番組審議会

第159回 放送番組審議会議事録

1.開催日時:平成23年 1月25日(火)午後4時30分
2.課題番組:「ニュースBOX WIDE SP 2010 スポーツ界は愛媛県人が熱かった」
2010年12月31日(金) 15:30~16:40(70分)
3.議事の概要:

・この番組を見て、これだけ多彩な国際的スポーツ選手が、この愛媛から輩出されていることに改めて驚きました。皆さんに共通しているところは、皆さん、夢を追いかけ、それを実現されている。その中で、喜びあり、悔しさあり、そして心の中の葛藤を経てトップアスリートの地位を獲得した。見逃してはいけないのは、その親の心。育てていった指導者もそうですが、親の心情を上手に番組の中で捉え、単なるアスリートの経歴を紹介するのではなく、アスリートの背景になるものを深く掘り下げて作られた番組だと思います。また、アスリートだけではなく、伊予銀行のテニス部など、地域に密着して、地元で活躍されている皆さんを取り上げことも忘れていないというところも心憎いと感じました。

・爽やかで、見終わったあとに非常に気持ちがよい、率直にいってそういう印象を受けました。1つは、スポーツなので嘘がない。作り話ではなく、本当に成果を挙げ、嘘偽りがない。その爽やかさが伝わってきました。皆それぞれ言わば成功者、一定の成果を挙げた方ばかりですので、そのことに率直に敬意を表したい。また、この5人を見ると、何となく共通項がありました。1つは、皆さん挫折をしています。始めから上手くいっているわけではなく、どこかの段階でつまずいている。サッカーの長友選手も愛媛FCの選考に落ちていますが、田舎のチームで採用されなかった人が、世界で活躍しているということですから、本当に励まされます。スノーボードの青野選手の爽やかさ、純朴さもすばらしい。あのオリンピックの時は「腰パン」の選手がいましたが、あの選手と比べると、我が愛媛の青野選手は、純朴でよい青年であり、ぜひ活躍してもらいたい。勉強不足のため、私は浅見選手のことを知りませんでしたが、この方も爽やかないいお嬢さんであり、こういう人にぜひロンドンオリンピックで活躍してもらいたいと感じました。浅見さんは、お父さんが新田高校の柔道部のコーチでもありますが、「美しい礼法、敗者への気配り、一生懸命な姿」という言葉にはジーンと来ました。共通項のもう1つは「よき理解者、よき指導者」という存在。一流の選手には、必ずそういう人がいるのだと感じました。また、この番組は、愛媛朝日テレビが日頃から地道に映像を蓄積してきたからこそできた番組だと思います。今から新しく作ると言っても、おいそれとできるものではありません。最初にとりあげられた阪神の秋山投手は、東京ドームのデビュー戦で負け投手となりました。勝ち投手になると思って取材に行ったのではないかと思いますが、負け投手になりました。しかし、その後のドラマがあるので、かえって光ってくる。負けた時の映像だからこそ役に立つ。これからも引き続き映像を蓄積していってください。これはというものを、スポーツに限らず、文化の世界、何の世界でも結構ですので、蓄積していただき、中には無駄になるものもあるかもしれませんが、花開いた時にはそれが非常に役に立ち、みなさんの励みになると思います。本当に爽やかな番組だったと思います。

