第152回 放送番組審議会議事録
開催日時:平成22年4月26日(月)午後3時
課題番組:「テレビ朝日24社番組審議会議題:地方局の発信力・コンテンツ力について」
1.開催日時:平成22年4月26日(月)午後3時
2.課題番組:「テレビ朝日24社番組審議会議題:地方局の発信力・コンテンツ力について」
3.議事の概要:
・今日のテーマは絞っていかないと話が散漫になってしまうような気がします。系列局が合同で一緒にやると人・金は節約できることはあると思います。CATVが大変脅威になりつつあります。CATVは範囲が狭いのかと思ったら、相当なシェアを占めてきています。ある自治体の長は何か催す時はまずCATVに通報する。CATVは必ず来てくれ、影響力が大きいと。地上波の民放だけの競争だけではなく、CATVの競争も付いてきます。全体的にこの放送はハードが先行してソフトはそれに一生懸命についていきますが、ついていきようがない。ハードはいくらでも進歩し、今は3Dの時代になってきています。ソフトは進歩する訳がないので、ハードの方にお金を取られるので、余計にソフトが貧弱になっていくというのが現状です。そうすると結局はお金、知恵も共有化して節約する以外方法はありません。放送局自体の能力、実際ほとんどの放送局はキー局を含め制作会社に依存している状況です。制作会社に依存するのは良いのですが、中身の方向性など、外からの提案でやるような時代になってきています。放送局の主体性が失われてきているのが一番の大きな問題であると思います。地方の局も同じようなことが言えるのではないだろうかと思います。この議論は、この点についてはこうだ、ああだ、と絞っていかないと散漫になってしまいます。今一番言いたいことは、知恵を出し合う為に話し合いがどの程度できるのか、そこから出発していかないと前に向いて進まないと思います。思いつきだけではなく、このような時代だとNHKの一人勝ちになる部分があります。民放が束になってNHKに対抗するという気概がないと難しいと思います。
・愛媛朝日テレビに発信力はどうつくのかが問題になってくると思います。まずキー局の猿真似ではなく、愛媛朝日テレビでしか作れない番組、愛媛朝日テレビだからこそできる番組というのを考えるべきだと思います。発信力はそこを考えるべきだと思います。テリトリーは愛媛県ですので、愛媛県の人が何を見たいのか?何を見せたいのかではなく、何を見たいのかに焦点を絞り発信力をつけるべきではないかと思います。発信力のキーワードは「感動」ではないかと思います。民放ですのでコマーシャルで生計を立てていかなければなりませんが、コマーシャルも感動があってよいのですが、番組自体は感動ということで、見て良かったと思えるような、見る側の立場に立ち、何を見たいのか、感動に焦点を絞ってコンテンツ力を、キー局にはできない番組を作る。お金など規模の問題ではありません。今までも番審で出ていた石鎚山など感動的な番組がありましたので、そういったものをもっと発掘していったら良いと思います。右肩下がりの時代ですので、天から物は降ってこない、こちらで掘り起こすしかないと思います。
・地方局の発信力、コンテンツ力、あまりに長大なテーマですので、いくつか分けてもらった方が話やすいです。いっぱい語ることができますし、また何も語ることがないなと思うくらい大きなテーマです。自分の立場で言うと、あまり客観的ではありませんが、社員もそう考えている人が多いという感じで言わせてもらうと、新聞もそうですが、どうしても東京中心とした、あるいは関西など、首都圏の情報発信力、全てですが、金、人、物、情報、文化全てが集中しているので、そのような物の見方で日本を語る、地方を見るということになります。そうではなく、道州制も色々言われていますが、地方からの視点、頭の中が東京、関西という、いわゆる中央から見るということに慣れすぎており、それが本当に豊かなのかどうかと思うとそうでもありません。もう1つの見方を出すようにしたいと思います。我々もそう思っているので、テレビ局もそういう視点がもっと必要ではないかと思います。何をするかとなると、我々自身も悩んでおり、なかなか難しいです。独自性などとなりますが、何なのかというと、非常に良い答えがありません。