放送番組審議会

2011年03月07日(月)

第160回 放送番組審議会議事録

開催日時:平成23年2月25日(金)午後3時
課題番組:「やじうまテレビ!~マルごと生活情報局~第3部」


1.開催日時:平成23年2月25日(金)午後3時
2.課題番組:「やじうまテレビ!~マルごと生活情報局~第3部」
毎週月曜~金曜 06:25~08:00(95分)
3.議事の概要:
・出演者の方は一生懸命にやっていますが、この番組に限らず、今、ワイドショーがつまらなくなっている。どこの局もコメンテーター同士の議論が一切成立しないような状況になってきている。この番組もロングで撮って、コメンテーター全員を画面に入れるということがほとんどありませんでした。タイトなサイズで撮り、コメンテーターはメインのキャスターとだけやり取りをする、そういう形に変わってきている。ワイドショーは過渡期にあるように見えます。どこの局も視聴率が下がっていると言っています。ワイドショーは長い歴史を持っていますが、スタジオ内でやり取りをして面白く話を展開していくには、コメンテーターの能力が不足している。司会の方もそういう方向に持って行くことができていない。そういう気がしました。それどころかコメンテーターですら、事件の内容を十分に知らないで臨んでいる節がある。今回視聴した回については、国民健康保険の話のところでは、出演者が内容を十分理解しないで話していた感じを受けました。事前取材が出来るものだと、こういうことにはならないのかもしれませんが。相撲の八百長問題については、なるべく現場に近い当事者を連れてきて話をさせるのは確かに鉄則だろうと思いますが、これにも限界があります。この話題について面白くないと感じた理由の1つは、ほとんど誰でも予測がつく範囲で話をしている。そして、みんな同じことを言っている。みんな一生懸命に言っているとは思いますが、みんな同じコメントをしている。予測がつかないような話が次々展開していくようになると非常に番組が面白くなるのですが、それがなかった気がします。この番組自体に、今ワイドショーが過渡期で悩んでいるということがそのまま出ている気がしました。
・朝のワイドショーは日頃見ておりません。民放4局はほとんど同じ時間帯に、「ズームイン」、「目覚ましテレビ」、「朝スバ」、「やじうま」ということでワイドショーを揃えています。つづく8時からの番組も「スッキリ」、「特ダネ」、「花マル」、「スーパーモーニング」となっていて、気がつくと、これも全く同じような内容なので非常に驚きました。NHK総合は「おはようニッポン」、教育テレビはもちろん全然違いますが、どうして民放はここまで同じ内容を流すのか?似たような内容であれば、視聴率で大差が付かないから傷が浅いということなのか、ある種テレビ局の「談合」のようにも思えます。それぐらい、非常に似通った番組をやっているなと感じました。これは、昼ご飯の時間帯も同じです。昨日たまたま「ドン」という番組が「笑っていいとも」に勝ったと言っていましたが、そんなことを言っているようなことでいいのかなと思いました。独自性を出すことには、やはりリスクがあるのか?キャスターの服装については、細かい話ですが、メインキャスターの背広の肩の部分がいつも後ろに開いています。それが流行なのでしょうか。私は古い人間なので気になりました。番組をじっくり見た印象としては、スポーツ新聞のテレビ版という気がしました。事実、中でスポーツ新聞を使っています。普通紙も少しありましたが、ほとんどスポーツ新聞の、しかもゴシップ欄を引用しています。そういった意味で、テレビと新聞が共存している。この限りでは新聞の存在価値があるということでしょうか。新聞なしでは事実が伝えにくい、出来事が伝えにくいのかとも思いましたが、テレビとして独自に伝えたいことはないのでしょうか?朝なので、非常に天気予報がよく流れています。その意図はよく分かります。出勤前なので、天気が気になることは良く分かりますが、そんなに流したいのであれば、選挙報道のようにテロップで上下どちらかに、ずっと流す方法もあるのではないか、その方が見ている側は助かると思います。大相撲の八百長問題、これはなかなか難しい問題で、2回に分けてやっていましたが、スポーツ新聞の三面記事的な軽さで裁ききれる問題ではないと思います。面白かったのは、巨砲という人が出てきて、「八百長の噂を聞いたことがありますか?」という質問に、「聞いたことがない」と苦しい嘘をついていました。やっていた人はもちろんですが、公衆の面前では、やってない人も嘘を言わなければならないのか。それぐらい根が深い問題なのだと思いました。
