放送番組審議会

2015年07月14日(火)

第204回放送番組審議会議事録

開催日時:平成27年6月25日(木)15時00分
課題番組:「JA共済Presentsえひめ5時間リレーマラソン」
       2015年5月23日(土)16時30分~17時00分(30分)放送

 ・リレーマラソンというのは、一人のタイムで競うのではなくて、各自のペース、チームワークで走るのが魅力だと思います。今回の番組のテーマ“絆”は、リレーマラソンにふさわしく、嵌まったものだと思いました。このテーマのもとにロンドンブーツの田村亮さんを軸にして、見やすい番組にまとめあげられていたと思います。おそらく、このイベントは手探りでまだまだ作り上げているものだと思いますが、やはり田村亮さんが前回参加していらっしゃって様子を知っていて勘所をよく掴んでいて、番組の雰囲気づくりに大きな存在感を発揮していたと思いました。前回の番組はイベント紹介に傾きがちで、知事や(松山)市長が走ったり、ちょっと焦点が定まっていないように見えたのですが、今回は30分という短い時間ながら、イベントの主役であるランナーを子供、親子、単身赴任のお父さん、中高年の人など、幅広い年齢層に亘って取り上げていたと思います。ただ、そういう絆ということだったら、10年前に亡くなったお祖ばあちゃんの7家族で参加した[823(ハツミ)]の持つドラマがひょっとしたらあったのではないのかなと。短い時間ですからそれまで欲を出せばキリがないのですけれど、せっかくああいう7家族がいながら、ただ応援している風景と写真だけではなくて、もう少し7家族のリレーの様子を掘り下げることが出来たのではないかなと思いました。また、リレーマラソンはやはり順位を競うのも魅力で、チームeatが順位を上げていくというのをひとつの時間軸を追ってやっていく、これも視聴者の興味関心を惹きつけるのに大いに役立っていたと思いますし、1位、2位の攻防は、当日にならないと何が起こるか分からないというハプニング、ニュース性というものも、うまく盛り込んでいたのではないかなと思います。若干、疑問に思った点は愛媛住みます芸人“モストデンジャラス”の存在感が薄い。せっかくタレントで出ているのに、ただ走っているだけというのはどういうことかなと思いました。それと、グルメブースの紹介ですが、『ふるさとCM大賞』も同様ですけれど、これを本当に短い時間で取り上げる必要があるのか。何かとってつけたかのような印象を受けました。ああいうブースを設けることは、イベントとして盛り上げるのに大切だと思いますけれど、短い時間でそのシーンがいるのかなと少し疑問を感じました。それから、助っ人で現われて来た新人アナですが、せっかく登場しながら一言も声が聴けませんでした。実際、どう走ったのか、いつ出て来るのかなと思っていましたが、名前がスーパーで出て来ただけでちょっと肩透かしをくらった思いがしました。新入社員になったばかりなのでまだ話すのは慣れていらっしゃらないのかもしれませんが、ちょっと残念でした。今年のテーマがイベントそのものに嵌まったしっくりいくものだっただけに、来年のテーマ、来年の切り口をどうするのかということが悩ましい課題かなと思っています。

 ・こういうイベントはやはり楽しいです。本当に記録がどうのとか、負けて涙が云々とかではなくて、ひとつのやり遂げたという達成感と、それからプラスα、この番組のテーマになっている“絆”が残るのだなということで。それを30分の長さにまとめたことは丁度良かったと思いました。番組のオンエアは4月25日で(リレーマラソン開催の)ほぼ一か月後でした。[823(ハツミ)チーム]などをもっと掘り下げて、走った後、その家族はどうなったのかみたいな追跡を入れるのであれば、一か月後とか二か月後に(オンエアする)意味が出て来ると思うのですけれども、そうでないならば、参加した人は自分の熱が冷めないうちに参加したイベントの番組を見たいので、出来るだけ早目にオンエアをした方がいいのではないかと思いました。そしてもうひとつ、”絆”というテーマから次回の番組で”何か新しいテーマを”と見つけていくのではなくて、リレー自体が絆なので、絆の中でいろいろな絆を探っていくように、これからも番組のメインテーマは“絆”で、その中から“どういう絆か”と細分化していくようなテーマの掘り下げ方も素敵かなと思いました。たまたま“おばあちゃんとの絆”で[823(ハツミ)チーム]が取り上げられましたけれど、次はどのような絆のチームが取り上げられるのかなと、それも楽しいような気がします。

