第128回放送番組審議会議事録
開催日時:平成19年11月26日(月)午後3時
課題番組:①中四国ブロック特番「赤井英和と山下真司が謎に挑む!!巌流島ミステリー 武蔵が消した小次郎の真実」
②「特別授業 テレビの時間」
1.開催日時:平成19年11月26日(月)午後3時
2.課題番組:①中四国ブロック特番「赤井英和と山下真司が謎に挑む!!巌流島ミステリー 武蔵が消した小次郎の真実」
11月12日(月)19時00分~19時54分(54分)
②「特別授業 テレビの時間」
11月17日(土)10時00分~11時00分(60分)
3.議事の概要:
①中四国ブロック特番「赤井英和と山下真司が謎に挑む!!巌流島ミステリー 武蔵が消した小次郎の真実」
・中四国ブロックはハイビジョンで映像が綺麗でした。印象に残っています。上からヘリコプターで取った映像、風景が心の中にすっと入ってくるカメラワーク、素敵な風景を知って作っている番組だと思いました。キャスティングに関しては、赤井英和さんが現役時代バイブルとして武蔵の本を読んでいたとのことでした。山下真司さんは信憑性があり、繋ぎのナレーションの方(以前にも褒めたのですが)との三者のバランスが良かったと思います。赤井さんの胡散臭さと、山下さんの真実さと、繋ぎのナレーションの方との豊かさを表現しているのではないかと感じました。表記の仕方ですが、巌流島の面積ですが、1/6から1/3だったとのことですが、分かりにくいので1/3で良いのではないかと思いました。真実というテーマの捉え方についてですが、どうでもいいようなことを大々的に取り上げるのはどうかと思いました。例えば、「小次郎の奥さんがキリシタンかどうか」は、それ程大事なミステリーの要素だったのかなと引っかかりました。それよりも、二刀流の戦いだったのかどうかという良いミステリーを扱っていただきたいです。どうでもいいことをテーマに取り上げるのではなく、もう少し選んでいただければと思います。最後の紙風船を割るシーンはいらなかったと思います。
・巌流島というよりも、吉川英治の宮本武蔵の印象が強かったので固定観念がありました。勝者・敗者の歴史について、どこまで掘り下げているのかと楽しみに見ました。小次郎は50歳位、武蔵は29歳というのが想像外で、これでしたら、武蔵の方が有利なのではないかと思いながら見ました。このことは吉川英治の小説からは想像がつかなかったので、新しいものでした。キャスティングについては、山下真司さんは小次郎のイメージに合うのですが、赤井英和さんは強いところは武蔵にぴったりなのですが、武蔵はシビア、厳しい面があると思うので、赤井さんですと人柄が良すぎるのではないかと思いました。歴史の真実ですが、武蔵が勝って小次郎が負けたというのは真実だと思います。ですが裏にどのような事情があったのか・・・黒を白に、白を黒に変えるので面白く、どこまで新しい見方ができるのか楽しみにしていました。最後の「小次郎のお墓、奥さんがいて懐妊していた。周りには佐々木の姓が多い」というのが本当なのかなと思いました。巌流島の戦いは小倉藩が仕切ったとのことでしたが、背景の説明がなかったので物足りなく感じました。
・佐々木小次郎が男前で宮本武蔵が泥臭いというイメージがありましたが、うまく俳優を選んでいると思いました。錦帯橋の深川旅館の女将さんの話で、小説と時代が合わないとのことで、武蔵のイメージががらりと変わりました。個人的に、女将さんの話を出すことに関して嫌な気持ちになりました。小説は小説ですが、あそこまで出さなくても良かったのではないかと思いました。小次郎のお墓は怪しいと思う点がありましたが、祖先を大切にするという精神が今失われていく時代なので、現在も祖先を大切にしている姿が良かったです。先祖を大切にするという精神を若者に埋めつけることが大切ではないかと思いました。最後の風船が割れるシーンは好きではありませんでした。
・最後風船のシーンで見たものが全て吹っ飛んでしまった感じです。何も残っていないのが正直な感想です。過去三回ありましたが、どれもグルメを取り上げており、今回もソフトクリームやそばを取り上げていましたが、これは史実とは関係がないのではないかと思いました。史実に統一しなければ、旅番組みたいになってしまうのではないかと思います。真矢みきさんの時は、学芸員の方の言葉が印象に残りましたが、今回は最後のおじさんしか印象に残りませんでした。史実をやるときは、バックを明確にしていないと見ていて中途半端な印象になりました。ナレーションに分からない単語が出ていたので、字幕を出すようにすれば良くなるのではないかと思いました。今回は四局で四分割していなかったので、スッキリ見ることができました。
・楽しく見ることができました。二刀流で麺を食べるシーンは面白かったです。全体に笑い、砕けたシーンが散りばめられていて最高でした。最後のチャンバラシーンは製作意図を周到に練られた割には散漫な感じがしました。歴史、真事実に絡んだ番組の中にも笑いは必要だと思います。襲名されていたところ、武蔵の結末、そこに執念し、テレビ四局が作り上げた作品であるという主張をされたら良かったのではないかと思います。チャンバラ、食べるシーンがあっても良いですが、何を伝えたいのか分かりにくかったです。曖昧さがでている感じがしました。
・ツバメ返しの事実は知的興奮があり面白かったです。笑いにしない知的興奮が三つ四つあり良かったです。事実に迫るには、学者が滔々と述べるより、郷土仕官の方が話すところがあり、興味深く面白かったです。映像の強さ、四局合同の良さが出ていたと思います。言い題材を見つけていたと思います。