・今日の朝刊を持ってきましたが、5時半くらいから8時まで、さらに次の番組を含めずっとワイドショーが続きます。本当はこの4局のワイドショーをしっかり全部比べたうえで意見を言えればよいのですが、そうすることはできませんでした。ただ、確かにあまり個性豊かではない、似たり寄ったりという感じがします。MCについては、TBS系のみのもんた氏は有名人ですが、あとはそうでもありません。「やじうまテレビ」というタイトルなので、もう少し無責任に大胆なことを言ってもいいのではないか、そういうつもりでこのようなタイトルなのかなと思いながら見ましたが、実際にはコメントは予定調和の範囲に収まっていると思います。大相撲の不祥事については、最初は賭博問題としてとりあげており、それが中心なのかと思いましたが、違うトピックスのあとで、もう一度、今度は巨砲氏が出てきて、八百長問題として取り上げていました。ですからこの日は大相撲の不祥事のことで何とか話題を繋ぐのかと思いました。その時に、誤解を恐れず言うと、多少は無責任にと言おうか、大胆な意見、刺激的な見解がコメントの中に出てきてもいいのではないかと思いました。例えば、相撲の八百長が取り沙汰されていますが、相撲という、ある意味では瞬間芸のようなスポーツで、意識してそういうことが本当にできるのか。一瞬でも気を抜くと、勝敗は大体決まってしまいます。相撲はそういうものなのだという前提に立つと、八百長の議論はそう簡単にはできない。例えば大相撲の存続を望む側からすれば、今申し上げたことだけでなく、全部で700人くらいの人たちが、色々な身分差別や格差があるとはいえ、副業などしなくても、そこで生計が成り立っている。大相撲はそういう微妙なバランスのもとに成り立っている世界です。相撲が国技かどうかは別にして、大相撲はそういう微妙な世界なのだということをちゃんと分かったうえで、今の議論があるのか?大相撲はもはや存続させる必要はないという人の見方に立つと、たとえば昔はハングリー精神というものがあり、貧しい、環境的、経済的に厳しいところから、三男、四男が「食えるから、体格が良いから」というだけで出てきて、そこで立派な力士になっていく。そこには、その頃の日本の経済状態、そのような事情があってこそ、角界という厳しい世界が成り立っていたかもしれません。ですが、今は弟子を探すのに大変な状態です。国際的なスタンダードなルールがある訳でないところに、確かに色々な力士は入ってきていますが、このままではプロスポーツとして自然淘汰されるのではないか。こんなものは放っておいてもなくなる。そのような突き放した大胆なコメント、そういう極端な激しい意見を言えば、言った人が必ずしも専門家でなくても、それはそれで面白い、ショーとしては面白いともいえます。そういう意味では、番組内のコメントは、普通の人でも言えそうなことを言っているだけという感じがあり残念でした。また、番組内にはいろいろなコーナーがあり、これには作り手側の意図もあると思います。月曜から金曜まで、しかも同じ時間帯に制作費、視聴率のことも考えながらやらなければならないとすれば、これは相当厳しい世界です。こんな厳しいところで、しかも、あまり違わないネタで、何とかして番組を作ろうとなさっている努力は、端々に感じました。個人的に一番面白いと思ったのは、東京駅の土産ベスト3です。ANN系はランキングが好きなようで、冷凍食品の売れているランキングなど、何でもランキングをつける番組があり、ときどき営業的な配慮をしているのではないかと思うようなものもありますが、そのようなものは本当でも嘘でもいいように思います。東京駅の土産でベスト10を作ると、そのうち9つは知らない、そういう知らないものが出てくるとありがたい。じゃ今度買ってみようと、そういう用途があります。ベスト3ではなく、ベスト5か10くらいやってもよいと思います。そういう気軽な楽しみ方もあっても良いと思います。
・お言葉ですが、ランキングにウソは禁物です。テレビ朝日のお願いランキングで1位の物を買いに行き、食べてみて「不味い」ということになると大騒ぎです。スポンサー側が新商品、押したいものを1位にすると、皆、確かに買いに行きますが、ランクインしているものでも「おいしくない」ものがあるということは、少し広まりつつありますが、さすがに、おいしい1位は本当においしくないとダメです。私は朝6時20分くらいに起きて、まず「ズームイン」を見ます。占いまで見て、そこから「目覚ましテレビ」に移り、占いコーナーを見ますが、「どの番組のどのコーナーになると、○時○分ごろ」という見当がつき、朝の番組は時計代わりにされています。ですからこの番組も本当は直接OAで見たかったのですが、今言った流れは確立されているので、録画して見ました。他の番組との比較でいうとMCに華がないように思います。番組として「目覚ましテレビ」は見ていますが、この番組のランキングコーナーから後、番組最後の後半10分については、友近のナレーションが好きだということもあり、見ています。ただ、ランキングのビデオ部分を見て、「スタジオにご用意しました」とスタジオに降りた時に、スタジオの出演者が、誰も知らないという面々ばかりなので、コメントに説得力が感じられない。