毛穴から血がでてしまうというのは、ショッキングな出来事ですし、見た目にも影響します。無理なケア方法で毛穴からの出血を起こすことがないように、正しいケア方法を知っておきましょう。
また、肌に大きな負担のかかるケアや不衛生なケア用品の使用によって、毛包炎(毛嚢炎)という湿疹のような炎症が肌にできることもあります。
この記事では、毛穴から血が出る原因や毛包炎の原因と改善策、肌に負担のかかりにくいケア方法について解説します。
毛穴から血がでるのはなぜ?
何もしていない状態で突然毛穴から出血するということは、健康な方であればほぼありません。毛穴から血が出るのは、毛穴やムダ毛のケアなどを行なっているときが多いでしょう。具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 角栓を毛抜きで引き抜いた際に出血した
- 毛穴ケアを何度も繰り返すうちに、毛穴自体が赤くなってしまった
- 脇やアンダーヘアなどのムダ毛を毛抜きで抜いた際に出血した
- 縮れた髪の毛などを引き抜いていたら血が出てしまった
このような原因による出血の多くは、しばらく時間が経過することで自然と収まります。しかし、血が出るほど肌に負担がかかるケアを繰り返してしまうと、より悪化する可能性があるため避けたいものです。自分のケアを見直して、毛穴からの出血を防ぎましょう。
ただし、出血がいつまでも収まらない場合や、痒みや痛みなどが継続する場合は皮膚科を受診してください。
毛包炎(毛嚢炎)とは
毛包炎(毛嚢炎)は、皮膚にできるポツポツとした湿疹のような炎症です。毛穴が赤く見えることがありますが、出血しているわけではありません。
ただし、毛穴ケアやムダ毛処理後に炎症が起こり、毛包炎(毛嚢炎)になってしまう点は毛穴からの出血と同様です。原因と対処法を知っておきましょう。
症状と原因
毛包炎(毛嚢炎)は、毛穴に細菌や真菌が入り込むことで起こる炎症です。ニキビを思い浮かべるとイメージをつかみやすいでしょう。
毛穴に細菌が入り込んでしまう原因は、毛穴が不衛生な状態にあることや、皮膚に微細な傷ができることです。そのため、不衛生な状態で毛穴ケアやムダ毛処理を行うと、毛包炎になりやすくなります。
例えば、古いカミソリを使ってムダ毛処理をしたり、不衛生な毛穴ケア用品を使ったりするとリスクが高まります。お風呂場に置きっぱなしになっているカミソリも、雑菌がいる可能性が高いので避けましょう。
また、毛穴の角栓を無理やり取ろうとしたり、毛の流れと反対にカミソリをあてる逆剃りをしたりすることも、毛包炎の原因になります。
正しくケアを行えば毛包炎は改善する
毛包炎は、通常、触らずにそっとしておくことで自然と回復していきます。毛包炎になってしまったら、皮膚を清潔に保ち、毛穴処理やムダ毛処理といった肌に負担がかかる行為は一時的に避けましょう。
回復後の再発を防ぐためには、ケア方法の見直しが大切です。角栓を無理やり押し出したり、毛抜きで抜いたりすることがないようにしましょう。また、ムダ毛処理をする際も、肌に刃が触れにくい電気シェーバーを使ったり、処理後の保湿を十分に行ったりするようにしてください。
同時に、肌やケア用品を清潔に保ち、不衛生な状態にしないことも大切です。
毛穴に負担をかけないムダ毛処理
ムダ毛処理を毛抜きで行うと、毛穴から血が出てしまうことがあります。カミソリを使ったムダ毛処理も、肌に負担がかかり炎症をおこす場合があります。できるだけ毛穴への負担が抑えられるような処理方法を心がけましょう。
処理前にホットタオルであたためる
ムダ毛処理の前にはホットタオルやスチーマーを使うのがおすすめです。肌を温めると固い毛がやわらかくなり、毛穴が広がって毛が起きるので、カミソリを強く当てる必要がなくなります。そのため、ムダ毛処理で生じる肌へのダメージを軽減できます。乾燥して冷たい状態の肌は傷つきやすいので、避けたほうが無難です。
入浴後は肌がやわらかくなり毛穴が開くので、ムダ毛処理におすすめのタイミングです。ただし、浴室には炎症の原因になる雑菌が多いため、お風呂場での処理は避けてください。
電気シェーバーで毛の流れに沿って剃る
