番組審議会

第90回 放送番組審議会議事録

1. 開催日時:平成16年2月25日(水) 午後3時
2. 課題番組:木曜ミステリー「異議あり!女弁護士大岡法江」
          毎週木曜日 20時00分~20時54分(54分)放送
3. 記事の概要:
<配役について>
- 弁護士役の高島礼子さん -

・高島礼子さんは、もっと凄みのある女性、「極道の妻」やワイルドな刑事、悪女ではないが薄幸の影を背負っている役の方が女優としての存在感があったのではないか。イメージチェンジを図っているのか。

・今回の弁護士が「はまり役か?」と聞かれると「う~ん」と首をかしげたくなる。ちょっと無理して、はしゃぎ気味にキャラクターを作っているようだ。南国から来たという設定だが、高島礼子さんは南国出身に見えない。とびぬけて個性的でもなく、貧乏弁護士にも見えない。弁護士というよりも、高島礼子さんはリッチなOLのような感じがしてしっくり来ない。

・やはり「極道の妻」シリーズの印象が強く、友人に今度の審議会の課題番組はこの番組で、主演は弁護士役の高島礼子さんだというと、「エェー。あの人が弁護士?」という反応があった。弁護士という職業のイメージと高島礼子さんのイメージとは結びつき難いようで、違和感がなくなるには、少し時間が必要だ。

・やはり、高島礼子さんは「極道の妻」シリーズのイメージが、あまりにも強烈に焼きついていて、今回の弁護士役との落差が大きすぎる。弁護士には見えないし、貧しいという印象もない。敢えて言うとすれば、裕福な人、キャリアウーマンか、どこかの名家のお嬢さんが、トレンディドラマの中で自由気ままな生活をしている、というような感じである。

・高島礼子さんという女優は、この番組を見て初めて知り、「極道の妻」云々は見ていないし、しかも、このドラマも1話だけしか見ていないが、一見した限りでは、彼女の印象は、落ち着いた知的な感じで、弁護士役には相応しい人だと思う。

- 裁判官(部総括)役の伊東四朗さん -
・伊東四朗さんの判事役が、しっくりこない。妻の携帯電話に「愛してます」をいうお約束シーンを盛り込むことが、ドラマの名場面?効果になっているとは感じられず、どこかとってつけたような、こそばゆさを感じる。

・(反対意見)適任とは言いがたいという感想があったが、彼が番組全体に安心感を与えていると思うし、ちょっとした台詞であっても、きらっと光るウィットのようなものをよく効かせている。

<番組全体として>
- 軽い -

・身近な事件内容がとりあげられているので法廷シーンも含めて、最近増えた「公開法律相談」型の番組同様、軽い気持ちで見ることができる。

・フィクションであり、娯楽性も持たせなければならないということだから、あまり細かいことをとやかく論評するような番組ではないのではないか。

・番組全体としては、気楽に見ることができる、肩の凝らないドラマだ。

・夕食が済んで、一息ついて見るのにちょうど良い番組だ。

・軽くて、毒々しいシーンもなく、気軽に見ることのできるドラマだ。

・軽く、さらりとしていて、正義が取り戻されて終わりというテンポの良い番組ということで良いのではないか。また、制作に携わっておられる方も、そういう番組を意図しているのではないか。

・CMを含めても50分そこそこという時間の中で作ろうとすると、こういうものになることはやむを得ない。重厚感のある法廷ドラマを作るということになれば、非常にシリアスなものになり、制作にも相当の時間をかけないとできないであろう。

- 重厚さも大切 -
・やはり、法廷ものは重厚なものが良いのではないか。テーマを掘り下げることにエネルギーを多く費やしたドラマは、やはり見ごたえがあり、連続して見いってしまう。軽く、さらりもいいが、重厚感のある法廷ドラマの登場を期待する。

・あまりにも軽くし過ぎると、重厚さが失われてしまうし、かえって番組の構成も難しくなる。この番組の制作に携わっている方の苦労が偲ばれる。

・実際の法廷と同じような重厚さを保ったままで、わずか1時間足らずで、一話完結するような構成は非常に難しいし、だからといって大掛かりなものにすると軽さは無くなってしまう。そのようなところを、微妙にさじ加減して上手く作り、法律や裁判を分かりやすくしていただきたいものだ。

・俳優としてベテランの方が出演すると、ちょっと格の上がった雰囲気になるので、一話完結でも、ゲストに良い人を招いて「重厚感」を出すのも一つの方法ではないか。

- ストーリーの安直さ -
・事件の解決過程が単純で、簡単過ぎる。

・筋書きや演出の面で、肌理の細かさに欠けている。

・話の結末が、かなり早い段階で見えてしまっている。ミステリーということなのだから、もっと視聴者に推理させるような番組でないと、飽きられてしまう。

・1月15日放送分は、痴漢の冤罪という設定だが、実際に痴漢として起訴され、一度有罪判決を受けると、無罪判決を得るためには、莫大な労力、精神力を費やし、数年という年月がかかる。この番組のストーリーのように簡単に解決されてしまうということは、まずない。だから満員電車については、女性だけでなく、実は男性も非常に気をつかっている。そういう状況を知っている人にとって、痴漢の冤罪というのは、いつ自分がそうなってしまうか分からないという話で、決して全くの他人事ではない。

