2025 Vol.4 株式会社新来島どっく
総務部人事課係長 松本安正
総務部人事課主任 長澤悠花

「造船業って実は博打なんですよ!」という人事・松本さんの言葉で講義スタート。
・・・造船が、バクチ!?ってどういうこと??
普段なかなか触れることない業界について、学生目線でわかりやすく教えていただきました。

講義内容・登壇企業紹介
INTRO
DUCTION

今回の講義内容

「船の定価って実はあってないようなもんなんです。同じ船でも毎年価格変動します。」
「みんな、為替ってわかる?」
造船業界を知る前に、まずはお金の勉強から。
というのも造船業は、世界の政治、経済情勢に大きな影響を受ける産業だからです。
松本さんと長澤さんの軽快なお話しに教室の空気も和み、
生徒のみんなも自然と笑顔に。
「造船業は博打」の意味もちゃんと教えていただきました。

登壇企業について

今治市大西町に本社を構える造船会社。多種多様な船をオーダーメイドでつくれることが一番の強みです。「造船業界のなんでも屋」とは人事・松本さんの言葉。みんなの生活や社会に必要不可欠で日本の貿易輸送手段99.6%を占める船舶をつくる仕事で、地元を支える会社です。

登壇者紹介

株式会社新来島どっく
総務部人事課係長

松本 安正

総務部人事課主任

長澤 悠花

学生から企業に向けて、
100個の質問をしました!

Q.
10

造船業界の中で、新来島どっく様が特に強みとしている技術や分野は何ですか?

松本係長

「プロダクトミックス」です。他の造船所とは違って多種多様な船を手掛けることができる技術力が新来島どっくのいちばんの強みになります。また脱炭素に向けた環境対応船の分野においてもいち早く取り組み、現在は多くのLNG燃料船を引渡ししています。

Q.
48

船のオーダーというのはあまり想像がつかないので、どのような企業からどのくらいのペースで依頼されるのか気になりました。

松本係長

船をオーダーする人や会社は、船主と呼ばれる船を所有だけして、船を動かして物資輸送や貿易を行う海運会社や商社に貸し出して商売をする人がいます。また海運会社や商社が自ら船をオーダーして自社船として所有し船を動かしたりもしています。2000年代~2010年にかけては、中国の経済成長が盛んで中国へたくさんの物資が運び込まれました。当時は、とにかく船が必要という時代だったので船主や海運会社以外の会社も船を持って貸し出して稼ぐなんていうこともありました。また船は、約15年使用すると更新することが多いですが、今は脱炭素の流れで重油燃料からLNG燃料への切り替えもあり更新のタイミングも早まっています。

Q.
53

造船は長期的なプロジェクトになると思いますが、社内の部門間連携やチームワークで特に工夫されている点はありますか?

松本係長

船は受注契約する時に引き渡す日を決められています。引き渡す日が決まると、逆算していつからつくり始めて、進水させて、試運転に出る必要があるか、主要な工事を決めていきます。更には現場がつくり始める日が決まると設計を終えて建造に必要な資機材の注文、納品も終えていないといけません。これらは一人の人間、一つの職場が流れ作業でやっていくのではなく、それぞれの専門職場へ流していきます。前の工程が遅れると後ろの工程にシワ寄せがくるので、自職場で遅れを発生させないことが大事です。どうしても天候不良やトラブルで工事が遅れるときは後工程と調整を行いますが、最終的に引き渡しを遅らせないことが会社としての底力とチームワークの見せ所です。

Q.
69

女性社員の活躍について知りたいです。

長澤主任

元々、女性社員の場合、一般事務職といわれる受付や電話対応、コーヒー出し、請求書処理等男性の補佐的な業務で活躍する場面が多かったですが、2020年頃から総合職と呼ばれる人事採用スタッフだけでなく、設計や現場の管理技士として活躍する社員も増えてきました。高校を出て現場で溶接をしている女性社員も数名います。また、人事や財務のような事務系スタッフで働く社員も数名おります。

Q.
75

理系のイメージが強い造船業ですが、文系出身の人でも造船業界で役に立つ業務を教えてほしいです。

松本係長

船をつくるというプロジェクトにおいて理系特に機械工学系の学問を生かせる作業が多いのは確かです。ただ必ずしも理系出身者である必要はなく、入社してから学ぶことでいくらでも活躍できます。あとは企業なので理系出身者だけが集まってモノをつくるだけでは経営はできません。営業や財務、総務人事、システムすべてが機能して経営がうまく回ります。但し、反対にこれらの職種も文系出身である必要もなく、理系出身者もいます。

Q.
97

地元企業・学校・自治体との連携や、地域活性化に向けた取り組みがあれば教えていただけますか?

長澤主任

2年に1度バリシップという国際海事展を今治市役所や地元の造船、海運会社と共同開催しています。元々は、海事都市今治を広く知ってもらうために開催しておりましたが、9回目となった今年は24カ国、380社が出展しました。今治造船技術センターといって今治市にある造船会社や今治市と一体となって新入社員に向けて現場作業で必要となる溶接研修等を合同で行います。また新入社員だけでなく入社して数年たった若手の技能コンクールで熱戦を繰り広げています。愛媛大学でも2026年度から工学部の中に海事産業コースというのが新設されます。この辺りも今後、造船会社として何か一緒に取り組みが出てくると思います。

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講義中に答えられなかった残りの質問も
すべて答えてもらいます!

Q.
企業の基本情報、提供する製品・サービスについて
  • 他の会社より優れていると思うサービスは何ですか?

    新来島どっくの特徴は「プロダクトミックス」であり、多様な種類の船を建造することができます。お客様の要望に柔軟に対応・提案できる部分は大きな強みになっています。

  • 44種類の船を建造可能とのことですが、最近需要が増えている船種は何ですか?

