第305回放送番組審議会
第305回放送番組審議会 2025年7月
課題:「地上波テレビとコンプライアンス~テレビの信頼回復にむけて~」
・メディア媒体が多様化している中で、テレビが唯一のプロ集団によるメディアだと思うので、
「テレビは信頼できるメディアであってほしい」と強く思う。
・先日の7月5日に日本で大災害が起きるという災害デマの出所はテレビ以外だったが、
一方、テレビでは「現在の科学的知見では、地震を予知することは不可能である」とする気象庁の会見を放送していた。
テレビの信頼性はまだ根強くあると感じた。
・テレビ業界にいると、影響力があるからこそ、時には傲慢に時には独りよがりになる可能性があるので、
日々社会の価値観の変化に敏感になることが必要だと思う。
・この番組審議会は、女性委員が男性委員より多い。
年齢構成もバランスよく、それぞれの立場からしっかりと発言できる環境を作る努力を感じる。
このような番組審議会であれば、テレビ局がいろいろな考えを取り入れるチャンスになるのではないか。
・今回大きな問題が発生して、テレビ局・ラジオ局の会社がそれぞれ社内アンケート調査などを行って、ホームページで報告している。
これからは定期的になされていくだろうと思う。
・愛媛朝日テレビの今までの企業理念に「事業活動を通じて、人権が尊重される社会の実現をめざします」という今大事なことが追加されたのは非常に良いことだと思う。
・上場会社では、女性の役員をおくことが非常に大きいテーマになっている。
女性社員の管理職、役員が増えると良い。
・第三者の内部通報窓口の設置の他、研修やアンケートを行うことが重要である。
きちんとできていれば問題が起こりにくくなるので、自主性や努力に頼るのではなく、
システムを作って、第三者の目を入れてコンプライアンスを保持していくということが重要だと思う。
・コンプライアンスの問題は、誰か一人が悪いといった話では無く、
根本にあるのは「人間は未熟な存在で、学ばなければ何回も同じことを繰り返してしまう」ということではないかと思う。
テレビ業界に限らず、昔からの慣習が強く残っている組織なら、どこでも起こり得るのではないか。
・「社会からの信頼を取り戻す」ためには、これまでの当たり前や慣習を見直して少しずつでもアップデートしていこうとする姿勢が大事なのではないか。
・例えば、テレビ業界の方が、一般企業など外の世界に行ってみて、一回違う価値観や働き方やコンプライアンス意識に触れてみると何かしらの気付きがあるのではないか。
・コンプライアンスという言葉は、30~35年位前に出てきて、当初は法律に抵触しなければ問題ないということだったのが、
今はハラスメントなど社会通念を著しく逸脱する行為も違反になる。
ただグレーゾーンも非常に多いので、具体的な違反例を洗い出し、皆で共有し、対象者の範囲も明確にして周知徹底を図ることが必要ではないか。
・「信頼回復」には、経営体制やガバナンスがコンプライアンス重視になっているかを見直して視聴者や外部に公表すること、
併せて部署ごとに状況を検証しながら、年月をかけて、「信頼回復」に努めていくということが大事になるのではないかと思う。
・他局で発生した問題は、誤ったことよりも、真摯な対応や説明責任を果たす姿勢が最初全くなかったことからどんどん問題が大きくなってきたのではないかと思う。
・最近、若者をはじめテレビ離れが取りざたされているが、何か起きた時にリアルタイムで知るための災害報道、選挙速報などは、SNSだけの情報では少し不安で、やはりテレビが信頼できると思う。
・社会に質の高い仕事、感動とかつながりを届けていくのがテレビの一番の役割ではないかと考える。
その辺を重視していろいろ番組等を編成してもらえたらと思う。
・eatは、地域連携、地元密着のテレビ局として今後も、ともに作っていくメディアとして進化していってほしい。
・価値観が動けば倫理観も動いて社会も多様化している。
今あるコンプライアンスを尊重するだけではなく、 「これでよいのか」という問いと、批判的な思考を保持しながら今のコンプライアンスを常に検証し続けてほしい。
・近年のテレビ局や番組制作側で起こった問題は、大変不快で腹立たしい問題だった。
しかし、多くのテレビに携わる人は、コンプライアンスを重視して真摯に番組に取り組んでいる。
テレビ番組の制作者自主自立の精神は保持しながら、この件で縮こまることなく、大きく広い世界を描いていってほしい。
・時代の価値観やコンプライアンスを常に検証し続けて、自主自立的に判断して、コンプライアンスのアップデートの最先端にたっていく地上波テレビであってほしい。
・あらゆる企業にとって、法令遵守が重要であることは大前提として、コンプライアンス違反の疑いが生じた際の、情報開示に対する姿勢も大切である。
・初動対応の後も、第三者委員会の設置などの事後検証や、具体的な再発防止策といった情報を都度明らかにすることが必要で、
それらが視聴者などの信頼回復につながっていくと考える。