第130回放送番組審議会議事録
開催日時:平成20年2月25日(木)午後3時
課題番組:「スーパーモーニング」
1.開催日時:平成20年2月25日(木)午後3時
2.課題番組:「スーパーモーニング」
月曜~金曜 8時00分~9時55分(115分)
3.議事の概要:
・スーパーモーニングの時間は会社にいるのであまり見ていません。やじうまプラスの方を会社に行く前に見ています。この時間帯の視聴者層は、旦那さんを送り出した主婦や定年後の高齢者の方が多いのではないかと思います。現代の時事問題を分かりやすく、興味深く解説をしながら情報提供しているので、報道の硬い枠よりもワイドショー的な方がこの層には受け入れやすいのだろうと思います。他の局を見ても大体同じような構成で凌ぎを削っているような感じがします。勝負は何かと言いますとコメンテーター・評論家の質にあると思います。ですが怖いと思うことが、このような番組でのコメントは視聴者に与える影響が大きいということです。物事の本質を捉えることができる、また価値観がしっかりしている人を、コメンテーターや評論家にしないと、逆に怖いなと思いました。面白おかしいキャラクターだけでは、そのコメンテーターや評論家という形でチョイスをすると困るのではないかと思いました。宮川さんは非常に安心感・安定感があり、見ていて爽やかなコメントでどちらがメインキャスターか分からないくらいです。
・ロス疑惑の再現という非常に興味深いテーマがありました。ワイドショー番組の真価が問われるのは発生物だと思います。企画物はある程度準備できます。失踪事件も発生物ですが、きちんとした報道がされておらず、「なぜいなくなったのか、今後の報道を待ちたいと思います。」で終わっています。ロス疑惑はどうかと思うと、この事件は五年前に決着しており、日本人はあれはもう終わったものだと、もう一回再燃するとは誰も思っていなかったと思います。マスコミも全部そうで唖然としていました。理由は、グローバルの視点がない、アメリカの刑法と日本の法律との落差、時効があるか、ないかといったことを含めて専門家がいないことだと思います。五年前に落着した時に、庶民感覚で言えば、ちょっとおかしいのではないか、あれは限りなく黒に近い無罪だと思ったと思います。日本の法律で壁がありますがアメリカではその犯罪の捜査は生きていたということに、誰か一人くらいは気づいていれば、昨日今日のような慌てぶりはなかったのだろうと思います。庶民感覚は小さな疑問点という出発点になるのがマスコミにおいて必要ではないかと非常に今日強く感じました。私共も、マスコミも再燃するとは思わなかったと思います。今日のスーパーモーニングは、アメリカと日本との違いを比較する法律学者が出ていました。色々他の局も見てみましたが、スーパーモーニングが一番きちんとしていました。それは良かったと思います。本日の報道で気づいたことは、二十七年前の事件を知っている人は定年を迎えており、報道の現場のディレクターはヨチヨチ歩きな事件です。その継承性がマスコミに問われていると思います。愛媛にも同じようなことが言えると思います。今回のロス疑惑で投げかけた課題は、グローバルの視点で見る、アメリカと日本との違い、犯罪の国際性をちゃんと抑える人がテレビ局には必要であるということです。大きな目で見れば、絶対これは再燃する可能性があるということを誰かが気が付いたと思いますが、それがなかったということです。今、下火になったものでも根が張っており再燃する可能性があるので、それを企画物でできるので、そういうことをしなければならないと教えてくれる事件だと思いました。コメンテーターの質は問われており、視聴者は誰でも考えそうなコメントは欲していません。そういう意味で今日のスーパーモーニングは良かったと思います。
・最近のイージス艦と漁船の衝突事件の報道を見て、こういった見方があるのではないか、ああいった見方があるのではないかという複眼的な思考があってしかるべきではないかと思います。一方的にイージス艦が悪いと、確かにイージス艦が悪い、ミスがあったわけですが、船関係の専門家に聞いてみると、漁船は避けないらしいです。イージス艦に限らず、客船でも、漁船に近づくと神経を遣う、困らせられるというのが実態です。漁船が我儘というわけではなく、漁猟に従事しており生活がかかっており、そのような問題はありますが、漁船は避けず、非常に困る、気を遣うという、そういう報道は一切なされていないです。そういう事を言うと、イージス艦の肩を持つのかということになるからしないのか、それとも無知でしないのかは知りませんが、一つの事件を報道する時には、やはり複眼的思考で、例え叩かれる事があってもそういうコメントはすべきではないかというのが私の意見です。