放送番組審議会

2010年03月16日(火)

第150回 放送番組審議会議事録

開催日時:平成22年2月25日(木)午後3時
課題番組:①「ふるさとCM大賞えひめ’10」
②「第78回テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議議題案について」


1.開催日時:平成22年2月25日(木)午後3時
2.課題番組:①「ふるさとCM大賞えひめ’10」1月30日(土)12時55分~14時50分(85分)
       ②「第78回テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議議題案について」
3.議事の概要:
①「ふるさとCM大賞えひめ’10」
・資料にも書かれていますが、非常に良いと思うのは、石川県、秋田県、福島県、岩手県、長野県、大分県、長崎県、熊本県、愛媛県で9つの系列で同じくCM大賞をやり、お互いに交換をしながら放送しているということで、愛媛の宣伝にもなり、他の県にとっても愛媛県で放送するチャンスとなり、大いにPR効果をあげているのではないかと思います。また、5回目ということでCMのレベルもどんどん高くなっているように思います。
・去年もこの番組が番審で取り上げられたと思います。去年に引き続き桂小枝さんが出演し、非常にテンポ良く気持ちよく最後まで見ることができました。CMがたくさん番組の中で流れるので、メリハリをつける工夫を色々されていました。また、幾つかのカテゴリーに分け何本かに区切って放送していました。どのようにそのカテゴリーに分けるのかということには、非常に苦労されたと思います。観光の場所に注目したり、回数に注目したり、登場人物に着目したり、非常に工夫されたカテゴリー、無理やりそのカテゴリーに入れたなというものもありましたが、カテゴリーなど何かを作って入れないとなかなか番組を構成するのは難しいのだろうと思いました。また、一般の方がCMをあのように上手に作れるものなのかと感心しました。毎年CMプランナーの方がコメントをされていますが、先ほども「リフレイン効果が大事」などキーワードを毎回残されるので、それを皆さん学習されどんどん取り入れレベルアップされているように思います。エピソード、トラブル、ハプニング、こんな雑音が入るような状況だったなどのハプニングのエピソードは非常に面白いなと思います。この番組で一番良いと思うことは、地域密着でしかも参加型であるということです。皆が見て視聴率が上がるというものでもないようですが、参加型、地域密着型でローカル局としてずっとこのような番組を作っていっていただき、見たいなと思うような番組でした。
・この番組を見ていて思ったことですが、応募されたCMは何ヶ月かに1回は全部流してほしいと思いました。そうすれば皆さんにもっと全体的に愛媛県のことに興味を持ってもらえると思います。また良いものを編集し、1回きりではなく、それを1ヶ月に2回くらい流せる時間があれば良いと思います。昨年と比べると、皆さん非常に良く頑張って昨年よりも良い作品が作れたと思います。欲を言えば、中学生は中学生、高校生は高校生、小学生は小学生、と分け、地域、地域で1つコンクールをし出してくるというのも良いのではと思いました。そうすれば、その地域に根付いてくれる、その地域を愛していく子供たちができるのではないかと思いました。自分も一生懸命に選んでみましたが、大体私が選んだものの中から入っていました。残念だと思ったことは、卯之町の結婚式が入賞しなかったことで、どうして残念なのかというと、私達が子供の頃は松山もあのような結婚式があったのです。懐かしいなと思い、残してほしいと思ったのです。また久万の外国人のお遍路さんも入賞しても良いのではと思いました。ちょうど我が家も遍路道端に家があり、子供の頃からお遍路さんの遍路道が田んぼの中を通っていたので、懐かしい気持ちになりました。そういった理由から結婚式とお遍路さんは入賞させてもらったら良かったなと思いました。最優秀賞に選ばれた宇和島の鯛めしは、私も一番良いと思い、やはり入ったなと思いました。三間のお米が名前になり、小学校の生徒になり出てきましたが、最後に出てきた人達は知り合いで・・・よく頑張りました賞をあげたいと思っていたら入賞していたので良かったと思いました。とりとめのないことを申しましたが、本当に微笑ましいCMで良かったと思います。
