県内の最低賃金が１日から７７円引き上げられ、時給１０３３円となりました。

働く立場としては嬉しい一方で、経営者側には負担となりそうです。

現場の声を聞きました。

松山市の城山公園近くにある「わかくさ珈琲」。

開放感のある大きな窓から眺める景色と、おいしいコーヒーやスコーンなどが人気です。

オーナーの叶貴美さんは５人のスタッフを雇って店を経営しています。

売上高に占める人件費の割合は、およそ３割。

最低賃金の引き上げには…

【叶貴美さん】
「正直なところ余裕はないので、言いづらいんですけど、厳しいは厳しいなというのが、直感で…」

店にはおいしそうなカレーの香りも漂っていましたが、カレーに使うタマネギをはじめ、さまざまな材料の価格高騰に頭を痛めているそうです。

経営者側としては、そこに追い打ちをかけるような最低賃金の引き上げ。

ただ、例年１０月だった引き上げの適用の時期は今回、経営者の負担を考慮して１２月１日となりました。

【叶貴美さん】
「準備期間ができたというか、その間に私たちも（コーヒー）チケットを配ったり、前段階で（売り上げアップのための）準備がちょこちょこできたので、それはありがたいなって思いました」

最低賃金の引き上げ分を売り上げアップでカバーしようと、コーヒーチケットを新たに作ってみたり、クッキーなどのテイクアウトを強化したりしているということです。

【叶貴美さん】
「マイナスに考えずに、みんなが良くなる方向で。お客様にも喜んでいただきたいし。もちろん働くスタッフのみんなにも、賃金も大事なんですけど、ここは景色もいいんで『わかくさ珈琲で働いている』っていう、モチベーションを上げる一つになれば、賃金アップもいいかなと思っています」
「そのぶん売り上げアップで、みんなのスマイルもアップして、がんばっていけたらと思っています」