ロス疑惑の事件にしても、アメリカには共通しない穴がある、「終わったようですが終わっていないです」という一言があれば今のようなことはなかったと思います。今更、アメリカには殺人事件には時効がありませんと知ったかぶりを言うのはちょっとおかしいのではないかという気がしました。今回のスーパーモーニングのバラバラ事件は少しグロテスクでした。事件ものでトップニュースでしたが、時間帯が朝で、爽やかな時間帯なので、朝からグロテスクなものをコテコテやるのは参ったなと思いました。扱わない訳にはいかないと思いますが、もう少し時間帯を考慮してはどうかと思いました。橋本大阪府知事の大阪府の財政再建のコメントで、府の職員の給料の問題に触れていましたが、コメンテーターの方が「職員は府民の所得からしてどうかな・・・」と遠慮気味に言っていましたが、もう少しズバット言ってもいいのではないかと思いました。叩かれたら怖いなというある種の自主報道統制のような感じがしました。重箱の隅をつつく様な話ですがJAFの大雪「オオユキ」で車を助けに行くシーンで「タイユキ」と言っていました。また余談ですが、アナウンサーが時々「お知らせです」と言いますが、コマーシャルのことでした。お知らせというのは、台風が来るような時に使うのではないでしょうか?コマーシャルはコマーシャルではないでしょうか?コマーシャルのことをお知らせですという意味は、コマーシャル事務ではない、もう少し高級なことを言っているという意味なのか、コマーシャルというのを憚っているのか、正しい言葉が段々歪められていくのではないかという気もしました。
・イージス艦の報道を見てみると、被害者側の漁船の報道しかありません。一週間経っても海上保安庁は情報を殆ど出していません。それは逆に国民感情をさかなでしているところがあります。その一つの要素かもしれません。先日、船舶免許の更新の際にも、その話題が出ていました。船舶免許は殆ど漁業従事者で、あまり露骨なことは言ってはいませんでしたが、20年前の潜水艦と釣り船の件も、過失は6:4という海難審判が出されており、今回も0:10ということはありえないだろうと言っていました。被害者のことを悪く言っているわけではありませんが、他の3隻4隻は乖離航路を取っていたのに、その船だけが真っ直ぐ突っ込んできたというのは、漫然と運転していたのではないかという風なことも言っていました。ましてイージス艦の方が避けてくれるだろうと、漁船は避けないというのは操業時の漁船は避けませんが、マグロの魚場に行くまでの漁船は足回りが良いので避けてくれるということがあるらしいです。まさか大きな船が来るわけないだろうということで、親子がはっと気づいた時には近くに来ていたのではないかと想像していました。実際、これから解明されるのかなと思っています。ワイドショーでどんどん言っていると、漁協の話や他の船の話で、視聴者は国民感情で犠牲者の立場に立つと思います。そのような時に公平性が本当にその番組だけで見てあるのだろうかという疑問を感じました。興味深く、報道の公平性がこれからどのように果たしていくのかと思っています。
・スーパーモーニングの中身の内容の組み合わせは、始めから殺人が出てくるのは嫌でした。どうしても3つ組み合わせたいのであれば、爽やかなものを始めにし、嫌だなと思うものを最後の方にしてはと思いました。ですが、裁判の場面、普通では分からないものが非常に分かり関心して見ていました。それにしても、殺人事件のようなものは、朝から一番バッターとして出るのは、ちょっとごめんだと思いました。橋本知事は、どういう人になるのかと思っていたので、傍から見ていましたが、とうとう大阪府知事になられて、彼は彼なりに若く大変なご苦労もなさると思いますが、陰ながらエールを送りたいと思ってみています。叩かれる場面もありますが、もう少し我慢して見てあげたらよいのにと思いました。もう一つ、ゴミロードのところで、女性のナレーションの言葉がとってもいつも耳について嫌です。独特な物の言い方をしており、わざとらしい感じがします。私だけかもしれませんが、もう少し自然にお話ししていただくと、受け入れやすいかなと思います。鳥越さんですが、非常に分かりやすく、少し遠慮しがちでもう少し突っ込んでも良いかとは思いますが、爽やかで中年男性のいい魅力が出ているのではないかと思います。
