放送番組審議会

2012年06月13日(水)

第173回 放送番組審議会議事録

開催日時:平成24年5月25日(金)午後3時
課題番組:①阪神タイガース応援番組「トラっ娘MARIの今夜も眠れないっ!」②系列24社放送番組審議会代表者会議テーマ案
 

1.開催日時:平成24年5月25日(金)午後3時
2.課題番組:①阪神タイガース応援番組「トラっ娘MARIの今夜も眠れないっ!」 毎週月曜日24:15~24:20(5分)放送
         ②系列24社放送番組審議会代表者会議テーマ案

3.議事の概要:

①阪神タイガース応援番組「トラっ娘MARIの今夜も眠れないっ!」
・阪神・広島戦を盛り上げる為の番組ということでしたが、私は広島ファンです。なぜ阪神側に立った番組なのですか?何かあるのですか?スポンサーの関係ですか?阪神・広島戦を盛り上げるということであれば、両方から、今回は阪神側、今回は広島側、それぞれのチームに立っての情報提供ではありませんが、ディレクターの独断で阪神側ということですか?番組は、明るく、阪神の黄色とココロンの黄色が合っていて、そういう理由もあったのかなと思いました。大角アナウンサーが局のアナウンサーでいらっしゃいますが、メールを送っている時にずっと爪が出ています。その爪に、パールやラインストーンが沢山入っています。アナウンサーの方で、あそこまで爪をやっている方を、ニュース番組等でも見たことがありません。フリーアナウンサーの方であれば、個性ということで良いと思います。ですが、大角アナウンサーの爪はやり過ぎかなという印象を持ちました。選手と生電話をした時に、「今、何をしていますか?」という問いかけをされ、それに対して「球場入りする前で、○○をしています。」といった回答があったかと思います。それが何月何日の何時に電話をしているのか、視聴者は分かりません。確かに画面の中に時計が映り込んでいますが、耳で隠れています。よく見ると、午前11時半という感じですが、せっかく聞くのであれば、「今、何時なのですが、何をされていますか?」というフリがないと、野球選手の方が、普段何をしているのかを推測したり、情報を得たりするのに、あまり意味のない質問になってしまうと思います。時間は短く、さっと見るのには良かったです。

・私は阪神ファンですが、周りから見ると隠れ巨人ファンだと言われています。妻は大の阪神ファンです。20歳代から公式のファンクラブに入っています。松山では「虎の会」というものが結成されているので、大角アナウンサーにも入っていただきたいと思います。BGM、画面全体の雰囲気、名実ともに阪神タイガースの応援番組だと感じます。大角アナウンサーの報道できっちりニュースを読んでいる顔と、この番組の顔とのギャップが非常に面白いと思います。フリップは大角アナウンサーが書いているのですか?手作りのフリップは、非常に身近に感じられ、このノリから阪神の大ファンであるということが伝わってきます。この時間帯、この長さの放送時間、内容であれば、これくらい砕けたノリの良い番組作りは良いと思います。服装は少し気になりましたが、これくらい砕けた方が面白いと感じました。1、2分の番組で、何をしても許される時間の長さだと感じました。7月3日、4日の試合を盛り上げようという主旨を初めて知りました。7月以降もシーズン中ずっと続くのかなと思っていました。松山は阪神ファンが多いので、このような形で7月が過ぎても続けると面白いと思います。ここまで徹底しているので、阪神の選手に対しても直接アプローチができやすいと思います。特にメールでのやりとりは、メールの画面も今風で分かり易く、雰囲気を感じられ、直接選手が打ったメールが見えるというのも一つの魅力かなと思いました。また「週間MARI VP」は、なかなか考えた企画で面白いと思います。良いことばかりしか言っていませんが、あの時間帯、あのノリ、面白い番組でした。

・阪神ファンでも広島ファンでも、野球ファンでもなく、むしろスポーツニュースはサッカーであれば見るという感じですので、どうでもよいかなという印象です。でもそれが狙いだと思います。そこが言いたかったのです。阪神ファン以外は分からない、分からなくてもよいというマニアックさ。そういう番組を作るというところに、逆にテレビの面白さを感じ、テレビの逆転の発想が良いと思います。阪神ファンは見ると楽しいのだろう。そういった番組があること自体、文化の面白さ、広がりだと思いました。決して否定している訳ではありません。あっても良いという、消極的賛成と受け止めてください。トラっ娘MARIに、もう少しパンチ力がほしいです。先ほど、爪のことを言われていましたが、少しギャル風な感じが強いと思います。トラっ娘MARIを名乗るのであれば、着ぐるみにして、顔にも鼻やヒゲを付け、自分をトラっ娘MARIというキャラクターに仕上げ、なりきり感を出し、「あれ大角アナウンサーだった?」という感じの度肝を抜くようなものがあっても面白いと思います。どうせやるのであれば、もっとパンチ力をキャラクターに持たせ、中身も情報が通になら分かるという感じに絞り込んでいくとよいと思います。