・一番気になったのが、長友選手のお母さんのインタビューのときに背景に映っているワインのボトルです。全部空いていますが、高い有名なワインばかりです。それが気になり、誰と飲んだのだろうと思いました。というのは冗談ですが、そういう冗談を申し上げるしかないくらい難のつけどころが見あたらない。よくできている番組だと思います。本人とそれを支えた親、その生き方を、今まで地道に蓄積してきた映像を基に作っている。先ほど局側から説明のあった制作主旨から言ってもよくできていました。こうやって見ていますと、やはりアスリートの笑顔というのは良いものです。ユニフォームを着ていないとき、過去を振り返りながら話している姿には、元気をもらえるものなのだと思いました。贅沢を言うと、選手の人間像を描くときに、親を中心にしたのは理解できるのですが、ライバル、同僚、仲間など、違う世代、あるいは親ではない人たちの談話を少し加えれば、もっと立体的な選手像が描けたのではないでしょうか。そういった人たちに聞くと、面白い秘話も出てくると思います。長友選手の本人の映像がないので物足りないと思った人もいると思いますが、これは仕方ありません。サッカー協会や彼の所属しているイタリアのクラブの広報がガードしてしまい、彼の映像はなかなか手に入らない。長友選手は今日の韓国戦に出ると思いますが、次のワールドカップまでに、オフの時にでもいい、とにかく何とかして生の話を、5分でもよいので聞くことはできないものでしょうか。彼は、今後、確実に日本を代表するディフェンダーとなっていくと思いますので、贅沢なお願いですが、今後のことも考え、ぜひそういう資料も蓄積していっていただきたいと思います。

・長友選手のお母さんにインタビューした場所は、お母さんが経営されているお店ではありません。小学校の時にコーチをしていた方が退職されてから店を開いておられ、そこに、その時の監督やお母さんに集まっていただき、お話を聞きました。いつもあの場所なのです。お母さんが帰ってくると、皆さんが集まります。その集まっているところにお邪魔しました。

・私もお母さんが経営されているバーでお話を聞いているのだと思いました。「2010 スポーツ界は愛媛県人が熱かった」といったタイトルは、番組のテーマと主旨がそのまま出ており、どんな番組なのだろうということを考えず、視聴者に予測可能性を与えた上で、すっと番組、内容に入っていけます。タイトルが上手だと思いました。2010年をスポーツの切り口で切り、愛媛の1年を振り返る。選手が5人いて、それぞれの選手を1人ずつ取り上げても十分に30分番組が作れる内容だと思いますが、それを1時間にまとめていたので、非常に内容が濃い。また、私はあまりスポーツには詳しくないので、2010年には愛媛出身のこれだけの選手の方がこのように活躍したということが復習できました。来年以降、この方たちがどのような活躍をするのか。ニュースを見るのがとても楽しみになりました。ゴルフの松山選手は2011年にマスターズに出場しますが、2010年から2011年をつなげていくという上手な枠組みになっていると思いました。皆さん若い選手ばかりで、小さい頃からずっとやっています。映像が出ていましたが、皆さんキャリアは10年、15年あり、ここまでトップアスリートになるには、やはり小さい頃からずっとやっていかないと難しいということを感じました。5人の選手の中で一番丁寧に取材されていて、印象に残ったのが浅見選手です。国際大会前のお父さんのメールには「美しい礼法、敗者への気配り、一生懸命な姿」とありました。彼は指導者であると同時に父親でもあるわけですが、娘にメールする内容は、親として単に「頑張りなさい」といった内容なのかと予想していましたが、選手に対する指導者としてそういうメッセージを送るのだと、面白く興味深く感じました。あっという間に一時間が終わった感じで、楽しく見ることができました。