・八時になった時に色々チャンネルを変えて、スッキリにしようか特ダネにしようかと、いつもチョイスをしています。掴みからいくと、最初のオープニングトークでこれと思ったものを見ています。そのような時に、メインで話しているお二人のキャラクター、経歴、個性、積み重ねてきたものが出てくると思いますが、メインで二人が司会をするのは浅いというか、もう少し重みがあった方が良いのではないかと思いながら素通りしています。もう一人、メインでコメンテーターの山口さん、若一さん、鳥越さんが立っていらっしゃるのですが、コメンテーターとの違いというのか、どういう意味であの二人にこの人たちを置いているのか、夕方のニュースの木村太郎さん状態で置いているのか、もっといっぱいガンガン司会を一緒にしてもらいたくて置いているのか、違いが分かりません。金曜日にもビデオを撮って自分でも見てみましたが、大谷さんと山口さんが一緒にいるのが、二人が重なっているので、意味がないような気がし、どちらか一人で十分ではないかと思いながら見ていました。以前は、もっと左側を雛壇みたいにして、沢山コメンテーターがいたような印象が去年はありました。それに比べるとスッキリとはしていますが、コメンテーターの存在をもう少し削って、選び抜いていくよう、考えた方が良いのではないかと思いました。この時間帯の番組は、定年後の退職された高齢者の男性層かなと思いました。主婦が得たい情報となると、バラバラになる殺人の切り方よりかは、お野菜の切り方の方が良いです。はなまるを見たり、他にいってしまいがちです。得る情報によってチャンネルを選んでしまうので、この時間帯でなければじっくり腰を据えて見られる情報があります。あの時間帯にやっている番組の中では一番深く掘り下げているので内容的にも、ためになることが多いので、知りたい情報ではあります。朝の8時から殺人ネタはきついですし、ゴミロードも朝はちょっといいかなという気がしました。テーマの選び方が気になりました。スパモニ機動隊といって携帯電話で動画を映していますが、画質がどうしても悪いので、見るにはきつい部分はありますが、即時性、各所で今入ったニュースをタイムリーに安く報道するには一番お手軽な手段で良いと思うので、これから画質の向上をしてもらえると良いかなと思いました。2時間はすごく長いので、その日にあるトップニュースはどこも同じですが、今日は2時間のうち、この辺りにこのような企画物があるということをトップに入れてあると、今日はこれがあるからこのチャンネルにしておこう、録画しておこうとなると思うので、もう少し案内やメニューがあると良いと思います。
・コメンテーターの顔ぶれを見ていると、鳥越さん、落合さんは報道の本質を良く知っているので、暴走はないという安定感はあります。制作までこの二人は噛んでいないので、あちこちに綻びが見られました。全体的にはいい番組だと思いました。予定している内容に、例えばその日に雪が降ると、掴みのところに、今日は全国冷え込んでいますという雪の映像から入っているので、臨機応変に考えられていると思いました。その時の季節感をきちんと入れるのは、ニュースだけではなく、その時の色、香、艶をいれるのは大事だと思います。先ほど綻びといいましたが、女性犯罪者だから女性検事を充てるというこの時代、女性の立場で追求していくやり方を、もう少しうまくしてほしいです。劇画調にやる方法しかないのかなと思いました。鳥越さんか噛んでいながら、どうしてあんな作り方しかできないのかなと思いました。驚くことが多いというディレクターの発言、私でしたら外します。みなさんも言われましたら、十数分間掴みのコーナーとしてはしんどいです。女性が失踪したというのは、過剰反応しており、マスコミの悪い面が出ているのではないかと思いました。あっさりと軌道修正をかける方法はあると思うのですが、鳥越さんの着地コメントとしてはしんどいかなと思いました。最近緩んでいるかもしれません。第二コーナーのゴミ問題はよくある話ですが、凶悪ではありません。ですので、テレビが追跡し糾弾し続け、ようやく解決したという持って行き方は、もう少し大人なやり方があると思います。中にはレッテル張りがあり、「ゴミおじさん」と表現している箇所が一箇所ありました。人間をそのようにレッテル張りするテレビ界は最悪だと思いました。これが綻びの象徴です。またJAF。追跡物は面白いです。なぜかというと追跡しているところに発見があるからです。追跡の努力の向こうにある発見を出すという、報道の王道ですが、あのJAFの中に発見があったかなと思うと、内容としては良いとは言いにくいです。追跡物をやっているということは大事だと思いました。たまたま課題番組を見ましたが、若干長いかなと思いました。NHKさんが何時何分頃にこういうものをやりますというのがあります。スーパーモーニングは永遠とダラダラ見させられたという感じがしました。途中でも、何時何分にこういうものをやりますというのがあれば良いと思います。
・総体的には早朝番組であるので、内容を多少精査してもらいたいという意見が沢山出たような気がし、見ている人が、朝一番清々しい気持ちで見ているということを前提として作っている内容かなと、そういう視点では見ていないのかなという気もしました。