残念だと思ったことは、30人31脚ですが、これはテレビ朝日が作っていますが、ANN系だけが持っているコンテンツ、ビフォーアフターもそうですが、資金の面もあったと思いますが、なくなったというのは「あれれ」という感じがしました。他の放送局がやらないようなことを含めて、高校野球、Jリーグ、自然もの、なかなか独占は難しいのですが、そういったことを大事にしないといけないと思います。24社ありますが、地方局と言っても朝日放送、福岡、名古屋などの準キー局とは違います。そこのところで、交通整理をしていだたかないと議論もできません。当然経営基盤、業界全体のシュリンクしている中でどうするのかという話も当然あります。ここで言えることは、なかなか限界があると思います。せめて例えば朝日新聞松山総局とeatがもしできるとするならば、何ができるのか?などもう少し、単なる系列局ではなく、総選挙のときは正にそうですが、同じ目標に対してアプローチは違うが一緒にやってみるなど、しまなみ街道スリーデーマーチもそうですが、新聞社がそれを書こうとすることと、映像中心のテレビ局は違うと思います。そのクルーが一緒になっていくなど、機材の共有まではいきませんが、お金の面もそうですし、助け合いもでき、なおかつ刺激し合って面白いものができるかもしれない。アナウンサーに何でもさせると思いましたが、アナウンサーもカメラマンも新聞記者も一緒に1つのクルーになってやると面白いものができる、など実験的なことをもしできれば、自分達だけで考えているものの中にプラスαできるのではと思います。個別具体的にはいくつか言えますが、今のところそのような感じです。
・地方局は何か、中央は何をするべきかということがありますが、中央のキー局と地方局の役割分担については、国会議員と地方議員と同じような、役割がどう分担されているのか、そういったこととパラレルに考えられるような気がしています。国会議員だけでは日本の各地域がうまくまわっていかないのと同じで、キー局だけではなかなか難しいと思います。具体的に地方議員や、地方局がやるべきことは、地域に密着し丁寧に情報を拾っていき、地域住民に細かい情報をもたらす。それは生活に身近な情報や、昨日市会議員の選挙がありましたが、地方の政治の各候補者がどういった意見を持っているのか、そういった情報をもたらすものである。もう1つの役割としては、地方地方においてマスコミが政治や権力が腐敗しないのと見張るという自由主義的な役割を担うのもマスコミであり、地方のことについては地方のローカル局が大きな役割を担っているというようなことだと思います。地方が盛り上がらなければ日本全体、中央もなかなか活性化しないという仕組みになっていると思います。地域のローカル局の役割を住民や視聴者に分かってもらわなければいけません。面白い、楽しいだけではなく、各ローカル局が持っている役割を住民に分かってもらうような発信の仕方をしてローカル局は大事だということを地域の住民に分かってもらい、大事にしてもらい、一緒にやっていくというような姿勢が大切だと思います。
・コンテンツを普段よく耳にはしますが、まずウィキペディアで調べました。コンテンツ力、地方局の発信力と言われた時に、やはり地元にいる人だから地元だけの情報がほしいというものでもない時もあります。それぞれのニーズに応じたコンテンツを持ってくれていると安心かなと思います。娘が県外に行き、私としてはその県外の情報も知りたい。地デジになると愛媛の電波しか受信できない。愛媛の情報しか入らない、けれども他県の情報も知りたいと思ったときに、データ放送などで各県のデータ、それぞれの地方局から寄せられたデータをキー局が集約してチョイスして見ることができるようになっているのもコンテンツの1つかなと思います。デジタルのコンテンツになるのかと思いました。それをキー局に地方が集めて出す時に、地方だから集められる、分かる、拾えるデータを集めて掲載すると思いますが、その際にケーブルテレビほど細かすぎると情報が雑多になると思います。だからと言って中央にそれを全部丸投げすると「これはいらない、これはいる」という感じで色々選択されてしまうので、それをこの地元の愛媛朝日テレビがしっかりコントロールして情報を提供してくれると、聞いている側として、必要としている側としては取捨選択しやすいと思いました。