・5人を70分の中に集約するのは難しかったのではないかと思います。1人ずつ1時間番組を作っていただきたいぐらいですね。

・自社制作の1時間番組を見ていると、どこかで間延びするものですが、今回はすっきり見ることができました。見終った後も爽快感が漂う番組で、とても良かったと思います。一緒に息子が見ていましたが、親子とも「こんなに凄い人がいっぱいいた」というのが正直な感想です。とても見応えがありました。量的にもコンパクトにまとめることは大変だったと思いますが、間延びしない良いテンポでよくまとまっていたと思いました。一人ひとりの分量もとても良かったと思いました。なかでも親子の関係がとても印象に残り、息子と一緒に見ながら、はたして息子は、長友選手のように、将来私を慕ってくれるのだろうかと思ったりしました。また、愛してもらえる母になりたいなと思いました。秋山投手の父親の喜びは、こちらも嬉し泣きしてしまいそうなくらい伝わってきました。また、いいところ、いい表情をいっぱいとらえていました。既にご指摘がありましたが、確かに長友選手の母親のインタビューの背景が気になりました。もしかしてお酒を飲みながらのインタビューかなと驚きましたが、コーヒーが出ていたので、一杯飲みながらのインタビューではないなと思い、少し安心しました。ただ、確かに背景に少し気を使ったほうがよかったのではないかと思いました。事情を聞けばわかることではありますが、一般の視聴者は、お母さんのお店かどうかなどいろいろと想像すると思います。私の知り合いに、長友選手のようになりたいということで、今年、東福岡高校を受けに行っているサッカー好きの男の子がいます。そのお宅もお母さんと二人で頑張っていらっしゃって、ちょうど長友選手の話と重なり、その子にも入試に受かってほしいと思いながら番組を見ました。浅見選手の話題のところでは、スーツ姿のときと柔道着姿のときとを比べると、お父さんの顔の表情の違いが明らかで、柔道着のときの厳しい顔が印象に残りました。私も子供にピアノを教えたことがありますが、自分の子に教えるのはすごく大変です。身内に教えるとどうしても甘くなってしまうもので、外に出して修行させることの大切さを思い知らされますが、それを貫き通したお父さんはすごいと思いました。柔道着姿の容貌からそれがよく伝わってきました。皆さんの今後が楽しみですので、引き続き撮り溜めて、次回の番組につなげてください。

・青野選手のところは、いろいろな話で散漫になっていて、なかなか絞りこむのは難しかったと思うのですが、上手くストーリーを作っていたと思います。アクロス重信の話題については、あまり皆さんの印象に残っていないようですが、アクロス重信があっての彼であり、地域のスポーツを盛り上げるうえで、設備の問題は重要ですから、スポーツを巡るいろいろな環境をテレビで広く皆に知ってもらうということは有意義だと思いました。また、女子駅伝の大西監督について、番組では紹介されていなかった話をしますと、彼はほとんど手弁当で選手を育てています。日体大のご出身で、彼が奥さんと共々頑張っています。なかなか公的な支援も得られない中で頑張っているのです。そのあたりも番組の中にあると、支援する気運が高まるかも知れません。全員が走り完走できるかどうか、一人でも抜けると駅伝チームとして成り立たないというところから始まり、入賞する、4位に入るまで育てるには、どれほど大変な努力が必要なのかということが、みなさんにもお分かりいただけるのではないでしょうか。また、土佐礼子さん夫婦もこのチームに相当な支援をされています。家族の繋がりだけでなく、そういう同郷、同窓のつながりで私財を投じた支援がなされているということも取り上げられてよかったのではないかと思います。番組全体は非常に見やすく、1年の終わりに、この1年を振り返り、この夏は暑かったが、それだけでなく愛媛県人のスポーツ界も熱かったということが、みなさんに分かる番組で良かったと思います。

・まだまだ今の若者は捨てたものではないという感じがしました。誉めるところばかりだと、この番組を見終った時に思いました。ゴルフの松山選手が地元大学ではなく、東北福祉大学に進学したことを少し悲しいと思います。なぜ愛媛に引き止めることが出来なかったのでしょう。地域がどう支援していくか。地域に残って、そこから世界に飛び立っていくような人たちを、どのようにバックアップしていくか。2011年はそういったことを考えていく番組を作っていただければと思います。個人の孤軍奮闘、親の頑張り、親同様に全身全霊で応援する支援者たちの頑張りだけで続けていくには限界があると思います。浅見選手のお父さんは、とても魅力的で、指導者として尊敬できる方だと思いました。2011年もこういった感じの番組を作っていただきたいと思います。