・5点あります。まず、布袋さんの曲は5時間リレーと連想させる曲として定着させるよう是非続けてもらいたいと思います。2点目はオープニング、田村亮さんのギリギリの感じも含めて、前回と同じような流れになっていました。また同じパターンだなと感じて惹きつける感じがありませんでした。それから走りながらのインタビューというのは、本人はとてもしんどそうなのですが、臨場感があっていいと思います。撮影される方はご苦労だとは思うのですけど、是非とも増やしていただくとテレビだけで見ている人にとっても楽しめるのではないかと思います。4点目、“絆”というテーマは、やはり続けていった方がいいと思っています。ただ一方で今回は分かりやすく家族の絆みたいな感じのイメージだった思うのですが、逆に“新しい絆”とか、“見落としがちな絆”というのを提案していくような、発信していくようなものにしていくと、もっと深まってよいのではないかと思いました。最後5点目なのですけれど、皆さんのヤッターみたいなのが出た後に、eatのチームが最後の最後まで出てしまう。そうすると、一般の方々の達成感とか、絆感とか、市民の皆さん、県民の皆さんが集っているイベント感というのがどうしても薄まってしまうので、出すなら最初の方でもいいと思います。eatのチームがフィニッシュするところが本当に必要なのかなという感じがいたしました。

 ・皆さんが言うように、地元の子供から大人まで本当に楽しんでいる姿を見せていただきました。市民マラソンで定着しつつある愛媛マラソンの参加者は10,000人に比べると、このリレー(マラソン)は4,000人ですが、遜色のない、負けていない盛り上がりというのを雰囲気で感じられました。しかしながら、この30分番組では少し短いと思います。やはり、出来るだけ多くの参加者を紹介していただきたいと思います。その後の編集という問題もあるならば、メインテーマの“絆”の物語として、[823(ハツミ)]さんのような物語をいくつか盛り込んいくと1時間、2時間の番組はすぐ成立すると感じました。このリレーマラソンをすることになったきっかけが前回分からなかったので、番組づくりのひとつのソースとして、リレーマラソンの企画が生まれて来たのか、企画があってそれをどうやって番組にしようかというところなのか、切り口を後で教えていただきたいと思います。

 ・4,000人の中には身近な方もたくさん参加していましたので、ひとりひとり映っていないかなと探しながら見ていたのですけども、チームeatの方がメインで流れていきますのでこの30分の中ではちょっと消化しきれない部分というのがたくさんありました。私もいちばん最初にロンドンブーツの田村亮さんが出てきた時に、あっ、今年は間に合ったんだなと、解説を聞きながら見ていたのですけれども、それを見ているより他の方たちをもっと見ていたい、身近な方たちをもっと探したいと思いました。番組を見ていて、あっ来年こそはと思う方がたくさんいると思うので、(番組の)最後でもどこでも、[大体これくらいの時期にこんな感じで募集をかけています。こういう大会です。]という説明があったら、次回、参加したいと思った方が応募するのではないかと思います。いろいろなインフォメーションが欲しいと思いました。今回も、走りはじめのところから、最後の表彰式までが番組だったのですけど、逆に走り出す前にこれはどういったチームが集まっているとか、途中の部分でもいいのですけども、走り出す前のスタートの顔とかいう、こういうチームが出てますとか、そういう情報がチラチラと出ていたら、リレーマラソンが1ヶ月遅れの放送であっても、そんなに忘れずに見やすいのではないかなと感じました。

