放送番組審議会

2014年10月07日(火)

第194回放送番組審議会議事録

開催日時:平成26年6月25日(水)午後3時00分
課題番組:「JA共済Presents 第1回えひめ5時間リレーマラソン」


・5時間リレーマラソンについて、事前の知識が全くなかったので、いったいどのようなイベントなのかと思いながら番組を見ました。ゲストの中では、ロンドンブーツの亮さんが遅れて登場しましたが、視聴者に対して失礼ではないかと思います。参加者2,500人弱、チーム数300以上が参加したイベントだったのですが「チームeat」の露出が多すぎた。主催者であり、本来はホスト役であるはずなのに、メインゲストのような扱いになっていました。もっと他の出場者の紹介に時間を割くべきでした。また、「MC」という言葉を、私はどういう意味か知りませんでした。業界の人にはわかるのかもしれませんが、一般の視聴者にはわからないのではないでしょうか。
また、現職の知事、市長が「チームeat」のメンバーとして出てきました。盛り上げのためとは思いますが、報道機関として、適切な距離感を持つべきです。視聴者は有権者でもあり、現職の首長に対する接し方として如何なものでしょうか。もし、あのユニフォームに「朝日新聞」と書かれていたら違和感があるでしょう。マスコミという点では同じだと思います。企画そのものとしてはよいと思いますので、来年以降も続けていけばいいと思います。
・今までのeatの自社制作番組を見ていると、一貫して「繋ぐ」「絆」というようなテーマを感じますが、今回の番組もそれを継承していると思います。健康志向という最近の世相にも沿っており、出走者だけでなく、それを応援する人たち、家族、同僚などたくさんの人を巻き込んだ、いい企画であり、多くの人を楽しく幸せにしているイベントだと思います。競技マラソンと違って、出走者は競争を目的としているとは限らず、いろいろな思いを抱いて参加しており、JAとの共催ということも関係したのか、グルメ市も開催されて、「ビールがあればいいのに」という冗談も出ていましたが、走らない人にとっても楽しいイベントでした。30分という番組尺もコンパクトでいいと思いますし、5時間というレースの時間設定もよかったと思います。年々参加者が増えていきそうな雰囲気を感じます。
・イベントとして大変ユニークな企画です。第一回ということで手さぐりだったのではないかと思います。当然のことですが、どんな大会か知らない人がほとんどなので、番組の舞台回しのために「チームeat」を作ったのだと思いますが、導入部が長すぎて、主役であるはずの一般ランナーがなかなか出なかった。また、確かに、ロンドンブーツの亮さんが遅れてしまったのも、大会が軽んじられている印象を与えました。愛南町の医師不足の話が出ていましたが、2,500人が参加しているのですから、他にもエピソードがたくさんあったはずです。どのような募集方法をしていたのかわかりませんが、募集の段階でエピソードが集まるようなやり方を考えるべきです。来年も開催されるイベントだと思いますので、次回以降の番組構成をどうするのか。ロンドンブーツの亮さん、あるいはそれに相当するようなタレントを使うのか、バラエティ番組としてのカラーを強くするのか、報道番組のようなイメージにしていくのか。また、グルメ市については紹介された品目が少なすぎたように思いますが、そのあたりが今後の課題だと思います。
・番組タイトルから受けた印象としてスポーツ大会の中継かなと思っていましたが、そうではありませんでした。知人も少なからず出ていましたので、どこかで登場するかも知れないと思って見ていましたが、eatのアナウンサーや芸人さんばかりがたくさん出てきており、もっと一般の参加者に眼を向けて欲しいと思いました。本格的なマラソン大会は、なかなか参加しづらく、人気のある大会は抽選制になっていたりするので、気軽に参加できる大会を企画することはとても良いことだと思います。そして、5時間の大会を30分にまとめて、飽きさせずに見せたことはすばらしいと思います。来年以降が楽しみです。
・私も、タイトルだけを見て、マラソンの実況中継ではないかと思っていました。eatの社員が参加して展開させるということについては、評価が分かれていますが、新しい発想であり、面白いと思います。番組の中ではロンドンブーツの亮さんのコメントがとても的確で活きていた。こういう締りの効いたコメントができる人が、eatのアナウンサーにいればいいのに、と思いました。
