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NEW 2024年07月28日(日 ) 21:12

城山の土砂崩れは中腹からか 愛媛大研究者が見解

12日に松山市の城山で起きた土砂災害の現地調査などを行った愛媛大学の研究者たちが28日、2回目となる報告発表会を開きました。
報告した1人、バンダリ・ネトラ・プラカシュセンター長(防災情報センター)は、崩落した斜面の上部は勾配が40度近い急斜面である一方、中腹は15度ほどの緩やかな傾斜で、ここに雨水などが集まりやすい地形になっていることが確認できたとしました。
さらにこの中腹に向けて山の別の複数の谷から水が流れ込んだとみられるとして、そうした水が今回の土砂崩れに影響し「引き金的原因になっていることが考えられる」と話しました。
また、森伸一郎特定教授(大学院理工学研究科)は、土砂崩れとの関係が調査されている緊急車両用の道路の復旧工事について、現場のブルーシートのある場所には水が流れ込んだ形跡がなかったとし、崩落は水の集積しやすい中腹部から始まった可能性があるとの見解を示しました。
また、この日の報告会ではその中腹付近で石の人工物が見つかったことも発表されました。
この調査を行った胡光教授(地域協働推進機構)は、江戸時代に造られた幅2m高さ1mほどの石垣だった可能性があると指摘しました。
造られた目的は斜面の崩壊を防ぐためと推測される、としますが石垣としては小規模なため「大きな崩落の脆弱性があるとは認識されていなかったようだ」としています。
この石垣とみられるものについてネトラセンター長は「石垣は水を通しやすいもので、それがあったとみられる場所は水の通り道になっていた可能性がある」との見解を示していて、今後、土砂災害への影響などを詳しく調べたいとしています。