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NEW 2024年08月12日(月 ) 16:59

松山・城山の土砂災害1カ月 大学調査グループは緊急道整備の影響可能性指摘【愛媛】

観光にも影響を及ぼした今回の松山・城山での土砂崩れ、原因究明につながるのでしょうか。
松山市が6年前に設置した緊急車両用道路が、今回の土砂崩れに影響した可能性が浮上しました。
10日に開かれた、土砂崩れの原因を調査する愛媛大学の研究グループの報告会。
そこで取り上げられたのが、崩れた斜面の上側にある緊急車両用道路でした。
2018年に整備されたこの緊急車両用道路では、これまで何度もひび割れが確認されるなどして、今回の土砂崩れが起きる直前、市が修復工事に着手していました。
地震工学が専門の森伸一郎特定教授は、この緊急車両用道路に注目。
道路の設置にともなって、天守からの水がパイプを伝って集約され、崩れた斜面に流れ込んでいた可能性に言及しました。
森特定教授は「松山城の天守からの水が、排水路によって、ほぼ一点に集中するような格好で流れていた。この道筋からの水は、相当多いだろうと思われる」などと説明しました。また森特定教授は、現場の斜面にはもともと水の通り道があり、水が溜まりやすい所だったと説明。
そこに今回の大雨などの影響で天守から大量の水が流れたことが、中腹からの土砂崩れにつながった可能性があると分析しました。
ただ、発生場所やそのメカニズムについてはまだ研究者の間で考え方に違いがあるとして、それぞれがもう少し研究を進めた上で、10月中旬にも結果を取りまとめるとしています。