放送番組審議会

2011年08月08日(月)

第165回 放送番組審議会議事録

開催日時:平成23年7月25日(月)午後3時
課題番組:「高校野球放送について」


1.開催日時:平成23年7月25日(月)午後3時
2.課題番組:「高校野球放送について」
※高校野球中継、News BOX WIDE内のダイジェストを視聴。
3.議事の概要:
・DVDとリアルタイムで「済美高校VS大洲農業高校」の試合を見ました。リアルタイムと言いながらも、出たり入ったりしながら見ていました。まずは、高校野球地区予選を取り上げていくというのは夏の風物詩になっているので、明らかに野球の熱が高い愛媛にとっては地域貢献だと思います。いつもすごいなと思うのは、ダイジェスト版などでもチームのことについてよく取材をしているからこそ、どちらのチームが負けても、その子たちのことを称える番組が作れるようなその準備力、それを速報的に伝える力が備わっている。底力のある会社だと思いました。引きの映像の中で、このDVDで特に感じましたが、開会式の第二試合のせいもあるかもしれませんが、スタンドの映像を入れたときに、やはり人がいるところを映してほしいと思いました。空席が、水色のきれいなブルーシートが目立ち、そのような場合は、開会式で全体を映しているので、引きの映像はいらないのではないかと思いました。学校紹介の時に、ただ単にではなく、工夫して「球心」という形で自分たちの短いワードを言っていく。これは今年から始まったのですか?部員の心のコアの部分に、まだ本当のことは聞き出せていないかもしれませんが、コアの部分に入っていていると思います。ではなかったら、学校のモットーなどを言ってしまうと思います。この「球心」というアイデアは良いと思いました。済美高校の試合の時に、談話コーナーというものがあることに気が付きました。これは、談話をまとめて大澤アナウンサーがお話ししていたのですか?これはずっと前からですか?談話のまとめ方が非常に生徒の言葉をよく拾っているなと思いました。印象に残ったのは、勝った済美高校を認めて、「自分たちは力の乱れがあって」という言葉を、俗にいう高校野球解説用語ではなく、生の本人たちの言葉で伝えているというところが魅力的だと思います。情報を送り出すところにツイッターが入っていましたが、これはずっとですか?そういう情報を送り出すということと、ツイッターは意味が違うのではないかと思いました。個人的にはツイッターはやる必要はないのではないか。真剣に野球をやっている高校生に、ツイッターは非常に心無い言葉、全く関係のないことも送り出してくることもあるので、情報をコントロールという意味ではなく、ツイッターは本当に必要な中継なのかなというところに課題を投げかけておきたいと思います。ダイジェストに長嶋三奈さんが出演されていましたが「いいですね」と思いました。後ろに飾ってあるヒマワリの花も素敵でした。お花のアレンジメントの方はお上手だと思いました。野球を愛している、野球ラブという愛情が伝わってくる番組、特に野球に関心があるわけではない私みたいなものでも不愉快ではなく心地良いものとして伝わってくるということをお伝えしたいと思いました。
・なかなかこういった番組は評価し辛いのが実際だと思います。今回は2本送っていただき、1本は試合のビデオ、もう1本はダイジェスト版でした。試合のビデオですが、私も知らなかったのですが、ネット協定があり、時間が決められているというところで、致し方なかったのかなと思いますが、送っていただいた試合は一番いいところでプツッと終わってしまい、本当に最後の最後で一番見たかったところですが、致し方ないと思います。なかなか解説、リポーターの方は慣れておられるので非常に安心して画面を見ていました。安心というところは、良い言葉で取ればそうですが、悪い言葉では、もっと工夫がないのかなということにも取れると思います。各校の紹介で、過去はマネージャーさんが出ていたと思いますが、今回からは選手だけで、私の周りの人もたまたまマネージャーの知り合いがおり、「なぜ今年はマネージャー出してくれないの?」という意見を聞きました。やはり球児を支えている一人のプレーヤーであると思いますので、ぜひマネージャーを取り上げるような形でも今後編集をしていただきたいと思います。さきほどの委員の意見にも出ましたが「球心」というのは今年からで、非常に良いアイデアですが、これは全国24局の中でeatだけですか?例えば、どこかでアイデアをもらってきたものですか?ダイジェスト版を見たときに、長嶋三奈さんは恒例になっていますが、24局ずっと回ってやっているのですか?愛媛は結構多いですよね。毎回来ていただいています。以前はテレビ朝日のニュースキャスターで社員としてずっと回っていましたが、今はフリーになっているのですよね?フリーになった中で、「松山に行きたい」という依頼があるのですか?一番残念だったのが、宣誓のテロップで「一年」と「一生」を間違えていましたが、これは最後まで見ていれば分かりましたが、途中で聞いて「テロップと違う」と5、6回も巻き戻ししながら聞いて、「一生」だろうということで流して見ると最後にお詫びの言葉が出てきました。やはり高校生のことですので、編集に責任を持って必ずこういったところは、責任をもってやっていただきたいと思いました。ツイッターの話がありましたが、私は見ていないのですが、反響自体はどのような感じですか?
