放送番組審議会

2006年07月26日(水)

第115回 放送番組審議会議事録

開催日時:平成18年7月26日(水) 午後3時
課題番組:県政広報番組「なぜ?なに?えひめ」 及び 「週刊い~虎」


1. 開催日時:平成18年7月26日(水) 午後3時
2. 課題番組:県政広報番組「なぜ?なに?えひめ」 及び 「週刊い~虎」
          「なぜ?なに?えひめ」 制作:eat  毎週木曜日 20時54分~21時00分(6分)放送
          「週刊い~虎」 制作:eat  毎週土曜 深夜25時30分~25時45分(15分)
3. 記事の概要:
・「なぜ?なに?えひめ」は、県政の情報を柔らかく紹介しているということで、特にあら捜しをしなければならないような性質の番組ではない。一回毎の番組内容については、たとえば「タオルにはいろいろある」といいながら、紹介されたのはごく一部で、多種多様なタオルを紹介できてはいなかったとか、給食の話題のところでは子供の表情がすばらしかったとか、そういうことはある。「週間い~虎」については、確かにタイガースファンだけに絞った番組だが、ファンでない人は退いてしまう。ファンを増やしたいということなら、番組の作り方として、このままでいいのか。大澤アナウンサーの造り方は、これでいいのか。ファンでない人でも楽しめるのか。ちょっと苦しいと思う。ただ、一つには、ネットワークでコンテンツをマルチユースする試みでもあると思うので、この番組の行く末に注目したい。
・「なぜ?なに?えひめ」については、もう少し内容的に掘り下げられないものか。給食の話題を取り上げたことは良かった。旬の物、地元産の物を食べるというのは、情操教育上も良いことだ。ただ、6分間という時間では難しいかも知れないが、もう少し掘り下げて考える番組にしていただきたい。県の職員も、もっと具体的な数字やデータを提供してほしい。それに対する評価、批判もあっていい。「週間い~虎」については、時間が時間だし、視聴率が気にならないのなら、まあ自由にやればいいのではないか。他球団のファンからすれば、タイガース以外のチームの話題が全くないなら見ないと思うので、裾野を広げたいならタイガース以外のチーム、タイガースと対戦するチームのワンポイント情報を入れれば良いのではないか。また、タイガースにも愛媛県出身の選手が居ると思うので、郷土出身の選手の情報を入れてはどうか。
・県の政策を紹介するにしては、県の影が薄い。地場産業センターなども県の施設のはず。商品のPRだけでなく、政策のPRをすべきだ。
・愛媛大学や松山大学の先生を出して、一言コメントをもらうと良い。
・「なぜ?なに?えひめ」、「週間い~虎」とも同一人物がキャスターとは思えないような変身振りで、大澤アナウンサーの役者ぶりに感心した。いっそ俳優になってはどうかと思うほどだ。「なぜ?なに?えひめ」の食育の話は、内容的に浅すぎた。食育の問題は、今非常に注目されているが、県の職員には造詣の深い人がいないのではないかと思う。もっと問題について精通した人を出すべきだ。命がけで、というと大げさかもしれないが、食育のプロフェッショナルを出すべきだ。また、何回かに分けてやらないと無理だ。「週間い~虎」は、本当にタイガース一色の番組で、タイガースファン以外の人が見て楽しいものかどうか。視聴率は関係ないというのなら、この調子でどんどんやればいい。
・「なぜ?なに?えひめ」については、まず「世界クイズ愛好会(WQFC)日本支部愛媛出張所」という名前は、非常に長たらしくて、この名前が特に意味を持つとは思われないので、せいぜい「愛媛クイズ愛好会」とか、もっと短い名前にすべきだと思う。番組の進行は手際よくできていると思うが、県の人は、いかにも書いてある原稿を読んでいるだけという感じだ。素人だから硬くなってしまい、発声も悪く、うまく伝わらないというのは仕方ないと思うので、テロップなどを活用して、はっきり伝わるように工夫すべきだと思う。クイズ仕立ての番組宣伝は確かに効果的で、「答えは何だろう」と思わせる。見逃した人もウェブサイトで番組が見られることは助かるが、裏番組のNHKの2045ニュースが強いので、生で見なくてもいいということになりはしないか、とも思う。「週間い~虎」は、タイガースファンによる、タイガースファンだけのための番組ということで突っ走ればいい。BGMにウルフルズの曲を使ったのは、大阪カラーの演出に効果的で良かった。「虎っ娘」については、「おじさん」は楽しみにしているのではないかと思うので、そういう人たちに受ける女性を起用すればいいと思う。大澤アナウンサーをあそこまで弾けさせるというのは思い切った決断だと思うが、どこまでいけるか、やってみればいいのではないかと思う。
