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NEW 2026年02月18日(水 ) 20:35

高齢化で需要増加の「エンバーミング」四国初の施設が松山で開設へ 戸惑う住民に事業者や市は【愛媛】

「エンバーミング」。遺体に殺菌や消毒をして腐敗を防ぎ、生前に近い状態で保存する技術です。処置することで、ゆとりを持ったお見送りができます。
この処置をする施設が3月、松山市に開設されることになり、住民からは戸惑いの声があがっています。
その地は松山市北久米町。国道11号沿いの店舗や住宅地が立ち並ぶ地区で、多くの車や人が行き来します。
日本遺体衛生保全協会によると、高齢化などからエンバーミングの需要は全国的に増加していて、松山市に開設される施設は、四国初のエンバーミング施設となります。ただ、住民からは戸惑いの声も。
【近くの住民】
「もう真後ろですからね。はっきり言って嫌です」
「小学生の通学路になるので、僕らより未来の子どもらのために、こういう施設がここにあるのはどうかなと」
「この仕事が嫌なわけではない。こういう仕事があっても、不思議じゃないけど、なぜに住宅街に来るのかって」
多くあがったのは、▽住民への説明不足 ▽なぜ住宅地なのか ▽生活や健康面への影響といった声です。
住民の疑問に、施設を計画する東京に本社を置く企業にオンラインで取材しました。
【説明不足について】
「最初にちゃんと説明会をしていれば、もっとご理解いただけたかなというところはあるが、今回そこは皆様に本当に申し訳なかったなというところはある」
【なぜ住宅地なのか】
「幹線道路沿い、また下水道が通っているところ、弊社が取り扱うエンバーミングの措置というものが、一般のエンドユーザーに向けてというより、葬儀社様よりご依頼をいただいてというところになるのでアクセスの良さ。住民の説明において、松山市の条例の中でそういったものがございませんでしたので、建物も大きいものではありませんから進めさせていただいたと」
事業者側は、開設に向けた事前説明会を開いていませんでしたが、住民らからの要請を受けて、開設が決まった後に3回、施設の概要や不安に対する対策などを話す説明会を開きました。
松山市によりますと、市の調べた中核市56都市のうち7都市で、事前説明会を開くことなど、施設や葬祭場に関する条例などのルールが定められていますが、松山市にはまだルールがありません。
【北久米町の有志の男性】
「松山市に条例を作ってもらいたい。こういうご遺体を扱う施設が簡単にできてしまう抜け道がないように今後してもらいたい」
現状を変えようと、北久米町の有志は10日、市にルールの整備や開設の中止などを求める署名を提出しました。
署名は今も増えていて、1月から2月16日までに約7500人分が集まったといいます。
市では、「周りに及ぼす影響など他都市を研究し、住民や事業者の双方に配慮してルール整備も検討する」などとしています。
さらに、住民からはエンバーミングで使われるホルムアルデヒドを不安視する声も。
ホルムアルデヒドは国際がん研究機関が発がん性物質に分類しています。
事業者に聞いてみると…。
【健康面への影響・対策は】
「循環器システムを使わせていただいて無害化して外に排出すると。半年に1回自主規制になりますが施工義務があります。皆さんの健康が害されるものではないとお話はさせていただけるかと。安全に進めたいと思いますのでご理解いただきたいなと」
施設は3月に開設予定です。
【北久米町の有志の男性】
「一部の人間だけが決めてやってもらいたくないですよね。ここに住んでいるのは我々町民なので」