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NEW 2025年12月16日(火 ) 20:11

「すごく脂が乗ってます!」完全養殖マサバがついに飲食店へ【愛媛】

2024年から県が進めてきたマサバの完全養殖。
出荷が始まり、16日から愛媛県内の飲食店で提供が始まりました。
期待のニューフェイス、その味は?
銀色に輝きながらいけすを泳ぐマサバ。こちらはすべて人の手で育てられた完全養殖のマサバです。
【県水産研究センター・渡邉昭生センター長】
「1年半養殖していただいて、非常にいいサイズまで仕上げてくれてもらうことができました。非常に感動しています」
タイやブリに次ぐ新たな養殖魚を生み出そうと、県が2024年から開発を進めてきました。
人工的にふ化させた卵からすべて人の手で育てていて、アニサキスなどの寄生虫の心配が少なく、ブリやマダイよりも短い期間で出荷できることなどが強みとしています。
2024年6月、県水産研究センターは南予の水産業者に稚魚を引き渡し、本格的にプロジェクトがスタートしました。
当時、愛南町の水産業者を取材すると…。
【中田水産・大戸友也さん】
「今年入った稚魚です。だいたい8000匹ぐらいですかね」
そこにはまだ成長途中のマサバが。
【中田水産・大戸友也さん】
「まだ経験が浅いので難しい所があるんですが。水温が悪いとエサ食いが悪くなってみたり」
生産者も初めての試みのため、適正な水温やエサの種類を調整しながら育ててきました。
引き渡された当時は8センチほどでしたが、1年半の養殖期間を経て30センチを超える大きさに。
2025年度中に6000匹あまりが出荷できることになりました。
マダイの2.5倍の値段となる1キロ2300円ほどで県内や関東・関西にも出荷される予定です。
【中田水産・大戸友也さん】
「食べてみた人の感想を早く聞いてみたいなと思います」
取材から1年の時を経て、ついに初出荷。飲食店にも並びました。
【西村未来望記者】
「私が養殖場を取材したときから1年。心待ちにしていました。養殖マサバの味をいち早くお届けします」
愛南町の市場食堂。
16日から本格的に完全養殖マサバの提供が始まりました。
店主も調理しながら「ほんとこれ養殖のサバ。すごく脂が乗ってるので。(天然と)全然ちがいます」と声が弾んでいました。
市場食堂で提供される養殖マサバは、水揚げされてすぐのため新鮮!
アニサキスのリスクが少ないため刺身でいただきます!
【西村未来望記者】
「脂がすごく乗っていてトロに近いような味わいです。でも、後味はさっぱりしていて臭みも全然ないですね、おいしい」
さっそくマサバを頼むお客さんの姿も!
【お客さん】
「おいしいです。生で食べられるのはなかなかないので」
「初めて食べたんですけどこんな食感なんだって、歯ごたえはあるんですけど柔らかくておいしいです」
愛南町の美味しい魚を扱ってきた店主も太鼓判を押します。
【愛南市場食堂・田下安宏店主】
「これだけで主力になれる商品。食べられる機会が少ない種類になると思うのでこれがもっと広まってきたらいいなと思う」
味は間違いなし!
愛媛の新しい顔になれるか。今後の販路拡大に期待が高まります。