ニキビが強い炎症を起こしたり、加齢によって皮膚がたるんだりすると、毛穴がクレーター状になってしまうことがあります。深いクレーターができると、メイクをしてもうまく隠れないこともあるため、根本的な解決が求められます。
今回は毛穴のクレーターを改善し、できるだけ新しいクレーターを作らないために何をすれば良いのか、心がけたいポイントをご紹介します。
毛穴にクレーターができる原因とは
毛穴にクレーターができてしまう主な原因は以下の4つと言われています。現状の毛穴トラブルの原因はどれか、また同じ原因でクレーターを作ることがないように確認しておきましょう。
- ニキビ跡
- 乾燥
- 加齢などによるたるみ
- 皮膚炎
ニキビ跡
症状の軽いニキビは、そのままきれいに治ることもあります。しかし、大きく腫れて痛みをともなうニキビや膿んでしまったニキビは、クレーター状になることがあります。これは皮膚の表面だけでなく、真皮層という肌の深い部分にまでダメージが及び、回復できないためです。
また、ニキビをつぶしたり引っかいたりすると、炎症がひどくなってニキビ跡が残りやすくなります。
乾燥
皮膚が乾燥していると、それを補おうとして皮脂の分泌が過剰になってしまいます。過剰な皮脂分泌を放置してしまうと毛穴が開きっぱなしの状態になり、毛穴が目立ったりクレーターができたりする原因の一つです。
また、皮膚の乾燥は肌のバリア機能の低下にもつながります。些細な刺激で炎症が起こりやすくなり、その結果クレーターになってしまうことも。ターンオーバーも乱れることから、炎症の治りも悪く、肌状態の悪化を招きます。
加齢などによるたるみ
肌のたるみは、あくまでもクレーターとは違う問題です。しかし、肌と同様にたるんだ毛穴が帯状につながってクレーターに見えることがあります。
皮膚は、年齢を重ねるにつれて少しずつハリや弾力を失っていきます。これは、コラーゲンやヒアルロン酸といった肌を美しく保つ成分が作られにくくなっていくためです。また、紫外線によるダメージの蓄積や表情筋の衰えによって、たるみが発生することもあります。
こうした状態を放置していると毛穴がたるんで広がり、肌がでこぼこに見える原因になります。
皮膚炎
皮膚炎の悪化により、毛穴がクレーター状になってしまうことがあります。繰り返し炎症を起こしていたり、治療せずそのままにしておいたりすると、角質層にまで炎症が進み、きれいに治りにくくなるのです。
肌全体に広がる湿疹や脂漏性皮膚炎などの炎症が起こったときは、放置したり掻いたりせずに、適切な対処を取りましょう。
毛穴のクレーターを改善するための方法
クレーターができる原因には、ニキビや乾燥、加齢などさまざまなものがあります。しかし、クレーターをできるだけ予防するためのコツや、改善のために心がけたいことは同じです。
クレーター症状を悪化させないために気を付けたいポイントは以下のとおりです。それぞれ詳しくご紹介します。
- 正しいクレンジングと洗顔
- 美容成分配合の化粧品を使う
- 美顔器を活用する
- 紫外線対策をする
- 食事や睡眠といった生活習慣の見直し
正しいクレンジングと洗顔
毛穴がクレーターになるのを防ぐためには、日々のクレンジングと洗顔を丁寧に正しい手順で行うことが大切です。
<クレンジングと洗顔の手順>
- メイクをしている方のみ)クレンジングでメイク汚れを落とします
- クレンジング剤をぬるま湯でしっかり洗い流します
- 洗顔フォームをしっかり泡立てて、そっと顔に乗せます。鼻やTゾーンなど、皮脂の多い部分から乗せていきましょう。
- 手のひら全体で顔を包み込むようにして、力をいれずに洗います。小鼻など細かい部分は、指先でくるくる円を描くように優しく泡をすべらせてください。
- 洗顔フォームをぬるま湯で洗い流します。流し残しがないよう、前髪の生え際やフェイスラインも十分流しましょう。
クレンジング剤には、オイルタイプ・ミルクタイプ・クリームタイプといった種類がありますが、肌質にあったものを選びましょう。オイルタイプは洗浄力が強い分、皮脂を落とし過ぎることがあります。乾燥肌の方はミルクタイプやクリームタイプを使うのが良いでしょう。