昨日の選挙もそうですが、災害時のコンテンツも、地震などあるとすぐにNHKをつけ、周囲に出てくるテロップなど字幕の画面を主に見て、「ここだったらこの情報が得られるから見よう」といったことを、愛媛朝日テレビにもできるともっと見る人も増えていくと思います。やはり放送、昔からローカルニュースが好きでローカルは2画面にして見たり、梯子して見たりと「ここはこれやっているのに、こっちはこれを取り上げていない」など色々見比べます。地域密着のニュース、情報をどれだけ地域の住民にサービスしていけるのか?ということをお話されていますが、その枠を取る事になるとCM枠、スポンサー枠、お金の絡んだ話になるので、やはり卵が先か鶏が先かではありませんが、堂々巡りの話にはなってしまうのかなと思いました。
・地方局のあり方、ローカルのあり方、価値観は無限大にいっぱいあると思います。ですが気がつかずに、例えば地元の人は地元の良さに気がつかずに過ごしている、観光客がやってきて初めてそこの良さを知るなどと同じかと思います。番組を作られる時において、感激、感動は時間が経つと薄れます。自分にとってプラスになる情報、為になる情報、損をした情報などはいつまでも心に残っているものだと思います。そういったカタチでのある意味での情報発信、メモをして置いておかないといけない、覚えておかないといけない、そういう細やかな為になる情報を届けられるというのも1つの方法、そして視聴者も望んでいるものではないかと思います。お金がほしい、CMが入らないと収入の面でもなかなか厳しいということを色々なところから聞きますが、CMを出してほしい、そのCMを出してもらう代わりにCMを出してもらうだけではなく、出したことによって何かプラスになる、そういう具体的にこれがプラスという、例えば数字に表れる、近所の評判が良くなった、社会的な評判が良くなったなど、プラスになることが目に見えてコマーシャルをもらった会社に対して、「こういったことでプラスになりました」、「これが良いという意見も聞かれます」などもらったところへのお返し、情報でのお返しなどケアをされると変わってくると思います。個人的なことですが、プログラムの広告は毎回取っていますが、私には看板はありません。個人しかありません。ですがeatはeatという看板があります。看板で取れる部分がすごくあると思います。特に先ほどおっしゃられていましたが、eatで放送したことは、朝日新聞でも取り上げていただくなど、お互いのやり取りがあるのも1つの方法だと思います。色々な方法はあると思います。経費を節減して使わない努力をするよりも生み出す努力、取ってくる努力をもっと攻撃的にされるとまた新しいものも出てくると思います。色々見させていただきましたが、この松山で作られている番組は絶対に良い番組が沢山あるので、そういった方向でも色々番組を作られたら良いと思います。
・今地方の発信力と言っていますが、愛媛朝日テレビ発、全国版というのは1つ発信力として考えるヒントになると思います。NHKにいて、俳句王国を平成3年からやりましたが、初めは月1回のローカル放送で2年間、それが2年後に四国版になり、月1回でしたが、4年後にBSの全国放送で、毎週の放送になり未だに続いています。NHK松山の看板番組です。これは非常に少ない費用でやっています。ほとんど言ってみれば出演者の交通費だけでやっているという番組です。俳句人口は1000万人、はっきりしたことは分かりません。650万人という人もいます。1250万人という人もいます。実は川柳人口はそれに近いほどあります。愛媛の場合は川柳、日本川柳協会に加盟している結社、流社といいますが、22あります。全国で一番多い数です。これはかなりな川柳人口です。愛媛の場合は、俳句は盛んで取り上げられていますが、川柳はあまり取り上げられていません。川柳が非常に盛んなのは俳句に対抗して頑張ってきたから盛んという話があります。川柳人口は非常に多く、実は愛媛は川柳王国だったということが大方の評価です。愛媛が中心になり、川柳番組を全国発信でやることができます。CSさえあれば愛媛発の川柳の全国版ができないことはない。ひょっとすればヒットするかもしれないという気がしています。川柳の雑誌の選者をやったことがあり、その雑誌で川柳を募集し、私が漫画を付け批評しています。60回ほどやっていますが、面白い。川柳は知の部分です。非常に面白いので、例えば川柳の愛媛発の全国発信の番組ができるだろうという提案をして申し上げます。
