放送番組審議会

2020年08月17日(月)

第255回放送番組審議会

開催日時 2020年7月22日(水)

審議課題 第89回系列番組審議会代表者会議 議題「新型コロナウイルス報道とテレビの役割」

 

【審議の概要】

 

☆ 事実を伝えることがテレビ報道の役割。感染拡大の状況や関連する事件・情報を伝える一方で、経済とウイルスの封じこめを両立する話題も紹介し、視聴者が事実を受け止めながら不安を取り除いていけるような報道が大切。

☆ 正確な情報を伝えるのがテレビの仕事だ。しかし、どう伝えるかが強く問われている。小さなデマが、報道されることで全国的に広がってしまったことも反省すべきケースである。

☆ 感染者の行動履歴など、プライバシーにかかわる情報の公開は感染拡大防止のために必要である。非常に難しい問題ではあるが、感情や評価を伝えることとは切り離して伝えていくことを望みたい。

☆ 平時には人があまり関心を持たない医療や介護の現場の状況や問題が今回再び大きく報道されている。普段から、テレビは問題提起をして国民の関心を高める役割がある。

☆ 自宅内の密室状態で過ごす時間が増えており、家族がストレスにさらされる環境下での虐待やDVの増加も懸念される。自宅待機で受けるストレスを減らし、被害者には救助の手を差し伸べるような情報提供が大切。心と身体の安全のための情報を報道していく必要がある。

☆ ワイドショーが新型コロナウイルス報道をとてもいい形で行っていると思う。この話題ひとつを大きく取り上げ、継続的に分かりやすく掘り下げている。解説的な側面も、視聴者に面白く理解できる工夫が取り入れられて、有意義だ。

☆ リモートで番組を作り、感染予防対策の生活に合わせて内容にアレンジを加えた番組の方向性も数多く出てきている。テレビはウィズコロナ時代の生活者に寄り添っていけると感じられる。

☆ 感染者、医療従事者や介護者、ソーシャルワーカーの現場の様子や声を明るく前向きな情報として取り扱い、コロナから回復した人のコメントが放送されるようになることを期待したい。

☆ テレビとインターネットの共存は大切だが、ネットの行き過ぎを指摘して正すこともテレビの役割だと思う。