放送番組審議会

2006年01月25日(水)

第109回 放送番組審議会議事録

開催日時:平成18年1月25日(水) 午後4時
課題番組:「Matthew’s Best Hit TV+」


1. 開催日時:平成18年1月25日(水) 午後4時
2. 課題番組:「Matthew’s Best Hit TV+」
          毎週火曜日 19時00分~19時54分(54分)
3. 記事の概要:
・ちょっとテンポが速すぎる感じがする。しかし、見ていて納得のいく番組だ。1分刻みでチャンネルを変えられるというこの時間帯の番組としては、常に楽しく、見ても聞いても楽しい、そういう要請に応えている。マシューとレミは、非常に明るい。明るさがわーっと伝わってくる。癒しになる。ゲストの米倉涼子さんも明るい。したがって、出演者に好感が持てる。そういう人を集めている。だから、見ていて非常に楽しい。また、題材として訛を採り上げている。これは非常に心強い。この時間帯に訛を採り上げた番組は見たことがない。地方の言葉は文化財だと思うが、それを採り上げるのは、今までNHK教育テレビぐらいなものだった。この番組は一見したところ訛をからかっているようだが、実は方言が好き、それが文化だという意識がある。産物も同じだ。テンポについては、若者はこういう感じでないといけないのかとも思う。底辺に、地方を大切にする心が感じられる、明るい番組で、好感が持てる。これからも方言を大切にする心を忘れないで番組作りをしていただきたいものだと思う。
・タイトルが印象づけられない。随時、スーパーを被せないといけない。そうしないと、番組としてなかなか認知されない。
・Matthew さんというのは、明るく好感の持てる司会者だと思う。訛がテーマになっているわけだが、愛媛県というのは、既に出ているのか出ていないのか、気になる。全然違う地方の訛というのは、もう全然違う国の言葉のような感じがして、ちょっと馴染みにくいところがある。「なまり亭」については、採り上げられている訛と関係のない地方で、この番組がどう見られているのか、受けているのか、気になるところだ。
・この番組はジャンルとしては何なのか。バラエティなのか、何なのか、よく判らない。番組自体としては、Matthewさんが好きなので、楽しく見た。その地方の独特の話など、知らなくてもいいけれども、ちょっと得をしたような気分になる話がはあった。視聴率については、この時間帯としてはどの程度の数字を出せばいいのか。内容的に文句を言うような番組ではない。あえて言えば、放送時間が妥当かどうかというところで、以前、深夜帯にやっていたときには、ちらちら見たことのある番組だが、年配層をターゲットにしていないのなら、むしろ以前のような10~11時台の方がよいのではないかと思う。
・大変楽しく見せていただいた。家族の見える番組だ。例えば、豚の脂を氷水を入れたビニール袋で固めるというところは、子供に見せると智恵が付く。題材によく配慮していただければ、親子で見られる番組だ。ただ、一つ気になったのは、調理をしている出演者さんの手がちょっと汚れているように見えたことで、テレビに出演するときには、手の状態にはよく配慮していただきたいものだと思った。方言をとりあげているのも良いことだ。食についての、地産地消と重ね合わせるのも面白いのではないか。ただ、極端な訛りだと、聞いても話の内容が判らないので、適宜文字スーパーなどで解説を入れてほしい。久々に家族で見られる楽しい番組に出会った気がした。
・この番組は23時台のころから見ていたが、その頃、ファンだった者から見ると、ゴールデンアワーになってからは番組内容ががらっと変わってしまい、少し寂しい気がする。最近は、コーナーの内容なども、いろいろ試行錯誤中のようだが、全部食べ物が話題になっている。23時台のころは、ゲストとMCの1対1でやっていたが、それと比べると豪華になったとは思う。しかし、その分キャラクターが希薄になったように感じる。Matthewさんはたいへん謙虚な人柄の方だが、この番組は、そのMatthewさんの人柄で持っている番組だと思う。放送時間は、番組内容に相応しい、良い時間帯に設定されている。この番組の背後には、隠れた方言ブームのようなものがある。もう少し番組の内容が固まって、どの週にどのコーナーがあるか判るようになれば、視聴者は、狙ってチャンネルを合わせてくるので、そうなっていくことに期待したい。野村真希さんは、可愛らしく、清楚で、好感が持てる。