・正に地域密着型で、受賞作は何十回か放送されますが、他の賞から外れた作品も1回ではもったいないということですので、今後の検討課題としてよろしくお願いいたします。
・番組、非常によくできていました。楽しく飽きることなく見ました。もう1回みようと思いましたらビデオが故障したのか1回しか見ることができませんでしたが。なぜ面白いのかというと、委員がおっしゃったようにカテゴリー分けが非常にうまくいっています。カテゴリー分けにするところ、侃侃諤諤議論するところを映し出すともっと面白かったと思います。5年間という話があり、今度6回目になりますが、1つの区切りであることは確かです。例えばあと10年もすればそれぞれCM大賞を取った中からCM作家が出てくるかもしれません。発展としては。それはまだ先の話ですが、これからどのような展開があるのか考えておかないといけません。1つはこれまで取り溜めたものをどう活用するかにあると思います。DVDにして配っても良い。市町村ごとに活用してもらうのも良い。他県との交流もあり、色々なところに上映する施設がありますので、場所には不自由しません。大街道にも大型ディスプレイがありますが、つまらないことばかりやっています。CM作品をどんどん流したらよいと思います。これまでのコンテンツの蓄積の活用と、今やっていることの充実があると思いますが、全市町村の参加、これは是非物です。必要なら社長が市町村に出向き頼むくらいやらなければならないと思います。全地域がやった時にパワーが出て面白いものができると思います。それにより、各市町村の産物大会や名物大会、言ってみればビデオによる愛媛百科事典ができると思います。そうなった時にこれはまた別の意味をもってきます。例えば国際的に何か広がりはないだろうか。ユーチューブに流すと世界各国から見ることができます。また、色々なアイテムがあると思います。その辺りを担当者はどの程度考え視野に入れているのか、これから化け物になる可能性があります。愛媛朝日テレビがやっていたものが、どんでもない番組になる。各局がやっていない、先駆けで愛媛朝日テレビがモデルを作らないといけません。そうすれは真似して乗ってくると思うので、それを巻き込んでやるというくらいの発展の形を考えていかなければいけません。たとえば、某放送局が年に1回放送局の前で産物店をやっています。大変に喜ばれ、とんでもない賑わいになります。皆がそれを目当てに来る、そういうこともこれを基にできる訳です。担当者がどのように考えているのか、聞いてみたい気がしますが、今5回目というのは節目であり、このチャンスをただ6回目ではなく、次の6回目から違う、内容の充実と広がり、また奇想天外なもの、そういうものを生み出してほしいと期待しています。
・大街道、銀天街、また今治、宇和島の商店街の中に、先ほど言われたようにディスプレイがあるので、ぜひ流しても面白いのではないかと思いました。
・全体として、表現として適切かどうか分かりませんが、辺境の町ほど元気が良いと思いました。その反対に松山市が毎回少しぱっとしない。愛媛の人口の1/3以上占めているのですから、題材もあり制作能力のある人もたくさんいるはずだと思いますが、何とか工夫できないものかと思います。今回のものが悪かったという意味ではありませんが・・・例えば愛南町の南宇和高校の生徒さんは元気ハツラツで感じが良かったです。先ほどの上島町も良かったと思います。心配なこととして、この番組はこれからも永く続けて欲しいのですが、回を重ねるにつれネタが尽きるのではないかということです。しかし、よく頑張っていると思います。西条市のはだか麦が日本一、松前町のひまわりなど、私は愛媛県人ですが、知らなかったことを知ることができて非常に良かった。今回だと新居浜の「東洋のマチュピチュ」、「産業遺産、別子銅山の跡」。世界遺産が流行っていますが、産業遺産も実は宣伝になり、産業の勃興期のレンガ作りの工場で、ゲーム性もあります。そういったことを検証するのは良いことだと思います。そういった切り口もあると感じました。総じてよく考え、「えっ」と思うような題材を提供していただき、非常に良かった。今治のタオルの唄は毎回繰り返し出されています・・・あれはあれで良いと思いますが、しかし今治も大きな町ですから、他にも切り口があると思います。全体として人口が多い所ほど元気が足りないように思いました。