・子供を育てた親として、もう少し頑張れば良かったかなと思いました。また、それぞれの選手の親御さんは、それぞれタイプが違うと思いました。一番関心をもって見たのは、浅見選手の父親です。先に指摘がありましたが、同じスポーツの中で、親子でありながら他人でなければならない、これは非常に難しいことです。それをうまくこなしておられ感心しました。長友選手とお母さんの間柄については、お母さんが離婚をされたという事実が目の前に立ちふさがり、生活ということでいえば経済的にも苦しかったのではないかと思います。それを長友選手が見て、母親を助けなければならないという気持ちが蓄積され、頑張る力が出てきたのではないかと思います。秋山選手のお父さんは、子供にべったり付くのではなく、爽やかな感じで秋山選手に付いていたと思います。青野選手については、育ての親、生みの親は違うとよく言われますが、育ての親が良かったのかなと思いました。浅見選手の父親は教育者としても立派だと思いました。とてもいい番組で、いろいろと勉強させていただきました。

・今のお話をうかがってみると、これは教育番組でもあると思いました。今、大学の就職内定率が60%という暗い世の中ですが、この番組を見た人は、ちゃんとした教育をすれば皆育つということを知ったに違いないと思います。また、同時に羨ましいと思ったに違いない。この番組では、親子関係というドラマが様々な形で紹介されていますが、番組というものは、誰かを驚かせなければいけないものです。そういう意味では、私は随所で驚きました。一番驚いたのは、ゴルフの松山選手です。ゼロから育った秀才ですが、今は眩しく、近づけないような状態になっています。一番予想もしなかった展開です。見る人が予想つくようなことではなく、予想できない展開というものを、この番組は見せてくれた。素晴らしいと思います。それぞれの親子関係に驚かされましたが、特に松山選手には驚きました。このような番組は皆さんが日ごろから営々と蓄積をした短いものを積み上げて作っている。これは普段からそのようなことを想定しながら、視野に置きながらやっていないとできません。年末になって急遽集めてできるというようなものではありません。皆さんが期待しているようなもの、次から次へ新しいものが出来てくる。番組を愛している担当者がいればこそ、こういった番組ができます。敬意を表したい。非常に爽やかです。欲を言うと、マイナスイメージも紹介できないか。マイナスというのはよくないことではありますが、「えー、そんなところまで見せてよいの?」のようなところがあると、番組としては面白くなると思います。いささかきれい過ぎたという感じもしました。ですが、非常に良い番組です。

・番組を見たあと、アスリートを成功に導いた親の心とその姿といったタイトルが思い浮かびました。それぞれの子供は、いい意味での親の作品だと感じました。見ていて気持ちがよく、こういう両親ばかりであれば、子供はちゃんと育つのではないかと感じました。柔道とはここ何年間か仕事で関わりがありますが、動き回る子供たちが向かい合い、お辞儀をして試合を始めるのですが、負けると泣き騒いで大変です。そこで、ある母親や指導者は「泣くほど辛いなら次頑張りなさい」と励ましている。また別の親は「調子が悪かったから負けたのよ。構わないのよ」と慰めている。そういういろいろな姿が見られます。何れもそれぞれ一つの育て方だと思います。また、長友選手のお母さんのインタビューは、確かにインタビューの場所が気になりました。お母さんは離婚をしたとおっしゃっていましたが、その後このようなお仕事をしてずっと育てられ、ご苦労があったのだろうと想像しました。後ろに並んでいるワインの瓶に眼を奪われて、どうしてこれだけ空瓶を並べるのかなと、気持ちがそちらの方へいったことが残念です。また、店でインタビューするのであれば、カウンターではなく客席ですべきで、加えて横向きでインタビューしない方がよいと思います。あれではお客さんとママさんの姿、そのようにしか私には映りませんでした。あの構図がすごく残念でした。

・この番組は委員泣かせというか、なかなか批判しづらいですね。自社制作番組としてここまで素晴らしく作りあげたことに感心します。心を豊かにしてくれるような番組でした。これからもこのような素晴らしい番組を作っていただけたらと思います。

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