・この番組は、深夜帯に放送していた頃に見たことがある。私としては、あの時間帯の方が見るチャンスが多かった。この番組は、「はまる」人には、「はまる」要素が大いにある。23時台は、ディズニーランドのような感じで、空想の世界が苦手な人は受け付けないのではないかと思っていたが、この時間帯になって下界に下りてきた感じがする。裏番組は強力なものばかりだが、この中で生き抜くには、マシューの独特の味を出していくしかないし、それでいいと思う。幅広い層に見てもらえる企画があり、意外性もある。バラエティ番組に要求される要素としては、発見、話題の共通性と笑いの3つがあると思うが、特に、発見がある限り、この番組はやっていけると思う。私は、バラエティ番組でも、基本的に下ネタが嫌いで、画にしたときに、グロテスクにならない程度に留めてほしいものだと常々思っているが、この「Matthew’s Best Hit TV+」は、そういう節度を心得ている。これからも視聴者の期待を良い意味で裏切る番組であって欲しい。
・私は、この番組を見るまで、Matthewという人を知らなかった。確かにタイトルが分かりにくく、この番組が課題番組になったときも、タイトルを聞いて、「これは、いったいどんな番組なのか」と思い、想像がつかなかった。やはり、タイトルがもう少しわかり易く出来ないものかと思う。時間帯としては家族で食事をしている時間帯だ、家族で会話ができる良い番組だと思う。また、「なまり亭」のコーナーは方言の良さを尊重している感じがして、好感が持てる。私は、仕事で学校を訪れることがあるが、親子の会話の少なさを感じることが少なくない。そういう意味では、親子の会話のきっかけとなるいい番組だと思う。お国自慢ときには、もう少し、街並みなどの風景も入れると、一層風情があっていいのではないかと思う。この番組のターゲットはどのくらいの年齢層なのか分からないが、年齢に関係なく見られる、純粋に笑える番組だと思う。イントロの部分は少しうるさいように感じた。
・深夜帯に放送されていた頃に、少し見た記憶がある。平野レミさんの料理のコーナーは、彼女の楽しいキャラクターがよく活かされている。また、素材を大切にしているところは好感が持てる。ただ、テンポはいささか速すぎる。「なまり亭」は、訛が失われていく中で、訛を通じてお国自慢をするという様子を見ていると、微笑ましく感じた。紹介された名物の中には、今度旅行に行ったときには食べてみたいと思うものもあった。居ながらにして、楽しみながら他県の情報を得られるという部分もある、面白いコーナーだと思う。地方の言葉の力を再認識させられた感がある。視聴率の方は、深夜帯とあまり変わらないレベルのようだが、試行錯誤をしている途中のようでもあり、もっと地方のお国自慢が出来る番組にしていけば、視聴率も上がっていくのではないかと思う。
・この番組はいささかテンポが速すぎて、ちょっとついていけない。全ての年代を対象にしているとは言えないように思う。私がスローテンポになってきたのは、年齢のせいもあるが、もう50年ほど住んでいるが、この松山という土地柄や言葉によるところも大きいと思っている。先ほど、23時台はロマン、空想の世界だったが、この時間帯に来てからは、現実の世界に下りてきたという指摘があったが、食べることというのは、下界の中でも最も現実の問題である。ここまで来てマシューのキャラクターを活かせるのかどうか。下界に下りてくるとだんだん難しくなってくるのではないかと思う。また、ほとんどのコーナーが食に絡んでいるのですが、普通には庶民の口に入らないような、あまりにも高級な料理を取り上げるのはどうか。番組の趣旨からは、グルメが番組の中心というのはおかしい。家族や友人と一緒に食べるようなものが採り上げられるべきではないかと思う。食という話題をとりあげるときは、やはり誰と食べるかという視点が大切だ。例えば、松山はこれといった高級料理がない。だから、こういうお国自慢をすると他の土地には負けてしまうと思うが、それは文化の質の問題であって、実は普通の料理がレベルが高いのだと思う。たとえば、松山ずしという家庭料理がある。これは瀬戸内の海産物を材料にしたものだが、庶民の味ながら非常に美味しい。子規にも松山のすしを詠んだ俳句がある。しかし、テレビというのはそういう庶民の世界には、入りづらいところがある。そういうところが、視聴率としていま一つというところに出ているのではないかと思う。