・5回目になり、出品されている方、皆さん編集の仕方がすごく上手くなっていると思います。だんだん技術アップしているように感じました。さきほど僻地に行けば行くほどというコメントがありましたが、私も同じように感じました。やはり団結力がすごいと思います。よく話し合い知恵を絞りながらやっているように思います。「CM大賞」という番組は、本編に地域のCMが流れ、その中に本物のコマーシャルが入ります。これは何とも言えないバランスを生み、映像の流れも良い、素敵だなと思いながら見ました。審査員の方のコメントについて、原さんは的確でやはりプロだなと感じました。なお、私が気になっただけかもしれませんが、地方での婚活はすごく真剣な深刻な問題です。それなのにアナウンサーが「じゃあ私も伊方に行ってみようか」というような軽はずみな言動をすることは、本当に行く気持ちがないのなら辞めて欲しいと思います。いかがなものかなと感じました。本当にそう思っているのかもしれませんが・・・。それと、これは毎回言っていますが、アナウンサーの服装、どうしてあのようなネックレスをしたり、あんな衣裳を着たり・・・どうしてあのような格好をしないといけないのか。どこかの衣裳屋さんが提供していて、その絡みであのような格好をされているのかどうなのか分かりませんが、個人的には如何なものかと思います。また、天野さんが「何かもう一言聞きたいのであれば言ってほしいが、でも時間がないからそれはできない」というようなことを言われていますが、テレビで放送されて見ている人は、「う~ん?」と思わないでしょうか。私は思いました。やはり地方にいらっしゃったら地方のステージに下りて行って欲しいなと思いました。温かい言葉で「いつでもメールでも局の方にください、そうすれば精一杯お応えさせていただきます」というような言葉であれば嬉しいのに、地方人として嬉しいのにと感じました。全体としては素晴らしい番組で、これからもどんどんどんどん続けていっていただきたいし、今までの4回と今回の5回目は全然違った、飛躍があったような気がしました。
②「第78回テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議議題案について」
・なかなかこれというものはありませんが・・・興味があるとすれば、例えば前回の番審の対象番組の時にも申し上げましたが、女性のアナウンサーが出てきて、1人が「若さと」といい、その後つづけて先輩のアナウンサーが「経験で」というシーンがありました。女性の年齢が笑いの種となる。女性アナウンサーが年をとっていることで受けを取ろうとするような姿勢を感じました。先ほどの婚活についても女性アナウンサーが婚活に行こうかしらと言って笑いを取る。テレビは文化を作っているものであり、毎日お茶の間にテレビは流れ、それを人々は無意識的に毎日見ている中で社会の価値観が作られていく。その中でテレビ局が社会にある価値観を作り出したいと意図してそれを作ってしまえば簡単にそれができる。たとえば、子供は判断力の備わらない小さい頃からそういった番組を見続けるわけで、知らず知らずそういった価値観の方に傾いていく。無意識にそうなっていく状況の中で、どういうところにテレビ局は気をつけ放送しなければならないのか。若い人達に対して男女差別の問題など、色々なところで、無意識的にそういった価値観を植えつけることがないようにするためにはどうしたら良いのか、というようなことが思い浮かびます。
・私はテレビを見る時間がないのですが、よく巷で聞くのは、今頃のテレビはいわゆる人のためになるものがない、文化的に栄養になるものがないと。番組を作るお金がないからその辺で済ましているのではないかと思っている人が多いように思います。私もそのように思います。またあまりにもふざけたものがいっぱい出てきます。そういうものはやめて欲しいと思います。テレビを無意識に見ていても何か心に残る、「ああいうことがあったな」というような、ニュース性とまでいいませんが、何か話題性など、心に残るようなものがその中に含まれる番組を作っていただきたいと思います。
