放送番組審議会

2009年12月25日(金)

第148回放送番組審議会議事録

開催日時:平成21年11月25日(水)午後3時
課題番組:「太陽生命スペシャル30人31脚愛媛大会」


1.開催日時:平成21年11月25日(水)午後3時
2.課題番組:「太陽生命スペシャル30人31脚愛媛大会」
2009年11月3日(土)10:30~11:30(60分)放送
3.議事の概要:
・飽きさせない、非常に完成度の高い番組だと思います。内容、構成、1つの番組で完成度が高いと言えば、下準備もそうですし、ナレーションも全て非常に良かったです。実は否定するところがありません。それくらい面白く見ました。ドラマもあり…。ただ優勝したからといって全国大会に行くことができないのは残念です。何か知恵はなかったのかなと思います。というのは、これは来年に関係してくると思います。全国大会に行けないとなると来年出場校が減るのでは?と心配になります。知恵の出し方が少し足りなかったと思います。全国大会用のスポンサーをつけるなど、あるいは番組がそのお金を出すなど、と思いました。あれだけ必死にやっているので…。内容的には非常に良い番組です。久しぶりに胸がスーッとし良かったです。
・今回はすごくスッキリ作っているといいますか、例年はレポートをしたり、聞いたりグタグタな感じでしたが、今年はスピード感がありました。当日とDVDと2回見ましたが、ウルウルしそうなのを我慢しながら見ました。内容的にはすごく良いと思いました。ナレーションは最初から順々にとっているのですか?最後の方がすごく感情の出方が良くなっている感じがあったので、今後ますます鍛えて頑張ってください。全国大会への出場については、私も娘がコーラスの全国大会に行ったのですが、娘の年から旅費は全く出さないと言われ、それでも親達は旅費を出します。旅費は出すから行かせようという感じで参加しています。やはりせっかく良いタイムを出せば、一発でスパンと決められるものがあれば良いなと思いました。2本走った後に公式計測会で3本走るというのは、小学生12歳くらいの生徒にとってはあまりにも可愛そうです。午前早くから午後まで、遠隔地からは何時に起きて出てくるのだろうか・・・と。遠方から来られる方は大変だと思います。今後もありますので考えていただき、「これで決まって行ける」というものを作ってもらいたいと思いました。実況は大澤アナウンサーでしたが、何年か前の大澤アナウンサーの実況で、息子の担任だった先生が走られた時ですが、「先生の大きい背中が迫ってきた、迫ってきた、迫ってきた、迫ってきた」とゴールにバックしながら走ってきた先生の様子を話されていたりしていましたが、すごく面白い実況をされていたので、今回は実況が聞きにくい部分があり、もう少し大澤アナウンサーの面白いフレーズが聞こえるような構成にすれば良いかなと思いました。2回目見てもウルウルしとても良かったです。
・最後のレースでベストタイムが出るのは難しいと思います。短距離なので、50メートル走で言うと2本目の記録が良いです。3本目くらいから落ちてきます。足に乳酸が溜まり、子供たちには過酷だと思います。ですが共通ルールなので、逆にこのルールで慣れてくると地区予選が過酷だからこそ、予選にドラマが生まれ易いということが出てくるので、大会の予算もあり、このままのルールでいくのであればしばらく様子を見たれたら良いと思います。愛媛予選の参加校が7校というのはやはり少ないと思います。1校から何クラスも出ており、クラス対抗戦のような様相があります。集め方は難しいのかなと思いました。教育委員会と一緒にやっているスポーツITスタジアムというものがありますが、やはり参加が少ないです。何か策を練り、子供たちのテンションは高く、生徒と先生の関係もすごく良いのですが、アリーナが寂しいです。アリーナを映す瞬間に人が少なく、ここを何とか埋めていくことが必要だと思います。取材は丁寧だと思いました。一番面白い、この番組を壊さないで良かったと思ったことは、太陽生命さんのCMがとてもマッチしており、太陽生命さんはイメージアップだと思います。「こういうCMの作り方があったのか」と思いました。そのことから考えると後半はCMにはばらつきが出てきており、前半の太陽生命さんのCMは、大会の場面を生かしたもの、壊さないナレーションの入ったイメージの良いCMであり良かったと思います。またエピソードの作り方も人数が多い学校であったり、先生が工夫をしたり、PTAのお母さんの頑張り、「お母さんが出ようと言った」ことなど盛り込まれており、どういう結果だったのか、結果以上の部分で、「こうやって子供たちを舞台にあげていくのだな」ということが見え楽しかったです。DVDを頂き教材として使わせていただければと思いました。
・とにかく感動しました。当事者はもっと感動したのではないかと思います。本当に良い番組だと思います。小学校6年生は子供とはいえだいぶ大人です。競争、勝負の厳しさを良く分かっていますが、これでさらにその思いを「負けて泣いて、勝って泣いて」いましたが、良い体験だと思いました。ただ参加クラスが少ないです。愛媛県に小学校は330あります。その中の7校で2.1%、統廃合で段々学校は減っていますが、もう少し参加率を上げていただければと思います。なかなか大変だと思います。1校から5チーム出ているところもあり、7校の中2校という状態は偏っていると思います。以前聞いた時には「なかなか誘っても来てくれない」と、学校側の事情もあると思います。過酷だとも思います。ケガをしてはいけないなど、色々なことがあり、先生方も声をかけにくいと思いますが、良い体験なので・・・本人達、親、先生も感動しているので、良いことをやっているなと思いました。なんとかこれを今後とも継続していただき、かつ参加校が増えるように努力していただきたいと思いました。公式タイムで最後に3回走ることは過酷だと思います。優勝したチームは5回走ることになるので、小学生には大変だと思います。ですが、5回ともこけずに走っているのはすごいと思いました。ルールはいかがなものかなと感じました。