・5時間という長さはどの辺から決まったのかなと。普通のマラソンは2~4時間ぐらいなのですが。マラソンそのものが長いなと感じました。それから、リレーマラソンのルールは一般には分かりにくい。駅伝とも違うし普通のマラソンとも違う。番組では説明してはくれていますけども、なかなか分かりにくいのをもっと分からせるようなことも必要ではないかなとも思いました。仮装賞の発表が無かったと思うのですが、せっかくそれを表彰するのでしたら、放送するべきだと感じました。「天国のおばあちゃんのために走る。」というようなコメントは良かったと思いますが、“絆”ということをテーマにするのでしたら、464(チーム)もあるからもちろん難しいですが、もうひとつかふたつくらいこういう物語があったら、eatチームを放送するのもいいのですけれど、一般の人の物語をクローズアップしてもいいのではないかと思いました。

 ・全体としてテンポも良くて、繋ぎの言葉もいいと思いました。子供さんを出して、「頑張っているのは子供だけではありません。」とか、次のテーマに行く時も、割と繋がりがある場面で次のテーマに移っていくというところが良かったなと思います。また、eatチームの目標を去年の315番にしてそこに向かっていくというとても分かりやすい設定は、どうなるのかなとドキドキしながら見ていくというところもあって、退屈しなくて見ることが出来ました。「eatチームの作戦は。」というところでは、「ひとり一周づつ走っていく。」という作戦も明確に出されていて、なかなか分かりやすいなと思いました。反対に気になった点は、セーラー服を着ている女性に「何年ぶり?」って聞いていたところです。「何年ぶりですか?」ならまだ分かるのですが、「何年ぶり?」とか要所、要所で丁寧語ではなく、お友達に話しかけるような言葉でどなたかがインタビューされていました。それは「~ですか?」という形に聞いた方が、聞いている方は感じがいいと思いました。あとは、「eatチームに特別にふたりほど助っ人を呼びました。」と言われていたのですが、ひとりの方のユニフォームがeatのユニフォームではなかったことです。皆さん、ピンクのユニフォームだったのですが、去年まで陸上をずっとやっていたという方がピンクのユニフォームではなかったので、それはどうしてなのかなと、結構可愛らしいeatのチームのユニフォームだったのでその方だけ違っていたのでどうしてかなと思いました。eatのチームはそんなに映さなくていいという意見があったのですが、私は反対で、アナウンサーを集めてせっかくランナーとして出すのであれば、少しづつでも各アナウンサーがどのように走ったか、辛い時に各アナウンサーがポジティブな言葉を発したのか、しんどいというネガティブな言葉を発したのかをそれぞれのキャラクターが分かるようなところを一瞬でも出した方がeatのアナウンサーのキャラ売りになるのではないかと思います。

 ・愛媛マラソンと違って敷居があまり高くなくて参加しやすいということと、大勢がずっと繋いでいくということが(リレーマラソンの)魅力だと思います。eatのアナウンサーが出ているか、出ていないかということでだいぶ意見がありましたけれど、出ているにしても出ていないにしても、この番組に限らず、この一部分だけが目立っていることをすごくいつも感じます。ですから、特定のアナウンサーにスポットをあてるのではなくて、アナウンサー全員平等にスポットがあて、eatのアナウンサーにはこういう方たちがいらっしゃるのだな、特に新人の方はこういう方なのだな、また、新人の方には「何か一言」くらいのフリがあってもいいと思いました。番組づくりの中でのある意味での優しさにちょっと欠けているのではないかと感じました。今、絆という単語をいろいろな所でよく聞くのですけれど、「絆の中に何かがある。」とみなさんがおっしゃいました、確かにそうだと思います。エピソードではないけれど、「こういうことを今日は背負って走った。」とか、「走ろうと思う。」と、そういうコメントをもっとたくさん紹介すべきだと思います。四百六十何組を全部紹介することは時間的に無理であれば、テロップで流してもいいと思います。自分のグループの名前が出るとか、(自分の)名前が出るといったら、何かうれしくなってじっと見るようになるのが視聴者の心理ではないかと思います。そうしたらこの番組もどんどん拡がっていくのではないかと思います。そういう心遣いを少ししていただけたら、とてもうれしいと思います。