・テレビがこれまでにない状況に陥っています。テレビは文化創造の担い手であり、それをバックアップする、あるいはリードする、そういう役割がありますが、昨日発表になりましたが、広告費が17%削減されているという。すごい数値です。そういった中で当然放送局、新聞社などマスメディアは広告媒体としての利益のパイが小さくなり、その結果、人員を削減し、番組の企画が痩せてしまう。そうすると結局はNHKの一人勝ちになってしまいます。ですから、予算に関わりなく、ある思想を持って、民放がどのような番組を作っていくべきなのか真剣に論議しないとダメです。勝ち負けという表現がいいかどうかわかりませんが、放送が文化の担い手となるのだという決意が痩せてしまうというところが問題です。そういった意味で、今この時代での放送がどのような姿勢を持つべきか。これが1つのテーマになると思います。
・民放は民間企業です。ですから経営をやっていかなければなりません。そうすると必ず出てくる問題が視聴率です。視聴率至上主義になります、経営という観点に立てば。そうすると文化の担い手であるということ、その内容に相応しい番組は視聴率が獲れるのか。必ずジレンマに陥ると思います。特にゴールデンタイムはお笑い番組、クイズ番組があまりにも多い。それが率直な感想です。ですがその視聴率が高く、それで稼がなければいけないという面もある。テレビは文化の担い手ですが、娯楽の面もあり、1日の疲れを癒すのにあまりにも肩が凝る番組より笑い飛ばす内容も必要だと思います。品性、文化だけでは肩が凝るので、それはそれで娯楽性の高いものもあって良いと思います。ですがあまりにもバランスが崩れている。テレビがもっともらしく批判する市場原理主義、こちらに言わせると視聴率原理主義も似たようなものだと思います。これをいかに克服してポリシーを持って割り振り再構築するのか。テレビの影響は今でも相当なものだと思います。今の現代社会の、特に日本においては、またいろいろなメディアの中では・・・インターネットもあり、新聞もありますが、やはりテレビの影響力は選挙結果にしても何にしてもすごい影響力があると思います。ここはもう一回テレビ局は自分の役割の重大性に気づいていただき、敢えて視聴率原理主義とどこかで一線を画して、教養、文化、日本のためにそういったものもどこかで一線を画する努力をして欲しいと思います。分かりやすい例を言いますと、市場原理主義、功利主義的に言うと、10軒の家に1軒のお風呂を作り、そこで皆がお風呂を使うと効率が良い。ですが、文明、文化としては各家にトイレもお風呂も必要です。プライバシー、文化的生活のために。文化的生活、人間らしい生活をする為にはお金も必要であり、視聴率原理主義では必ず破綻に陥ると思います。
・バラエティーがすごく多いと思います。一時期、暴力的な番組があり気になっていましたが、それはもう無くなりました。今はバラエティー番組ばかりで笑っていると時間が経つという番組ばかり多いことが気になります。どのような年代の方が一番テレビを見ているのかといつも思います。よくお見舞いに病院に行きますが、病院に行き入院している人に聞くと「見る番組がない」という人が少なくない。「なぜ?笑ったらいいのに」というと、病気で大変なときに笑えないという意見もあります。それもそうだと思いました。どの年代の方がこの時間帯は見られるのだろうか。どういう方たちが見られるのか。そこまで考えるのは大変で、制作される方もそういうことはなかなか難しいことだと思いますが、そういったことも少しは考慮されるべきだと思います。贅沢な望みかも知れませんがそう思います。例えば、今の時代、「不況」というと、不況を煽るような番組が多く、貯金しておかないといけないのか、というマイナスなイメージを先導してワイドショーなどに取り上げている、それに感化されている一般市民は多いです。収入の不安定な職業の人は特にそう感じると思います。時代を報道することは良いのですが、あまりにもマイナスのことばかり報道するのはどうかと思います。先ほど言われたように視聴率の問題があり、大変だと思います。それに反してギャラも高すぎると思います。芸能界は少し当たればすぐに家が建つ、母親の家も建ててプレゼントしてあげたというようなことを聞きますが、不思議な気もします。