２０２３年２月に松山市のコインランドリーで中川千代子さん（当時７１歳）が殺害された事件の裁判員裁判が２４日、結審しました。
殺人などの罪に問われているのは松山市河野中須賀の無職中川晃成被告（２３）で、中川さんの背中と胸を包丁で刺し殺害したなどとされています。
これまでの裁判で検察側は動機について、精神障害のあった中川被告が就労支援事業所から退職勧告を受けるなどして家族に責められ「どうしようもない気持ち」になり、事件を起こせばそうした状況から解放されると考えた、などと説明していました。
２４日の公判で検察側は「無関係な被害者を無差別的に狙った悪質な犯行で、自己中心的で強い非難にあたる」などとして懲役２２年を求刑しました。
一方、弁護側は、家族から危害を加えられるというような妄想にかられるなど精神障害が中川被告の犯行に影響したとして「正しい善悪の判断に基づいて行動を制御できない「心神耗弱」状態にあった。完全責任能力があるとは言い切れない」などとして懲役１０年を主張しました。
判決は３１日に言い渡される予定です。