・歴史に精通している人にとっては物足りないかもしれませんが、知識が少ない人にとっては丁度良く見やすいものでした。普段着の番組であると感じました。食べ物はミステリー、時代に関連のあるものの方が良かったのではないかと思います。関連性のない食べ物が出ていたので、番組が軽くなったのではないかと思います。キャスティングに関しては、赤井さん、山下さんの二人はイメージがついているので、無名に近い人、イメージがついていない人の方が良いのではないかと思いました。確かに見やすい番組ですが、最初の女子アナの服装はもうちょっと他にないのかなと思いました。武蔵の資料館に行ったことがありますが、資料があまりありませんが沢山あるように感じ、テレビの力はすごいと思いました。
・キャスティングの問題、女子アナの問題、何を伝えたいのか多少ぼやけていました。色々意見がありましたが、相対的に良い評価だと思いました。個人的には、重みのあるナレーションと、コメディータッチとにギャップがあり、気になりました。
②「特別授業 テレビの時間」
・テレビの時間は、男女混成チームがあれば良かったのではないかと思います。女の子たちの発想は活かされているのですが、男子だけのチーム、混成のチームがあれば良かったと思います。暑い中で時間を費やしているにも関わらず、大人からのアドバイスを素直に聞ける高校生だったと思いました。作った番組の中に、各学校の特徴がよく現れていました。済美平成中等教育学校の彼女達の表情がよく出ていました。5秒オーバーについての対応は、教育的に良かったと思います。最後、時間に関して解決できたので良かったです。見ていて短く感じました。
・見ているうちに楽しくなりました。高校生にも目的を与えてあげると一生懸命に頑張るのだなと思いました。時間を忘れてその物に徹するというものを与えてやれば、素晴らしい高校生が生まれてくるのではないかと思いました。女性ばかりでしたので、やはり男女共同で制作することも良いと思います。また男性だけというのも、違った角度で物を見るのではないかと思いました。松山南高等学校砥部分校デザイン科は、芸術性に長けているのが隅々に見受けられました。沖縄のじゃみせんが入っているのが、非常にすばらしく感じました。松山商業高等学校は、電卓で時間を計算しているのが商業の生徒という感じが出ていました。計算ミスで5秒が問題になっていましたが、その焦りの部分が学生らしかったです。済美平成中等教育学校のグルメのも良かったのですが、もう一つお遍路さんと繋がった食べ物があればもっと楽しくなると思いました。若者が苦労して番組を作るというのは、素晴らしいと思いました。このような番組を続けてもらいたいです。
・三校の色が出ていました。済美平成中等教育学校は、弁論大会等を経験しており、自分自身に自信を持って色々やっている姿を見ることができ、面白かったです。なぜ3分にしたのですか?3分は短く、もっと見たい聞きたいと思ってしまいました。教育的配慮もありますが、親の立場からしますと、社会の厳しさで「絶対だめ」ということを教えても良いのではないかと思いました。初めの頃は特にどこの班か分からないので、表示があれば良いと思いました。基本的に作り方は教えないとの事でしたが、見ている側からしますと、何日間で、どのような日程で、締め切りはいつだったのか、が分からないので、行程表のようなもので説明があれば良いと思いました。いつまでに仕上げなければならないからという焦り、どこの学校が早くできた、というものがなかったので、あれば有難いと思いました。松山商業高等学校の学生が、後ろに映っていた時計から3時50分から4時50分となっており、長い間悩んでいたのが伝わりました。時計を見て、長い時間かけて頑張っているのが分かったので、5秒オーバーしていましたが最後に時間内に入っているのが分かり、泣いてしまいました。見ている人たちにも、彼女たちの熱意が伝わったと思います。作り手の苦労が分かりました。1時間があっという間でした。
・圧倒的に良い作品でした。メディアリテラシーと聞いた時に何か分かりませんでした。現場は大変だろうと思いました。メディアリテラシーとは ①情報通信機器と使いこなす②メディアを伝える価値観、イデオロギーなどを主体的に解読する能力 です。メディアリテラシーは大切という事しか印象に残りませんでした。男女混成も良かったのではないかと思いました。ですが、男三人集まっても、あのような作品はできないと思います。女性ならではの感性が作品に現れていました。教訓がありました。やり直しの大切さ、スムーズに行かないこと、です。「私は乗り気ではなかった」という発言から始まり、「頑張ってくださいと言えるようになった」という等身大の発見があったと思います。全体に明るく、気持ちが良かったです。
・ドキュメンタリーをドキュメントするという段階で、高校生、大学生、テレビ局側の3者の絡み合い、戦いが出てきていないので、面白くありませんでした。企画段階が重要で、その素材で何を伝えるのかという議論があっても良いのではないかと思いました。民放連の方が、何も手伝わないと言っていましたが、短い時間でやらせる以上は、「これはいらない」という、せめぎあいがあって危機迫るものとして出てくるのではないかと思いました。非常に良い番組でした。
・非常に良い番組でした。このような機会を与えてあげるのは大切だと思いました。テーマに「遍路」を選ばれたとのことでしたが、とても良かったです。四国にお遍路さんがあるので、優しい気持ち、いたわりの気持ちを教えることができ、手をあわせて自分を垣間見て原点に返って考えてみるという、役割があると思います。機会があれば続けてほしいです。学校の交流会があれば、コミュニケーションを図れて良いのではないかと思います。それぞれの学校のカラーが出ていて良かったです。時間が早く感じました。これから何をしないといけないのか、何が必要なのか、存分に提供ができていたと思います。
・素晴らしい課外授業を受けることができたのではないかと思いました。両方の面からメディアというものをもう一度考える機会になりました。伝えることの難しさ、喜び、楽しさ、大切さを感じることができる、良い機会だったのではないかと思います。視聴率は1.6%との事でしたが、こういう番組は視聴率とは関係なく続けていくのが大切ではないかと思いました。