これは華がないからか、衣装が合っていないからか解りませんが、ガクッとくる感じがします。また、1つのテーマが長すぎます。ダラダラしている。この時間帯に何が見たいかというと、学校や職場に行き「あれ知っている?」というネタになるよう、色々な情報をコンパクトに畳み掛けるように教えてほしい。落ち着いて座って見ている人を想定するのであれば、こういう作り方もありかなと思いますが、忙しい中でとぎれとぎれに見ていくとなると、じっくり相撲の解説を聞いている暇もありません。少しだらだら長い感じがします。私が子供の頃は、愛媛朝日テレビもなく、父親からはNHKを見なさいと言われて、ずっとNHKばかり見させられて、学校に行っていました。気持ちよく、明るく一日を始めるということを考えるのであれば、静を目指しているのか、動を目指しているのか、静かな番組にするのか、明るい派手な番組を目指すのか、もう少し詰めて考えられた方がいいと思います。公式ウェブサイトを見ると「リニューアルした」とありましたが、「どこが?」という感じで、以前と変わりなく、キャスターの人が替わったことも分からない。仕方ないので出演者は誰なのか調べました。気象予報士は、私より若いが、若さがない、華がないと思いました。今からリニューアルし、見てもらおう、チャンネルを変えさせようと思うなら、何か目玉がないといけない、例えば「嵐」を使う、羽鳥アナウンサーと高島アナウンサーのコンビでやるぐらいのインパクトが必要ではないか。しかし、羽鳥アナウンサーはスーパーモーニングに取られているようですし。いずれにせよ目指すところをもう少し突き詰めてはっきりさせて作っていかないと、今のままでは中途半端な感じがします。部分を取れば、たとえば瞬間ランキングの部分は面白くて好きですが。また、天気予報を軸にしているとありますが、テロップを入れるなどしないと、今のやり方だと邪魔だし、多すぎると思いました。
・早朝のテレビはあまり見ていません。テレビを見るのは7時頃からです。相撲の八百長問題については、私が子供のころに、私のおじいさん、明治元年くらいに生まれた人ですが、八百長があるというような話を聞いたことがあります。何とそれが今になってもまだ続いているのかなと思いました。また、不祥事の話題のところでは、関係者が「誠に申し訳ありませんでした」と男の人が四~五人揃って頭を下げているシーンが朝から出てきます。謝罪するということも確かに大切なことだと思いますが、「申し訳ありませんでした」と言えば、全て解決するような風潮が感じられるようになり、どこかしこも「申し訳ありませんでした」ということで、銀行も、国も、皆がずらずら並び挨拶をする。何だか嫌だなと思いながら見ました。加えて相撲の八百長の話題は出てくるし、3月に場所ができないという話しも出てくるし、これが朝の番組だとすると、この話題を長くやられると辛いと思いました。もう少し短くした方が良いと思います。長友選手の話題のところでは、少し気が晴れましたが、その後の話題も大変な話題ばかりでした。東京駅のランキングのようなことであれば、沢山出てきても、朝の番組という観点からはいいかもしれません。しかし、相撲の八百長の話は、どうしてもいただけませんでした。私の見た回に関する限り、あまり好きなタイプの番組、流れではありませんでした。
・朝7時過ぎから起きて、出勤の8時半まで、この番組を見ています。出勤、学校に行く前、一日の始まりなので、あまり暗い話ばかりせずに、元気の出るような番組にしてほしいと思います。「今日も1日頑張るぞ」といった感じの構成にしていただきたいと思います。特に今回は相撲の八百長の問題が長く続いて出てきました。情報番組なので仕方ないとも思いますが、元気の出る番組にしていただきたい。いい意味でのいい加減さがほしい。また、面白みがないと、見ていてもつまらない。そういう意味では、裏番組でキャスターをしているみのもんた氏は、いい加減さがあるので、同じことを伝えるにしても面白みがあると思います。天気予報については、視聴者からの生の情報は分かり易くて良い。「瞬間こだわりランキング」のコーナーは、この番組の中では非常に面白く思いながら見ています。朝刊の紹介はどの局も単調な口調です。この番組では「新聞読みの達人が」とありますが、単純に新聞を読めば分かるように感じました。毎回、じっと見てしまうのは「今日の運勢」です。コメンテーターの人選については、専門家をということですので、選択の余地が少なくて仕方がないのかもしれませんが、もう少し明るい人はいないのかと思いました。全体としてワイドショーは面白さがなくなっている、これは各局共通に言えることではないかと思います。