・非常に良い番組というのが結論です。作り慣れている感じで、独擅場だと思いながら見ていました。カメラワークといい、ナレーションといい、ドラマチックでした。十分予想の範囲内で質の高い番組になっているという印象です。ですがマイナスも言わないといけないと思いますので、絞り出して言うと、ルール改正について最初に出ていますが、一体どのように変わったのか、最後の方になりやっと分かりました。愛媛の優勝したチームの記録が、10位か11位か・・・「そこのところなんです」と見せておき、最後に、そこまで引っ張らないとルール改正と愛媛の記録の全国的水準が分からないということは、少し不親切かなと思いました。ルール改正がなぜ起きたのか?テレビ朝日の事情で、その部分は言えないかもしれませんが、そこは無理やり理屈をつけて「こうしました。参加校が多すぎて厳選するようにする」など何か説明があり、なおかつ愛媛の水準を述べるようにすれば親切だと思いました。大澤アナウンサーの実況中継について、誉めている方もいましたが、ちょっと叫びすぎかなと思います。ここは好みかもしれませんが・・・テレビ朝日が昔サッカー実況をした時、「勘弁してよ」というアナウンサーと解説者がいました。テレビ朝日の幹部の方に大阪でお会いした時に、まわりのサッカーファンの方からテレビ朝日の人に言って下さいと言われていましたので、「あんなに叫んで、そんなもの見ていたら分かる」サッカーファンほど冷静です。それを思い出しました。9秒間で「10m、20m・・・」とずっと言っていますが、もう少し抑えても良いのではと思いました。
・この番組を見ていて一番面白いと思ったところは、「小学生がレースを通じて成長していく様が見られるところ」と「レースの行方」最終的にどこが優勝するのだろう、という2点です。2点目のレースの行方については、最後6年1組と6年4組が0.05秒差で残っており、片方はリスクをとってでもリズムを上げることによってさらにタイムを上げていこう、もう片方は先生の言葉で前のチームが9.7を出したとしても強い気持ちを持っていこうという、上手な前振りがあった後でのそれぞれのレースがあり、逆転がありました。どっちが勝ったかは問題ではなく、目の前でストーリーを見せられると、見ている方は「どっちなんだろう」とドキドキするよう上手く作られていました。小学生がレースを通じて成長していく様については、そのチームそのチームのポイント、ストーリーをうまく出しており、お母さんが中心になってやったチーム、病気の子がいてその子がサポート役にまわっている、鈴をつけた工夫をし、そのチームは自己タイムをどんどん上げていく、他と比較するのではなく、自分のチームの中でタイムを上げていくことに喜ぶ小学生の姿が見えました。A小学校はキャプテンが1ヶ月説得をし、チームに望み、最後優勝できませんでしたが「ありがとう」とみんなに挨拶をするというリーダーが成長していく様が見ることができ非常に面白かったです。リクエストがあるとすれば、そのリーダーに対して直接インタビューをしています、「あなたはどうして今回チャレンジしようと思ったのですか?」という取材といいますか、直接的な答えを導き出しているので、少年が他の子供とどのような関わりで説得をしたのか?などもっと映像など間接的な情報で、視聴者が察知できるようなことがあればもっと面白いと思います。試合の後、少年達が自信をつけ、どのような生活をするのか?次の日の晴れ晴れとした顔などもあれば良いと思いました。
・330校、小学校がありますが、年々学校のあり方、先生達の心構えなど色々なものが変わっています。9年色々な学校に行っていますが、危険性のない、冒険をしない、とにかく8時から5時までの勤務時間を平穏に終わろうという姿勢があります。特に何かがあれば親が出て行くということがあるので、こういったことで、もしケガをすると・・・という不安感、警戒心、自分を守ろうという中で、出場してくれるということはとても大変だということが良く分かります。B小学校、C小学校はきっとご理解がある先生たちがいらっしゃったので、あんなにたくさん出場されていたのだと思います。個人的に母校のD小学校の後輩達の姿を見せていただきました。私の頃は「月・花・松・雪」で「竹」はありませんでした。このようにも変わるのだと、良いなと思いました。番組は本当にプロデューサー、ディレクター、カメラマンの方、みなさん大変だったろうというご苦労と、良く大変な中で素晴らしい番組を作り上げられたという、なんとも言えない、素晴らしい姿に敬意を表します。本当に大変だったと思います。感動はもちろん伝わりました。これをもっと色々な学校で見せていただき、熱狂的な熱血教師、そういった先生達が育っていけば良いと思います。また学校をたがやしていくのではなく、各地区に教育事務所があるので、そういったところで、素晴らしい番組なので参加していただけるように呼びかけてもらえれば、また変わってくると思います。県の教育委員会は動きませんが、各地区の教育事務所は賛同すれば動いてくれます。出場校を増やされれば良いと思います。やはり全国大会に行くということは、田舎の子供たちにとってみると嬉しいことです。一生伝えて、言って歩けるそのような誇りの精神です。こういう時代で大変だと思いますが、何か策を講じてされると良いです。
・批評ができない難しい番組だと思いますが、総体的には質の高い良い番組だという全体的な評価だったと思います。よく考えてみると14回目であり、1回目出場した人は26歳になっているくらいであり、これを経験した人たちは県内に何千人もいると思います。継続は大切だと思います。ぜひ続けていただき、子供たちに感動を与えてください。