・見ていて、何年か前に見たアナログの白黒の高校野球と違うのですね、やはり。あの頃は結構興奮しました。ところが、あれだけ冷静に全部画面がきれいに見えてしまうと、逆に興奮しません。野球中継のアナウンサーも困るだろうと思います。全部見えていますので。それはデジタル、ハイビジョンになってから、だいぶ変わったとは思いますが、依然として、どこの局も昔ながらの実況中継というところはあると思います。これは一つコペルニクス的な転回をして実況は辞める。見えている訳ですから。あるいは文字情報でも出せるわけですから。もっと別のことを伝えることができないだろうか。そのような中継を考えてほしいと思います。実況が逆に邪魔になるようなこともあります。見えていることを言わなければならないので、そういうことで昔見たブラウン管の白黒の高校野球は、例えば、音声、観客の歓声の音が気分を盛り上げたりしましたが、今はそこが冷静です。非常にきちんとした報道をしています。事故現場から中継しているのと同じような雰囲気が実はあります。テレビで高校野球を見る時は興奮したいということがあります。今一番感じたことです。ビデオで見るのとリアルタイムで見るのとは、えらく違います。これはビデオだと思うと、それだけでしらけてしまう。スタジオから女性の方が解説していますが、あのような部分もあれだけきめの細かい画面ですから、読むのではなく、自分の言葉で話していかないとついていけない。デジタルになり色々な意味で番組の作り方、表現の仕方が変わってきているというところを研究していかないと、せっかくのものが生きない。どこの局も手をつけていないところだと思います。ある局が、テレビの中継をしていたら、突然画面が変わり、ラジオ中継を始めてしまった。非常に見ていて楽しかったです。昔取った杵柄かもしれませんが、ラジオ中継的に実況中継をしました。スポーツ放送というのは、ハイビジョンで全部見せるというのは、例えば、サッカー、ラグビーなどでは良いかもしれませんが、野球中継は本当に極端な事を言うと、白黒のブラウン管の時代に戻ってほしいという感じがしました。興奮をするような演出は何があるのだろうか?やはり実況のアナウンサー以外に、学校の給食のおばさんが来て一緒に見て話をしながらやる、地域のラーメン屋のおじさんも一緒に来て解説に加わるなどそういう風なことになったら、もっと面白いのではないでしょうか?あまのじゃく的な意見ですが。
・先ほど局長からネット協定で編成のご苦労を聞かされまして分かったのですが、最初は単純にこの宇和島南高校VS新居浜商業の試合を見て、これは純然たるローカル番組なので、県議会、審議会以外の中継をやっているケーブルテレビの守備範囲の番組ではないか。それなら初めから最後まできっちり流せますし、そのような気がしたのですが、最後まで見させていただき、色々、学校紹介や番組作りにご苦労されており、ケーブルテレビでは無理だなと考えが変わるくらい、学校紹介など、番組作りに工夫されていると思いました。単純には純然たるローカル番組なので、びたーと流すケーブルテレビの守備範囲のような気もします。色々事情もあるでしょうが、番組作りに非常に工夫がされていることに感心しました。実況中継は、無駄なしゃべりがなく、非常にアナウンサーと解説者の方、聞いていてすっきりしている。私は非常に良かったと思います。某キー局はプロ野球など、アナウンサーがしゃべりすぎたり、解説者がしゃべりすぎたりし、しかも特定のチームに偏った解説をしたりと、時には不快感がありましたが、そういう意味でも、本当にすっきりと、しかも公平に、どちらのチームに偏ることのない報道の仕方、フェアだと感じました。ただ、たまたま「宇和島南高校VS新居浜商業高校」だけに限らせて言いますと、「宇和島南が打撃に一生懸命に力を入れている」というチーム紹介がありましたが、ピッチャーが非常によく、細川君は大変良いピッチャーだと思いました。チームの特徴を本当のこと言っているのかなと思いました。これも作戦の一つかなと思いました。良いピッチャーでしたが、一つだけ不満だったのが、9回に代えましたが、どうして代えたのか、完全なピッチングでしたのでなぜ?と思いました。それで追いつかれましたが、最終的に勝ったので良かったのですが、逆転されていると、どうして代えたのか?