毛抜きはもちろん、カミソリを使ったムダ毛処理も、肌や毛穴へ負担をかけます。できるだけ刃が肌に触れないように作られている電気シェーバーや、美容外科で受けられるレーザー脱毛による処理がおすすめです。
電気シェーバーを使う際は、あらかじめ毛を短くカットし、毛の流れに沿って使ってください。長いまま剃ると、毛が絡まってうまく剃れなかったり、毛穴に負担をかけたりすることがあります。
また、毛の流れに逆らって剃るとしっかりムダ毛を排除できますが、その分肌に負担がかかります。肌を守るためには、毛の流れに沿った処理が基本です。
処理後にはしっかりと保湿をする
ムダ毛処理をする際は、肌の保護を第一に考えましょう。シェービングローションやシェービングクリームを使うことで、ムダ毛を剃る際のダメージを軽減できます。
また、処理後は保湿を行って、肌に与えてしまったダメージの早期回復を目指しましょう。顔はもちろん、腕や足などのムダ毛処理を行った場合でも、必ずボディクリームなどで保湿を行います。
カミソリは清潔な状態を保つ
不衛生なカミソリを使った場合、毛穴や微細な傷から細菌が入り込み、毛包炎(毛嚢炎)を起こすことがあります。炎症を防ぐために、カミソリは清潔な状態を保ちましょう。
カミソリは湿気の多い場所で保管すると、サビやすく切れ味が悪くなります。特にお風呂場は雑菌が増殖しやすいため注意しましょう。使い終わったら、水分を拭き取って乾いた状態で清潔に保管するのが大切です。
また、カミソリの刃を長期間交換していないと、増殖した雑菌が毛穴に入り込んだり、切れ味が悪く肌を傷つけたりします。長くても3ヵ月に一度は刃の交換をしましょう。
毛穴汚れが気になるときの正しいスキンケア
毛穴の汚れが気になるときに、ゴシゴシこすったり、角栓を引き抜こうとしたりすると、皮膚が傷ついてしまい、肌トラブルの原因になります。肌に負担のかかりにくいスキンケアを行いましょう。
クレンジングで汚れを浮かせて落とす
クレンジングをする際は、ゴシゴシとこするのではなくメイクや汚れを浮かせて落とすことを意識しましょう。クレンジングのステップは以下のとおりです。
- 蒸しタオルを顔にあてて毛穴を開きます
- クレンジングオイルなどを顔全体に馴染ませます。それぞれの商品の使用量目安を参考に、十分な量を使いましょう。
- 毛穴が目立ちやすい鼻周りは、漏れがないように指先で丁寧になじませます。力を入れる必要はありません。
- ぬるま湯で十分に洗い流します
なお、使用するクレンジング剤は、その日のメイクの厚さや肌状態に合わせて選びましょう。特に乾燥肌の方や、皮脂が少なくなる年代の方は、洗浄力の高すぎるクレンジング剤を避けて、保湿効果のあるものを選ぶのがおすすめです。
よく泡立てた泡でやさしく洗顔する
洗顔料は、直接肌につけるのではなく、十分に泡立ててから使いましょう。泡立てネットを使うと、簡単にきめの細かい泡を作れます。
泡を肌に乗せたら、優しく肌表面をすべらせるように洗います。このときも手で強く顔をこすることがないようにしてください。
洗顔後は、ぬるま湯で洗い残しがないように十分すすぎ、最後に水気をふき取ります。清潔なタオルで顔を抑えるようにして水気を吸わせましょう。
しっかりと保湿をする
洗顔後は、しっかり保湿をすることが大切です。化粧水、乳液、美容液、クリームといった保湿剤を使って肌を保護しましょう。
保湿剤には、さまざまな種類があります。毛穴の開きが気になるなら収れん化粧水、乾燥が気になるなら高保湿タイプなど、お顔の状態に合わせて選んでください。
多くのメーカーでは、複数の保湿剤を組み合わせて保湿を行うスタイルをとっています。それぞれのメーカーが推奨するラインを参考に、自分に合う保湿方法を見つけましょう。
まとめ
毛穴から血が出てしまう原因は、誤った毛穴ケアやムダ毛処理にあります。負担の大きいケアによって血が出るほどのダメージを毛穴に繰り返し与えていると、毛包炎(毛嚢炎)のような炎症が起こったり、毛穴が目立つようになったりする可能性が高まります。
美しい肌をキープするためにも、肌やカミソリなどのケア用品を清潔に保つことを意識して、肌に優しいケアを目指しましょう。