なお、洗顔をしっかり行うことは大切ですが、洗いすぎにも注意が必要です。皮脂を落とし過ぎないように、手早く行ってください。
美容成分配合の化粧品を使う
基礎化粧品は、それぞれの肌タイプに合ったものを使うのが基本です。今あるニキビがニキビ跡にならないか心配な方には、ビタミンC誘導体が配合されている基礎化粧品がおすすめです。
乾燥予防には、以下のような保湿成分が含まれた化粧水を選ぶようにしましょう。
- コラーゲン
- セラミド
- ヒアルロン酸
- プラセンタ
なお、乾燥肌の方は、揮発性のあるエタノール配合の化粧水は避けてください。肌の乾燥が進んでしまう可能性があります。
また、肌のターンオーバーを促すといわれるレチノールが配合された美容液を使うのも良いでしょう。レチノールはコラーゲンやエラスチンの生成に働きかけ、肌のハリや毛穴の引き締めといった効果が期待できます。
美顔器を活用する
美容成分配合の化粧品を使うときには、美顔器を使うと効果的です。さまざまな種類がありますが、搭載されている機能によっては、毛穴トラブルにアプローチできます。
たとえば、美容液成分の浸透を促すエレクトロポレーション美顔器や、毛穴汚れをすっきり落とせるイオンクレンジングができる美顔器を使ってみるのも良いでしょう。
紫外線対策をする
紫外線を浴びると、肌の表面だけでなく真皮にまでダメージを受けます。肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンを変性させるため、帯状毛穴の原因となるたるみを引き起こします。
また、ニキビができているときに紫外線に当たると、炎症が進んだり色素沈着の原因になったりする可能性もあります。
紫外線は天気が良い日だけではなく、曇りの日にも降り注いでいます。年間を通して紫外線対策を怠らないようにしましょう。具体的には以下のような対策を取り入れてみてください。
- 日焼け止めは2〜3時間ごとに塗り直す
- 長時間外にいる場合はSPF50、PA++++の日焼け止めを使う
- 日傘、帽子、サングラスを身につける
食事や睡眠といった生活習慣の見直し
生活習慣が乱れていると、ホルモンバランスが崩れて肌の調子が整いにくくなります。美しい肌を作るためには、日々のスキンケアに加えて生活習慣の見直しも大切です。規則正しい生活を心がけ、睡眠時間を十分に確保しましょう。
食事面では、肌や髪に必要不可欠なタンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂れるように、献立を見直しましょう。各成分が摂取できる食材は以下のとおりです。
タンパク質 | 卵・肉・魚・乳製品・大豆など |
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ビタミン | ブロッコリー・ホウレン草・キウイといった野菜類や果物類 |
ミネラル | 乳製品・海藻類・野菜類など |
バランスよく摂るのが難しかったり、どうしても栄養素が不足してしまったりする場合は、サプリメントで補うのもおすすめです。
毛穴のクレーターは皮膚科で治すことはできるの?
皮膚科では、ニキビの治療を受けることができます。症状に合わせて塗り薬や飲み薬が処方されるのが一般的です。
ただし、皮膚科はあくまでも病気の治療を目的とするため、過去のニキビによってできたクレーターの治療というよりは、現在進行しているニキビの治療になるでしょう。
クレーターのような見た目の問題を解決したい場合は、美容皮膚科のほうが適している可能性があります。美容皮膚科では、ケミカルピーリングやレーザー治療などが受けられます。
ただし、美容を目的とした治療は保険診療ではなく、自費診療になる点を覚えておきましょう。
まとめ
クレーター状になってしまった毛穴を改善するためには、日々のお手入れと生活習慣の見直しが必須です。
正しい洗顔や丁寧なスキンケア、紫外線対策を心がけることで、新たなクレーターの発生を防ぎやすくすることが期待できます。十分な睡眠時間の確保やバランスの良い食事も意識できると良いでしょう。
改善が見られない場合や、状態が深刻な場合は、皮膚科や美容皮膚科で相談するのもおすすめです。