・先ほど、「消極的賛成」という意見がありましたが、私は「積極的賛成」です。これがこらからのテレビ局の一つの方法だと思います。メディアは多様化していて、CATVやBSを含め他チャンネル化しています。個別に特化した番組を出していかないと、不特定多数が見てくれるだろうという曖昧な網をかけてもテレビ離れしてしまいます。みんなが満足してくれる番組を作ろうとして、みんな失敗しています。そういう中で、これは本当に特殊な番組です。阪神ファンは特殊な民族です。愛媛県はすごいです。阪神の悪口を言うと殺されるのではないかというくらい、阪神ファンは多いです。ファンのおじさん、おばさんを出演させ、これでもかというくらいの話をし、取っ組み合いをさせるというのも面白いと思います。これからの一つの方向だと思います。色々出てくると面白いと思います。大角アナウンサーですが、この番組を担当していたのが、たまたまアナウンサーだった。番組として、タレントだろうがアナウンサーだろうが、全然構いません。大角アナウンサーは、根っからの野球好きが全身から溢れていて、非常に好感が持てます。各局に、何かのマニアという人がいれば、非常に強い番組ができます。借りてきて「やれ」と言っても、なかなかあそこまでやれません。私は阪神ファンではありませんが、面白い番組を作った、これは一つの方向だろうと思います。どこもやっていない番組をやった訳です。他の局どこもやっていない番組を作っただけでもすごいことだと思います。短期間の番組で終わることはとても残念です。阪神専門番組のテレビ局。他のチーム、巨人ファンも多いのでやってもよいと思います。控えず、自信を持ち、どんな批判をも受けて立つというくらいの姿勢がないといけません。番組は個性がないと結局飽きられます。「反対派があって当然」という番組を作らないとこれからは生きていけません。

・大角アナウンサーを、カメラで下から撮っていたと思います。何か意味があるのですか?私はスタンドの雰囲気を出しているのかなと思いました。平行でもなく、上からでもなく、下から撮っていたと思います。筒井投手のことをずっと紹介していました。私は筒井投手のことをあまり知りません。松山北高校の出身ということを初めて知りました。筒井投手ばかりで他はいないのかなと思っていると、最後に秋山投手が出てきて安心しました。秋山投手は、有名で、西条高校出身、阪神で活躍していることは知っています。たまたま阪神に愛媛県出身の選手がいるだけで、そればかりだとネタが尽きてくるような気がします。7月3日、4日の阪神・広島戦を盛り上げるための番組ということで、大いに結構なことです。時々、広島ファンを乱入させ、夜も遅い時間帯ですので、激しいやり取りをやってみるのもよいと思いました。広島ファンも、巨人ファンも、中日ファンもいます。そういったことも全体を盛り上げるために必要かと思います。初めての試みでしょうから、これからも色々と工夫があると思います。試合を盛り上げることは非常に大事です。6月、迫って来れば来るほど熱く盛り上げていただきたいと思います。激しいシーンがあっても良いと思いました。

・限られた時間ではありますが、メールと筒井選手に偏っていた部分があったと思います。県内出身の選手で活躍しているのは、一軍では筒井選手に限られていたという条件もあり、仕方のない部分は多々あると思います。7月3日、4日に向けてどんどん盛り上げていただきたいと思います。番組のセットに映っているグッズのほとんどは大角アナウンサーの私物ということで、本当に阪神ファンだということを感じました。以前にトラッキー、ラッキーが来た時も、大角アナウンサーは握手をしに行っていました。すごい阪神ファンなのだなと痛感していたので、それがもっともっと番組で弾けていただけたらと思いました。

・スポーツは全く分からず、応援で必死になるその姿勢も理解できない。そういう私がコメントするのはどうかと思いますが…。短い時間で盛り上げる為に、もう少し人数がいてもよいかなと思います。ネイルは、あそこまでされるのであれば、色をもう少し考えると周りと合うと思います。あれくらい早いスピードで話さないと、あの時間で全部伝えようとするのは難しいと思います。あの番組を見て寝ると、悪い夢を見そうです。服装はそれでよいのでしょうが、カメラの角度によって「えっ」と思うような…。それが狙い目なのかもしれませんが、「えっ」と思うような雰囲気のところが何回かありました。夜中に目が覚めてテレビのスイッチを入れると、この番組を放送していました。何が始まったのだろうと思っている間に、番組が終わりました。短い時間でテンポ感良く、番組自体はとても良い感じで作られていたと思います。何人か登場人物がいると良いと思います。大角アナウンサーはこの番組にぴったりです。ニュースで輝いていない彼女がここで輝いていると思います。

・最初見た時は、よく分かりませんでした。阪神・広島戦を盛り上げる為という話を聞いて、初めて分かりました。おそらくこのことを理解していない人が多いと思います。番組の主旨が伝わりにくいのかなと思います。トラっ娘MARIちゃんは、盛り上げようとして、最初はオーバーアクション気味に感情を出しながら入っていきますが、冷めているようなところも見え、気になりました。