なかなか説明は難しいでしょうが、こういう時こそ、解説者に一言言ってほしかったと思いました。宇和島南中等教育学校は「6年生」というのですね。高校3年生のことを。あれは「え」と思いました。片一方は高校3年生、片一方は6年生、ということは、宇和島南中等教育学校は、3年生でも出られるのかな?呼び方についても一言解説があっても良かった。私は知りませんでした。中高一貫の高校3年生を6年生と呼ぶことを。私も中高一貫の学校でしたが、高校3年生の時は高校3年生と言われていました。今は変わったのですか?4年生以上しか出場できないとは思いますが・・・怪物の2、3年生がいると・・・
・主催者の片割れとして、1回戦から決勝戦まで全部が生中継ではありませんが、放送していただき大変ありがたく思っています。58試合もあるわけですから、そのうちの半分くらいですか?中継ができるのは。ご苦労は、私は現場にいますのでよく分かります。その上で申し上げます。先ほどツイッターや動画の話が出ましたので、上から目線の話になり申し訳ありませんが、いわゆるデジタルコンテンツは中継局だけに与えられたメリットです。これは朝日新聞と高野連と系列ネット局との間での話のようです。そのデジタルコンテンツを他の媒体で使えるのは中継局ですが、先日、愛媛新聞が親会社であるところの愛媛CATVが、ゲーブルテレビ局ですから、そこで取材をした動画を使いたいという話があり、よく聞いてみると、そこの愛媛CATVの主体は実は愛媛新聞社の記者がやっている。愛媛新聞社の記者が写真を撮り取材もしつつ、実は動画のカメラもまわしています。それはケーブルテレビの中の「愛媛新聞ニュース」という中で、動画として出したいのだけど、いかがなものか?と愛媛新聞社の編集局長から申し入れがあり、「ちょっと待ってください」ということで、お断りしました。そういうテレビ局、特にケーブルテレビ局ですが、今は今治、新居浜でも限定仕様ということで、地域限定仕様で何十年以上許可してきましたが、そのように新しい形のものが出てくると、その都度きっちり判断しなければならないので、難しい時代に入っているなと思っています。そういう意味でも引き続きeatと朝日新聞社との関係でこういった放送を続けられることをお願いしたいと思います。先ほどの説明で、坊ちゃん球場から中継するにあたってもこれだけの陣容と労力がいるというのは理解してはいるのですが、95回大会に向けて、費用対効果はありますが、できれば他球場も中継を。おやりにはなっていますが限定的ですよね。坊ちゃん球場は、ご覧のとおりで、ブルー、観客席もそうですし、フェンスもそうですし、すごく夏空と合う、青の球場という感じです。西条と宇和島の丸山球場は、逆に樹木に囲まれていて、グリーン、森の球場だと思いますが、時々そういう映像が、カードによって、この日は多分これが面白いのではないかという、限定された時間帯の中で、もしやるのであれば、やはりカードが優先ではないか、数字論としては。費用対効果を考えないといけないことを棚上げすればそうだと思います。記念大会の場合は、そういったことも視野に入れていただけたらと思います。大澤、市脇、村上アナウンサー3名がいらっしゃいますが、大澤アナウンサーは、すごく野球が詳しい、ストックがおありになっていて、それがよく分かります。それが大澤アナウンサーの個性だと思います。残る2人ももっと個性を出して、先ほどの委員のお話にもありましたが、大澤アナウンサーが非常に各校の「誰の監督の息子さんだ」など、そういった情報を含めて非常に野球通なのが分かります。そうでない方は、全然実況の仕方が違うというようなこともあってもよいと思います。個人的には確かに、少し話がずれますが、以前にも申し上げましたが、サッカーのいわゆる国際大会の時に、日本代表が出るような試合を、テレビ朝日系が中継すると、解説者とアナウンサーが叫んでばかりいます。また何の足しにもならない感情論を一人で言っています。サッカーファンほど、テレビ朝日系は音を消すというのがあります。生のスポーツの中継はもっとクールな方がよいというのがあります。先日、こちらの番組で、今治国際のゴルフの番組がありましたが、市脇アナウンサーは冷静だと思いましたが、あれは「編集なのです」とおっしゃいました。中継ではなく、編集の中で音声を加えていくと、それがかえって良いのです。変な意味ではなく、見たものをそのまま同じようなことを言っても、あまり意味はない。「4点目が入りました」とスコアボードに「4」と出ます。点は暴投で入ったなど見れば分かりますから、そういう意味では、新しい実況中継のあり方があってもよいかと思います。