・この番組の放送時間は、よほど決心しないと起きられない時間です。見る側の原因かもしれませんが、テンポ感、リズム感がない。スタジオの出演者やスタッフも寝ているのではないかという感じです。この「やじうま」は、ちょうど一日のワイドショーの練習のような感じになり、次のスーパーモーニングに移ります。何だかスーパーモーニングのイントロのような印象を受けました。テンポがあると思ったのは、新聞の早読みくらいです。キャスティングが替わったそうですが、本当に替わったのか全然気づきません。いったい誰が、何が替わったのだろう?と感じました。各局の放送内容がほとんど同じということについては、目玉になる誰か、脚光を浴びている、ブレイクしている人を1人、曜日違いでも良いので、各局がメインゲストとして5分だけでもよいので登場させると、その人を見たい視聴者が見るのではないか、そういったこともあるのかなと思いました。最後の方になると、いかにも早く終わらせなければという感じのときと、まだ時間が余っているのでスタジオトークで引き延ばしているということをありありと感じるときとがあります。そんなに時間が余っているのであれば、例えば朝の番組なので、各地の朝の表情で繋ぐ、各地の花が揺れている風景でもよい、ニコニコ笑っている人でもよいから、「今日もいってらっしゃい、頑張りましょう」といった感じで次のスーパーモーニングに移ると、明日もこの番組を見たいという気持ちになると思います。もっとも私の気持ちがまだ寝ているからなのかもしれません。一概にテンポが悪いという訳ではないかもしれません。
・朝から難しい話題、暗い話題を取り扱うということについては、ワイドショーという番組はニュースとしての性質もあるので仕方ありませんが、確かにどうかなと思います。ニュージーランドの地震で考えさせられたのは、確かに学生や社員などが現地に居た場合に、いきなりこのようなニュースを流されると、被災者の在籍する学校や会社は対応に困ると思います。相撲の八百長については、当事者もいますし、関係者もたくさんいます。一人だけ「親方に責任がある」とはっきり発言された方がいましたのは印象に残りました。総じて、難しい問題を正面から取り上げながら、時間帯によって繰り返し掘り下げて放送しており、工夫はされていると思いました。バラエティー風に全員が発言するような形にするのは、朝のこの時間帯では、緻密な議論を期待されているのではなく、むしろ時計代わりに使われているというような現実があるので難しいと思います。番組の公式ウェブサイトを見ていると「美人時計」をやっていると書かれていましたが、今でもやっているのですか?確かに東京では見ることが出来ていたと思います。見ていた時に何か少し印象が違いました。同じ様でいて、放送局によって少しは違うのかなという印象がしました。今の時代、全部が「デジタル」になっていますが、新聞を持ってきて、番組内で取り上げているということは、アナログの良さというものも確かに存在している。新聞をネタにして話しをすると、見ている人も、具体的に自分のところに届いている新聞の現物を見ることができるので、お互いに話題を共有しているという気持ちになるのかなとも思いました。24日の新聞では、チュニジアから始まり、エジプト、リビアと「革命」とも表現される事態が生じていますが、報道によると「フェイスブック」が大きな役割を演じたそうです。「ソーシャルネットワーク」という映画も作られましたが、今の時代、ものを動かしていくのは、確かに情報であり、今まではその情報がテレビや新聞といったマスメディアを通じてでなければ得られなかったが、今は従来のテレビなどとは少し違うメディアにとって替わられている。そういうメディアの方が力が集中しやすいのかもしれません。中東で生じているいろいろなことを考えてみると、どう考えてもメディアをうまく使い、うまく政治と連携させた人たちがいる。その結果だと思います。今、ワイドショーは難しい時期に来ていると思います。作る側としては、今までの番組との継続性も必要ではあると思いますが、時代に合わせて変えていかなければいけない。単純にデジタルか、アナログかというような問題を越えた、何かが起きているような気がして仕方ありません。ほんのしばらく前だと、今の中東のような政治の激変は、色々な方法を使っても絶対に起きなかったことは確かだと思います。今や直接に民衆をあれだけ動かすことができる手段がある。そういう色々な変化を感じました。
・「天気予報」が番組のひとつの軸と書いていますが、そうは見えませんでした。結局、つなぎに天気が見えるのが普通です。3時間の間に天気は刻々と変わりません。5時と7時で全国の天気はそんなに大きくは動きません。気象情報が果たして柱になりうるのかなと思いました。ANNのネットワークを利用して、全国の天気を映像で紹介してみればどうでしょう。北海道から九州まで映像があれば、言葉で説明しなくても分かるので、そうすれば、天気が柱ということが、よりはっきりと売りになるのではないかと思いました。