・オープニングの音楽は軽快でよかったと思います。また、大澤アナウンサーがめずらしく訛りを隠さず話していたのですが、これが親近感を感じさせてよかった。また、ロンドンブーツの亮さんの「最初は何が面白いのかと思っていましたが…」という言葉は、とても共感がもてるコメントだと思いました。映像として、いろいろな思いを持った人たちが集まったお祭りという感じがよく出ていて、見ている人に参加したいと思わせる要素も十分盛り込まれていたと思いますが、走りながら撮影していたカメラマンはさぞ大変だったろうと思います。戸谷アナウンサーはちょっとかわいそうで、なんだかタテ社会を感じさせられましたが、それはそれで面白かったと思います。南宇和病院や震災被害者の話も出ていたのですが、あの部分は必要だったのか。もし、必要だと思って入れたのならば、もっと時間をかけて深めるべきではなかったかと思います。私は現場にいて、参加者という立場でもあるのですが、最後のカウンダウンのところでは、何ともいえない一体感を覚え非常に感動したのですが、残念ながら番組の中でそれが伝わってこなかった。ちょっともったいない感じがします。また、老若男女を問わず、障害者なども参加できるイベントだったので、応援に来る人も更にいろいろな人がいたのですが、通路にごみが置いてあって身障者が通りにくいなど、応援する人の出入りのしやすさなどの点で、さらに細部にわたる検討や工夫が必要ではないかと感じました。エンディングのナレーションで初めて「絆」という言葉が出てきましたが、これはキーワードなので、番組の途中でそれを感じさせるような仕組みがあればいいのではないかと思います。今回の反省、分析を次回以降に活かしてほしいものです。
・番組時間については、30分はちょうど良く、テンポ感があって親和性の高い番組だった。出演者については、この番組の楽しさが続いたのは、ゲストのチョイスがよかったからだと思う。亮さんが絡むやり取りは、どの箇所も面白い。でも、なぜ最初の紹介時に、亮さんはいなかったのか。事情があったとは思うが、やはり視聴者へのマナーとして、いた方がよいと思った。ユニフォーム姿の知事と市長は少年のようで、ランニングの足取りも実に軽快。市長の「このマラソンは健康の入り口なので」はとても的確なコメントだった。参加者については、中学生、西予市消防署のように記録を狙うチーム、楽しいから走る子ども、コスプレランナー、など多くを語らずとも、参加者の姿が走る魅力を十分に表現していた。その他、気がついた点として、大澤さんを筆頭とするEATメンバーのグダグタのゆるい感じがよかった。その中で、一際働いた(走った)戸谷君に、リポビタンDを10本くらいあげたい。モストデンジャラスは、この番組に必要だったか。大会運営では貢献していたのだと思うが、番組の中では大いに疑問。JAがスポンサーなので、グルメ市をもっとアピールしてもよかったのではないか。「レッツゴー」のフレーズのロック調のテーマミュージックが印象的。あれはオリジナルかどうか気になった。最終ランナーを皆で迎えるシーンを観て、「あれ?」と思った。一斉スタートで、5時間走って回数を競うルールならば、ゴールのタイミングが違うことなどあり得ないのではないか。謎である。要望として、良い結果を挙げたチームの結果の伝え方が、今回は雑だったので、表彰台の風景だけでなく、もう少し長くチームを映して、あと10秒程度でも良いから時間を取ってチーム名だけでなくメンバーの名前も出してあげると良いのではないか。最後に、地域活性化イベントとして、このスタイルのマラソンは他県でも取り上げられていると思う。今回拝見して、とても新鮮で愛媛に合っていると思った。このマラソンイベントも、番組も、ぜひ続けてほしい。
・オープニングのところで、いない出演者がいるというのはやはり印象がよくないと思います。また、市脇アナウンサーのナレーションはとても温かく、父親のようで、持ち味がよく出ていたと思います。知事と市長が出ていたのですが、出走者へのコメントが欲しかったと思います。番組はよくまとまっていましたが、確かに導入部分が長すぎました。また、戸谷アナウンサーはよくがんばっていて、画面を見ながら応援しました。
・一般の人がたくさん参加していたのですが、自分が映っていたという実感を持った人はいなかったのではないかと思います。これが、次回以降の視聴率、イベント参加意欲にどう影響するのか。イベントそれ自体としては参加者が楽しめてよかったということに尽きるかも知れません。