・この時期になり、いつも困ったな、どのように言えばよいのだろうと、スポーツ音痴の私は思うのですが、スポーツと音楽の感動の違いは、音楽の感動は、なかなか持続することが難しいのですが、スポーツの感動はずっと持続し続けて、そしてその話題をまた掘り起こしながら語り合えるというところが素晴らしい、違うといつも感じています。同じ高校生目線でのコメント、女子高生など、放送部があったりもしますので、そういう生徒さんたちに参加をしていただく、そういう実況の仕方も楽しい部分があるのではないかと思いました。ツイッターの話が出ましたが、今の時代、欠かせないものかもしれませんが、高校野球は、高校生ですから、応援メールやFAX、手紙など、そういった少しダサい系くらいで丁度よいのではないかと思います。あまりにも危ない路線に入っていく可能性もあると思います。毎年ですが、アナウンサーの方が実況される時に、1回戦、2回戦、3回戦に進むにつれて、段々とよくなられる。成長されている感じで決勝戦が行われています。今年はアナウンサーの方たち、どの方の実況を聞いても、大人しめ、優等生が解説している、そのような気持ちになりました。音声もピッチが低い。冷静に進んでいる気がします。何回か今回の野球を見させていただきましたが、そのような気がしました。学校紹介はすごく良いと思います。毎回良いと思っていましたが、よく調べられている、球児をちゃんと良い意味で持ちあげて放送されています。町の様子などもそこから垣間見られる部分もあります。良く調べているので、なかなか良いと思いました。試合のことについては、スポーツは本当に分からないので、何も言えず、申し訳ありません。お体に注意されて頑張ってください。本当に暑くて大変だと思います。
・審議中に出てきた言葉で気になっていたのは、「これまで昔は白黒、アナログで、そちらの方が熱気が伝わった」という印象。段々と希薄になっているのは、日本全体がそのようになっているという気もしますが、番組の作り自体も昔と違い、そういうイメージが強いのかなと、見ていて思いました。私もツイッターで時々しゃべっていますが、訳も分からない話が多い中で、紛れ込んでしまい、本当に高校野球を見ている人にとって役に立つのか?情報源としては、どちらが勝ったのか、情報としては役に立つのですが、それ以上の使い方はなかなか、このようなデジタルものは難しいと思いました。デジタルものは、無味乾燥になりがちで、熱気を奪う、冷めてしまったところも出てくると思います。フォローは、みなさんされていないのですか?野球の中継とはあまり関係のないことが入っています。ただ、その選手のことが流れたりすると、かえってこれはどうかな、というところもあります。誰でも個人的な事を流せますので、そのあたりは気になります。番組は取材している人を、取材した人のもとにちゃんとした局の番組編成方針に従って話していますが、ツイッターの場合は皆が勝手にやりますので、難しいと思います。テレビがデジタルになり、良い面と、よく分からない面と両方が出てしまっているという中で、野球中継で、今、世の中では、フレームをどんどん外していくというのがあります。これまで枠の中だけだったのが、例えば広告の世界では、どの広告でも下にツイッターとフェイスブックなど、ソーシャルネットワークが付いてきます。ソーシャルネットワークは、元々は出会い系のような感じで人間同士を繋ぐのですが、中途半端にツイッターやフェイスブックなどを広告や記事の下に付けて、この記事は気に入ったなど、記事に対するコメントを求めるなどしている。テレビもそういう時代になっているのであれば、テレビの画面でツイートのボタンを押せばツイートするようなことがあるのか?だいぶ昔から言われている、通信と放送の融合がそのような形で行くのだとすると、今は過渡期かつ混乱するような時期かもしれません。高校野球という放送番組ですが、スポーツの枠を外れて色々感じるところがありました。