発で、最近になり急に、再処理工場の問題について、これで良いのかという論調が出て来ています。私も知りませんでしたが、核保有国ではない国で、再処理工場が許可されているのは日本だけです。プルトニウムが生成できるので、再処理工場を持っているということは、極端に言えば、潜在的核保有国です。韓国もこれを非常に持ちたがっています。ですが、アメリカがダメと言っている訳ですが、その辺のことを、もっと一般国民に知らせても良いのではないかと思います。とにかく原子力のことになると、非常に神経質に、エキセントリックになり、「ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメ」という気持ちは分かりますが、国際社会の現状、バランス感覚で原発問題に対して、少しずつ考えていくべきだと思います。もちろん原発は危険だと分かっていますが、国際社会の現状を伝えて良いのではと思います。でないと、本当に原発を全部停止したままだと、こんなはずではなかったと、風力や太陽光のような自然エネルギーに頼り、3年、5年、10年後に、安全ではあるが、とんでもないことになる可能性もあります。その辺のことについては、マスコミも世論に「こういうこともあるのだよ」ということを示す義務があるのではないかと思います。震災報道については、実は、復興というものがほとんど進んでいません。この実情をあまり報道すると、現政権を批判することになるので、遠慮しているのかなと感じざるを得ないところもあります。復興ができていない現実を報道するべきだと思います。

・震災の問題は、原発を始めとした人災と、天災の部分があると言われています。人災の部分については、責任問題はともかく、繰り返さない為に、しっかり注目し続ける必要があると思います。特に、原発の問題は、未だ解決途上で分からない点が多く、原発を県内に抱える愛媛においても、地道に報道していくことが肝要だと思います。また被災地で問題になっている医師不足は、県内でも深刻化していると聞いています。震災が起きた場合、県内で抱える課題は他にも色々あると思うので、地元に密着した報道として、身近な問題として受け止められるような形で報道していただければと思います。

・いつかの新聞の論説に「正しく怖がる精神を」という文章がずっと出ていました。まさにその通りだと思います。目に見えない放射能。原発に対する確かな知識がない人間に対して、非常に不安を煽っていったのがマスコミではないのか?基本的には、世論は脱原発になっていますが、実は、是か非かは、色々な立場によって当然違う訳です。事故から1年以上経つと、経団連、経済関係者には、原発を再稼働させるべきだという論説も出ています。原発ゼロというものを目指して得るもの、失うもの。その辺をしっかりと論理的に分析をして、それを平等な立場として報道するべきだと思います。論調はどうしても「脱原発」という立場のウエイトでの報道が8割、9割ではないかと思います。たまに1割くらい、いわゆる原発によって利益を得ている自治体、住民など、そういった生の声を取り上げています。生活に直接密着している住民、原発で利益を得ている住民は、実際には沢山います。伊方町の方でもそうです。「必要悪」と言っていいのか分かりませんが、そういった角度から、平等に取り上げて、是か非かを、非に偏り過ぎないようにしていただきたいと思います。私も原発はない方がよいという立場です。ですが、逆の立場から考えた時に、報道で、普通の国民は洗脳されてしまいます。それしか情報がないので、自分で専門書を読んだりする人は、ほとんどいないので、「怖い」といった風評被害もまさにその通りだと思います。もう少し冷静になり、原発の歴史的な背景、正しい情報を、もう一度伝えるべきだと思います。それぞれマスコミも局によって違うと思いますが、何となく怖がらせて「反原発」をリードしていくような風潮があるのかなというイメージを持っています。逆の立場も取り上げた方がよいと思います。

・テレビ朝日は立派と思ったことがあります。それは、復興予算の使途が適正かどうかについて、朝の時間帯、おそらく主婦やお年寄りに向けて作っている番組の中で、一番丁寧に取り上げていたのはテレビ朝日だけでした。他の局は、自民党の5人の中で誰が総裁になるのかといったことをやっている中で、きちんと時間をかけて放送していることに、高く評価をしたいと思います。復興を早くさせてあげたい、普通の家族としての生活を早く送れるようにしてあげたい。日本を大きく、また経済を復活させるという力にはならないかもしれませんが、人の幸せがあってこその復興です。復興予算が国立大学の建物の予算にまわっているという話を聞いて、私は考え込んでしまいました。テレビ朝日の丁寧にやろうとしている姿勢を貫いていただければと思いました。国会の議員宿舎にお金が使われることが、本当に復興予算だとは思いません。そう思っている人の方が多いと思います。放っておけば復興するではなく、そこをちゃんと見つめようとする姿勢を持っているテレビ局は、テレビ朝日だけだと、朝の番組を見ながら思いました。

・災害や震災は、時間が経つと忘れられていきます。忘れられないようにするためにはどうすればいいか、ということを考えてもらいたいと思います。1年半が経つと忘れている人もいると思います。忘れるのではなく、忘れられない為に、マスコミの方で1か月に1回など定期的に、印象的なものを流していただき、思い出す。私たちがそれについて注意をしていくというような番組を作っていただきたいと思います。原発については、原発によって利益を得ている地域は、それが生活の糧になっています。原発をなくしてしまうと、どのような生活をするのだろうかと思います。原発をなくすということも大切ですが、原発によって暮らしが成り立っている人たちの生活の保障を考えながら、原発をなくしていく方法へとマスコミも協力していただきたいと思います。

・震災、原発報道に関しては、今は、その当時のものを見る機会がなくなり、未来形なのか、例えば、南海、東海で地震が起きた場合の図を使って、どれくらいの津波の被害があるのかといった報道を目にします。もちろんどのような状況になるのか、ありがたいことだとは思います。私が一番知りたいことは、もし地震が起きた時に、それぞれのテレビ局では、どういう方法で危険を知らせ、どのような時間帯で、どのような情報を流すのか?番組の重要度が分かりません。震災の時はどの番組を見ても同じ内容で、どこを見ていても同じVTRが流れているだけで、肝心なことが分からなかった。いざここで地震になった時に、テレビ局はどのように私たちに内容を知らせていただけるのか知りたいです。原発については、報道協定などあり難しい問題だと思いますが、ありのまま、本当のことを知りたいというのが一般的な意見だと思います。オブラートに包まれた報道ではなく、実際のことを知りたいと思います。誰しもが分かる報道をお願いしたいと思います。

・震災の被害予想が報じられると、土地が値上がりしたり、値下がりしたり、やはりマスコミの力は大きいと感じます。それが良い事や悪い事とは別ですが。食材の安全性について、「これは安全ですよ」と言いながら、その食材から検出された数値を伝えています。単純な主婦の方は「大丈夫かな?」と、それで左右されると思います。「○○産の野菜は買わないようにしよう」など、誘導される部分があるのではないかと、時々感じます。原発報道については、賛否は置いておいて、伊方の取材で、民宿をしている所が、誰も泊まりに来なくなった、出張がなくなったということで、死活問題になっているという内容が流れたことがあり、胸が痛みました。一概に原発は悪い、良いとは言いませんが、「原発は悪い、どうだこうだ」ということも大事でしょうが、原発のおかげで生活をしている人たちがいるということ、難しいと思いますが…。先日、伊方に行った時にひしひしと感じました。思い過ごしかもしれませんが、今まで行った伊方は元気でしたが、先日の伊方は元気がなくなっていると感じました。報道は難しいと思いますが…。私もどう表現していいのか分かりません。

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