・カメラのアングルは球場をイメージしているとありましたが、服装が…。丈が短いので「はっ」とする瞬間があるのは、年を取った私だけなのでしょうか?若い人が見るとドキっとするでしょうね。

・巨人、中日、広島などありますが、絶対このノリにはついていけないと思います。阪神ファン独特のノリがありますので、やはりあの角度から阪神を取り上げるのは面白いと思います。

・阪神ファンは濃く、そこで成り立っている感じもします。特色を出すということですが、放送局はどこも同じようなことをやっています。少し刺激があった方が良いと思います。私は、阪神ファンでもなく、野球にもあまり関心はありません。MARIちゃんがトラっ娘というにはインパクトが足りないと思います。もう少しインパクトがあっても良いと思います。特定の球団を応援するための番組として、阪神タイガースという事ですが、広島のファンの人、他のチームのファンの人が反感を持つということはあまり考えていないのですね。


②系列24社放送番組審議会代表者会議テーマ案
・原発報道について。原発をもう一度取り上げてほしいと思います。事故のその後という形で、色々な角度からの検証。存続を主張する立場と、全廃の立場の両方があります。側面から言うと、国の考え方、地方自治体の考え方、国民の考え方、電力会社の考え方。報道は、今回の場合は特に偏っているのではないかと思います。反原発に、どの報道もそちらの方が正しいというような報道をずっと流しているような感じがします。果たしてそれが報道として良いのかどうか?疑問を持つ時があります。私は、原発はなくなった方が良いと思いますが、しかしながらも今まで進めてきた原発行政、国策として進めてきた過程をもう一度検証する。中立な立場から検証していくということが、これから大切になっていくと思います。原発の報道はこれで終わるものではありません。10年20年30年ずっと、チェルノブイリでもそうですが、続けていくと思います。1年経った今、どういう風に報道として捉えるのか、一回取り上げてみると面白いと思います。

・節電とテレビ。節電は今、非常に問題になっています。夏のピーク時に、エアコンとテレビ、夏の高校野球。午後2時から4時の間がピークらしいのです。自分で自分を縛るようなことになるので、難しいと思いますが、テレビによる節電が相当大きいのではないかと思います。敢えて自ら捉えてみても良いと思います。今日の新聞の投稿で、「深夜番組を止めたらどうか」というものがありました。節電という意味から言うとあまり意味がありません。夜間電力を使うくらいです。深夜の放送を止めたところで、ピーク時の対策にはなりません。ピーク時に、エアコンを止めるか、テレビを止めるか。業界としては、難しいでしょうが、私の立場としては、何も縛られないという意味で、節電とテレビという事でやってはどうかと思います。「節電せよ、節電せよ」と言うのであれば、それなりに努力しないといけません。本当に停電になると大変です。人命にも関わることも出てきます。極端なことを言うと、2時から4時くらいテレビを見なくても、エアコンが点けば、みんな良い訳です。全部止まるよりはましです。

・原発と電力不足に関する報道が第一番かと思います。後は、震災後の報道、瓦礫広域処理など、震災報道もあるかと思います。裁判員裁判をめぐる報道の在り方、オリンピック報道などもあると思います。

・原発の問題は全然解決されず、隠された部分が沢山あるので、報道の責任はあると思います。大学の時の先生が、「原子爆弾を作るのは簡単だ」と言っていました。では、なぜ日本は作らなかったのか?作れなかったのもあると思いますが、作らなかった。原子炉と原子爆弾は、基本的には核分裂です。それを急速にやるかどうかの違いです。かつ、制御は原子炉の方が難しいです。爆弾はともかく爆破し粉々にし、中の放射性物質を散らせばよいのですが、原子炉はそれを止める、漏れないようにする。非常に難しく、安全性が重要になってくるという話を聞いたのを、今でも思い出します。日本の原子炉が安全だというのは、米国が途中で開発を辞めたからと言われています。これ以上安全性についてやると、お金がかかり過ぎるということで、ある程度で辞めてしまった。政府の基準はそこで止まった。それを日本に輸出している。その時、日本側の安全性の考え方は、「安全性は全てに優先される」として進めていましたが、聞き入れられずに日本の開発は進んでしまった。その時、日本がどのようにやったかと言いますと、多重保護、多重安全です。ドアを何枚も作ければなんとかなるだろう。ですが、それではダメで、根本的に安全なものを付けないと、一枚一枚のドアが破れるのであれば、全部破れたのと同じではないか、といった記憶を思い出します。専門的になりますが、もう少しテレビで科学知識を教育してほしい。国民を教育しないと、放射能、放射性物質について、いい加減な理解しかないままです。これは重要だと思います。例えば、あの時、ヨウ素が出て、ヨウ素を避けるには、あれを飲んだらよいなど、色々な話が出ていました。放射性同位元素ヨウ素138の半減期は8日間くらいです。半分になった8日からの測定になっています。いわゆる放射能影響予測システムのスピーディーの使い方に、色々問題があったのではないかという話も専門家の間では出ています。もう少し科学知識を一般国民が知らないといけないと思います。昨年のテーマに続いてということが重要だと思います。