・俳句王国はまさに今言われているようなコストの面、パフォーマンスのところで最大限活用されているような番組だと思います。愛媛朝日テレビでないとできない全国発信が今後作れるかどうかが生き残りをかけた1つの勝負なのかなと思います。それがテレビ朝日から送られてきた資料の中にも系列としての存在意義という1つの存在意義を発揮する大きな要素かなと思います。漠然と中央から来た資料には、存在意義、地方局とは何か、系列は何をもって乗り越えるのか、今のような具体的な提案があり、それを現実化することによって乗り越えていかざるを得ないと思います。それには局内の質とレベルを上げていかなければ、そのような発想、そういったものを作成できないところに行きつくと思います。それプラス、先細りの広告宣伝、資金の問題などを絡めていくと、お金をどれだけかけないで良い番組を作るのかに集約されると思います。
・八十八箇所、これは四国だけのものですので、もっと掘り下げ、シリーズものでやるのも良いのではないかと思います。八十八箇所を1つ1つ紹介していくなど・・・
・どこかの放送局は、ハコモノをずっと追いかけています。世界文化遺産にこれからどのようにアプローチしていき、どのようなカタチでそれを現実化していくのか、登録されてことによって非常にすごい番組ができあがるような情報を蓄えているところだと思います。各局が・・・それぞれ生き残りをかけてやっているテーマの1つかもしれません。
・思いつきではありますが、NHKのBSで「世界ぶらり街歩き」ですが、カメラをもってただ歩くだけですが、癒し効果はすごくて特番も時々あります。本当に行ったような気になります。ナレーションが良いです。また、鶴瓶の家族に乾杯のアレンジで伊予弁丸出し、例えば松山発信ばっかりなので、宇和島、今治、新居浜、西条、四国中央など、愛媛は多様なので、各エリアを45分間の番組にして回る、要するにふらふらと回っていれば良いです。「デパート潰れちゃって、寂しいね」などと言うとすぐ傍に行くと、「うどん屋が今治ラーメン、うどん屋のくせしてラーメンを売っていて、1日限定20食などと言って、結構昼間食べている」など、そういう番組だとお金もかからないので、なかなか中央に発信はできませんが、地元の人が見るという意味で言えば・・・青森の番組で「いなかっぺ」ですか?津軽弁丸出しで、NHKも方言、1日中、例えば茨城県の日とすると、ずっと茨城のことをやっています。文化、言葉を守らなければならない、という発想です。伊予弁というとおかしいですが、標準語ではなくて、地元の言葉で世間話をしながら町を歩くなどの番組は非常に現実的だと思います。新聞の記者も一緒に行けばよいかなと思います。昨日の選挙ですが、確かに総選挙の時は・・・昨日もやろうと思えばできます。ですが、市会議員選挙は、申し訳ありませんが、あまり盛り上がらず、政策もなく、対立軸もないので・・・1時半に昨日は決まりましたが、他局は特番をしていました。NHKは時々、帯を出していました。だいぶ遅れていましたが・・・CATVは早いです。あの程度の情報は実は総局には全て入っており、我々は締め切り時間があるので、昨日は確定特集は入りませんでしたが、テレビはあのようなカタチでNHKレベルのものを流すことはできました。それがビジネスとしてどうなのか、という問題は別ですが、情報提供という意味では今回の選挙でもできなくはないと思いました。見ていただける視聴者がいらっしゃるのであれば・・・
・世界ぶらり旅は、ナレーションのできであれ程変わってくるものなのか、また臨場感があります。本当に街の中に溶け込んでいき、情報をキャッチしていく視点で八十八箇所を回っていくのはどうでしょう?
・質の良い番組はあり、それを真似して、そういった視点から作っていく必要があるのかと思います。例えば事件、ニュース、どこの局も一緒です。本当に愛媛共同通信社ではありませんが、集約し同じ人間が取材し、それを一斉に流せば・・・大きな違いはないのでは?コスト削減をはかりそれぞれ違う自社番組を作る・・・