・「なぜ?なに?えひめ」は、見たとたんに、いったい何故このような広報番組が必要なのか、県に聞きたいものだと思った。この6分間で何を知らせたいのか、アピールしたいのか、見解を聞きたいものだ。何かを訴えかけるにしては、時間が短すぎるように思う。内容的には、子供にも分かるような伝え方で平易に伝えるということに徹していて好感が持てる。手話が大きく出てきて、見やすく美しいのも良い。ただ、最後の案内の部分で、画面の文字やキャスターの3人の顔写真、県のロゴなどが雑然としていて見にくい。たとえば、3人の写真などは要らない。広報番組は、もっと重大なことを伝えることを使命とするものではないか。「週間い~虎」については、私はプロ野球については、特にどこのファンというわけでもないが、タイガースファンの生の声を聞いて番組を作ると良いのではないか。タイガースファンというと、酔ったオヤジがうだうだ言っているようなイメージがあるが、そういう意味では、大澤アナは格好良すぎると思う。まあ、このまま、やれるところまでやればいいと思うが、番組全体を一人でしゃべり詰めにさせるのは、かなりきつい。もっと「虎っ娘」を絡ませるとか、さらに毒舌の人を呼んできてバトルトークにするとかすれば良いのではないか。タイガースファンの番組だからといって、タイガースファンしか番組に出さないというのではなく、他のチームのファンの人を出して盛り上げていくという方法もあると思う。
・「なぜ?なに?えひめ」は、今までに何本か見たが、どれも内容的に浅く流しているような感じがする。また、最後のところで3人が事務所で話す場面で締めくくるのですが、この場面が軽薄な感じがします。もう少し違った造りにはできないのかと思います。また、取材先の人が台本の棒読みみたいになっているが、レポーターもまた同じように台本を読んでいる感じになっている。もう少し自然体というか、あと一味工夫できないか。愛媛県が何をしているのかということがもう少し見えるような番組にしてほしい。「週間い~虎」については、もうここまでやってしまうのなら、もっと毒々しくやったほうが面白いと思う。また、大澤アナウンサーが意外と歌がうまいことを発見した。音程を少し直せばイタリア人のように響き渡る歌声になりそうだ。歌の歌えるアナウンサーという売り込みが出来そうだ。さきほど少し指摘があったが、確かに一人でしゃべるのではなく、トーク形式にするとか、居酒屋的な雰囲気を出すなどするのも面白いと思う。ウェブサイトで電子メールを受け付けるとあったが、どのような電子メールが来ているのか気になる。
・「週間い~虎」については、大澤アナウンサーという人材を育てようという局の姿勢が感じられる。人材をいかに育てるかということは、ローカル局の死命を制することだ。番組というものは、結局「人」で決まる。大澤アナウンサーがこういう番組に向いているのかどうかについては、いろいろ意見もあると思うが、読む、司会をする、レポートするというアナウンサーの本来的な業務以外に、それぞれのアナウンサーの才能、タレントを活かしていく。そういう部分が局にとっては貴重な財産になっていく。これからの展開に期待したい。また、この時間に、この番組を誰が見るかということを考えると、それはタイガースファンだということになるのだから、中身の濃さで価値が決まる。普通のスポーツ紙などでは得られないような情報、データがないと、視聴者の関心を惹きつけられず、番組は長続きしないと思う。「なぜ?なに?えひめ」については、緊迫感がなさすぎる。これが物足りなさにつながっている。報道機関として、常にジャーナリスティックに、批判する姿勢を保たなければならないと思う。それは、広報番組といえども同じだと思う。今のままでは、ただ与えられた台本を読んでいるだけであり、こういう学芸会みたいな番組では、視聴者は馬鹿にされた感じすらする。もっと普通の口調で、県民として知っておくべきことを、分かりやすく伝えていかなくてはならない。そこは技術の見せ所でもある。そして、あくまでもジャーナリスティックであること。これは、もしかしたら若い人には難しいかも知れない。鋭い「おばさん」のような人がいいかも知れない。それで県のボロが出れば出たで面白いし、そうなったからといって広報番組とはいえないことになるわけではないと思う。
・広報番組は各局が請け負っているので、どうしても他局と見比べるとことになるが、公務員を出すと、良くも悪しくも、こういう番組になってしまうように思う。「週間い~虎」については、数人が独断と個人的な好みで作っている番組のように見え、どうぞ好き勝手にやればいいのではないか。大澤アナウンサーのこういう生き生きした姿が見られるというのも、なかなかないことだ。松岡修三のような雰囲気もある。まあ、タイガースファンにとっては良い番組で、居酒屋でのファンの遣り取りが聞こえてくるような手作り感のある番組だ。
・県の広報番組というのは、一体誰が見るのか。例えば、私は見ない。ほとんどの人は見ないのではないかと思う。見るとすれば、よほど県の施策に関心がある人、又は県の関係者だけではないかと思う。そうだとすると、こういう仕立て方が良いのかどうか。見る人の層を考えると、6分間という短い時間なのに、その貴重な6分間に無駄が多い。「所長」という設定とか、他愛もないやりとりなど必要だろうか。もっとストレートに広報をするべきだ。また、県は財政危機その他、いろいろ問題を抱えているが、こういう表面的な番組でいいのか。広報番組というのは何なのかというところに関わる問題だ。