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2024年07月05日(金 ) 19:48

西日本豪雨から6年 被災地のミカン山は今【愛媛】

「6年…だんだん年数がたっていくにつれて薄れてしまうんですよね危機感であったりとか…」
そう話すのは、宇和島市吉田町玉津地区のミカン農家、清水実郎さんです。
地区では急斜面を生かしたミカンの栽培が盛んでしたが、西日本豪雨で約95ヘクタールのミカン山が土砂崩れなどで被災しました。
愛媛県によると玉津地区を含む宇和島市では現在までにそのほとんどで県などによる復旧作業が完了しました。
ただ、一部のミカン山では、急斜面を重機でならし、平らな農地に造りかえる、再編復旧が県などによって今も進められています。
元々、谷間だった土地は、平らにするために被災したエリアから土砂を運び込んでは、足場を固める作業が繰り返し行われ、作業性をよくするとともに災害が起こりにくい畑にします。
清水さんは「傾斜が急なので水はけがよくてすぐ乾燥するからミカンが甘くなるっていうのは玉津の特色です。地の利がなくなるとは考えられないのですけど、遜色ないものが平地でも作れますっていうのを考えているので」と話します。
地区の再編復旧は完了までにあと1年以上かかりますが、今年3月、先行して一部のエリアで、ミカンの苗木が植えられました。
それでも収穫できるようになるまでには5年ほどかかるといいます。
清水さんは「工事が完了して終わったかに見えるけど農家にとってはそこがスタート。作ったミカンを美味しく食べてもらって『美味しかったよ』とか災害から復旧したんやねとかってどこかから声がかかってくれたらそれがゴール」と、復旧しつつあるミカン山の上から話してくれました。