・ストーリーがあまりにもいい加減で、幼稚で、このドラマにはついて行けない。全く見る気がしない。

・「満員電車」という設定だが、東京のラッシュアワーの混雑といえば、決してあんなものではない。番組内で再現映像として出てきている電車は、混んでいるなどというものではない。それどころか、あれではかなり空いている。だから、女性が満員電車の中で男性の腕をつかんで上につり挙げるというのは、本当は至難の技であるし、被害者の男性の側からしても、女の人にあんなに簡単に手をつかまれて挙げられるということは、まずありえない。

・警察の取り調べが熾烈で、刑事が凄んで見せたので、虚偽の自白を強要された、という話にしても、たかだかあの程度の犯罪で、あのように殺人犯を追い詰めようか、とでもいうような厳しい取り調べはしない。他にもっと重大な犯罪がいくらでもあるのに、彼一人の取り調べにあんなに時間をかけるほど、警察は暇ではない。

・ストーリーが軽いということなら、それはそれで一つの作り方だが、最低限として大人が見て辻褄のあうストーリーにしなければならない。

・「女弁護士」ということだから、女性の弁護士を主人公としたことに、意義を与えなければならない。例えば、もう少し繊細さを感じさせるほうが良い。また、こういう事案で女性の弁護士が、男性の被告人の依頼を受けるというのは不自然。事務所のアシスタントも若い女性ということだと、活動が制約されてしまうということもあるから、少なくとも一人は男性のアシスタントがいないと困るはずだ。

・ストーリーの本筋と関係のない話が多すぎる。番組自体が1時間足らずの時間しかない、しかも一話完結のものなのに、裁判所の食堂で判事補と事務所のアシスタントが云々とか、出世争いが云々とか、いろいろな話題が細切れに出てくる。また、弁護士が調査のため大阪に行くのに、高速バスを使うというのは常識では考えられないし、また、事務員が「お金がないのに」といって怒るというのもおかしい。費用はちゃんと請求できるはずである。

・不自然なこと、常識では考えられないことが多すぎる。少なくとも大人が見て納得できるドラマにしなければならない。

・たとえば、テレビ朝日の「はぐれ刑事」にしても、TBSの「水戸黄門」にしても、最後は決まってこうなるのだということが分かりきっている。分かりきっているけれども、見て面白い。このドラマは、途中で結末が分かってしまって、つまらない。これは何故かということを考えるべきだ。

<脚本の重要性>
・ドラマの制作にあたっては、まずは何といっても脚本が大切で、脚本は建物の建築で言えば、基礎工事に相当するものだと思う。ところが、仄聞するところでは、テレビドラマの制作という仕事のなかで、一番大切な部分を担当する脚本家には、実は、お金が十分には配分されず、そのほとんどは俳優が獲ってしまうという。これからは、脚本家に正当な報酬を配分し、脚本家を育てる。そして、ちゃんとした人にちゃんとした脚本を書いてもらうようにしなければならない。何か若い人が世間のことをよく知らないのに、勝手にストーリーを作っているような感じがする。

<文字スーパーが親切>
・番組の中では、難しい言葉が出てくると、文字や読み方、言葉の意味が文字スーパーで出てくるので、普段聞き慣れないような言葉や、聞きかじってはいるが、表記や意味があやふやな言葉について正しい意味が分かり、番組にも入りやすい良い工夫だ。いまちょうど、司法改革の一環として裁判員制度が導入されようとしているが、この番組は、この動きを意識しているかも知れない、ということも頭を過った。

<視聴率>
・この番組はかなり高い視聴率を獲得しているようだ。今の時代を反映しているのかどうかは分からないが、こういうあまり重くない、一話完結の番組が受けが良いのだなと思った。

・まずまずの高視聴率が出ているようだが、これがこのまま続くのか、どんどん上がっていくのか。もし、好調に推移するのなら、これは高島礼子さんの人気は恐るべしということになるが、このドラマの中では高島礼子さんの人柄のいいところが十分には活かされていないのではないか。

・この番組は、あまり重苦しくなく、軽くさらっとしていて、最後にやはり正義は勝つ。というような分かりやすいところが受けているのではないか。

<CM量が多い>
・番組本編には必ずしも関係ないが、CMがいささか多すぎる。一つ、二つという程度ならともかく、五つも六つもバラバラ出てくる。これでは興が殺がれてしまう。

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