    新来島どっくでみればバラ積み運搬船、ケミカルタンカー、LNG燃料自動車運搬船の建造が増えてきます。世界的にはコンテナ船も需要が伸びております。

  • 船を一隻造る過程に携わる人は、総勢何人になるのですか?

    新来島どっく大西工場では約1,300人で年間10隻ほど建造しています。

  • 修繕船事業について年間約500隻を対応する中で、最も多い修繕内容は何ですか?

    船舶安全法に基づいて法定検査(定期検査:5年、中間検査)が義務付けられており、エンジンの点検や船体の塗装が主な工事となります。また船の性能や燃費を維持するために船底のフジツボや貝類の除去、法律や規制の改正に対応するための改修工事もあります。洋上での事故によって損傷した船舶の改修工事もあります。

  • 線路を切断せずに運ぶことには、どの程度のメリットがあるのですか?

    新来島どっくは、150mある鉄道レールをそのままの形で運ぶことができる船を世界で初めて建造した会社です。鉄道レールは、継ぎ目が多いと乗客からすると振動や騒音が大きくなり乗り心地が悪く感じます。また鉄道会社側もレールを接合する作業が減るというメリットもあります。

  • 経営理念で「地域に貢献したい」とありましたが、どのような取り組みを通して地域に貢献していきたいですか?

    今治地域にとって造船業は、古くから築かれた産業であり造船業に携わる人口もたくさん存在します。いい船をつくる対価として生活の糧を得るという、この街の暮らしを繁栄させていくことが我々の使命です。

  • 従業員の方と良い関係を築くために、努力されていることはありますか?

    全社一丸となって工場開放イベントを実施する上では、全部署が連携しないと成功できませんので、そういったイベントを通じて社内のコミュニケーションが自然と生まれます。仕事以外では、社内に部活やサークルもありますので、同じ共通の趣味を持った社員同士のコミュニティも深めることができます。

  • 御社が重視している「造船会社としてのアイデンティティ」は何ですか?

    長年培ってきた設計力・生産技術力を基盤に、顧客ごとの要望に柔軟に応える対応力と、品質・納期面で高い信頼を築いてきました。日本の海運を支える永続的な事業活動が新来島どっくの強みでありアイデンティティであると言えます。

  • グループ内での各造船所は、それぞれどのような役割分担になっていますか?

    新来島どっくグループは、複数の造船所がそれぞれ得意分野を持ち、役割を分担しながら船づくりを行っています。グループの中心である大西工場(新来島どっく)は、自動車運搬船やケミカルタンカーを中心にバラ積み運搬船や貨物船など高付加価値船を中心に建造しています。豊橋造船とサノヤス造船は、建造ドックのサイズやクレーンも大きいので大型船舶を担当します。また、波止浜どっくや広島どっく、高知重工などは近海船・内航船など中小型船の建造を強みとしています。このように、船種やサイズごとに工場の特性と得意技術を活かしてグループ全体で多様な船を建造できる体制が整っています。

  • 造船業界の中で、新来島どっく様が特に強みとしている技術や分野は何ですか?

    「プロダクトミックス」です。他の造船所とは違って多種多様な船を手掛けることができる技術力が新来島どっくのいちばんの強みになります。また脱炭素に向けた環境対応船の分野においてもいち早く取り組み、現在は多くのLNG燃料船を引渡ししています。

  • ガスタンクが作れるというのは、どれくらいすごいことなのですか?

    元々、三菱重工業や川崎重工業の大手重工業では、ガスタンクを製造できていましたが、造船専業メーカーとしては当社グループが国内で初めて大型外航船向けのLNG燃料タンクの開発と製造を実現しました。また、現在ではタンクだけでなく天然ガスをエンジンに供給するシステムの製造、実船舶への設置稼働にも成功しています。

  • 若手社員が早く一人立ちするために、会社として取り組んでいることがあれば教えてください。

    入社してはじめは、集団研修を通じて社会人としての基礎を学びます。例えば新入社員が実際に配属されたら、新入社員1人に必ず教育担当となる先輩社員がつきます。教育担当とともに業務を行い、仕事の流れや必要な知識の習得ができる環境にしています。また、設計部門などは最新技術やルール改正に対応するため、定期的な勉強会も実施しており、若手社員が知識やスキルを身につけられるようにサポートしています。

  • 長い歴史の中で、時代ごとにどのような転換点がありましたか?

    1902年に創業し、1930年以降戦時中は、造船の他に砲弾の製造や住友財閥の傘下に入っていました。(戦後は離れております)1950年以降は、国内の復興とともに拡大路線を続け造船だけでなく、海運、金融、観光事業まで手掛けて最盛期には180社ものグループ会社を経営しておりました。1980年代は、円高、ドル安の進行により経営が悪化し銀行の管理下に置かれましたが、1987年に今の株式会社新来島どっくとして再スタートしました。現在は、造船専業メーカーとして事業を行っております。

  • 新来島どっく様が提供するサービスの中で、他社にはない独自の特徴は何ですか?

    長年培ってきた設計力・生産技術力を基盤に、顧客ごとの要望に柔軟に応える対応力と、品質・納期面で高い信頼を築いてきました。日本の海運を支える永続的な事業活動が新来島どっくの強みでありアイデンティティであると言えます。

  • グループ各造船所の役割や違いについて教えていただけますか?

    長年培ってきた設計力・生産技術力を基盤に、顧客ごとの要望に柔軟に応える対応力と、品質・納期面で高い信頼を築いてきました。日本の海運を支える永続的な事業活動が新来島どっくの強みでありアイデンティティであると言えます。

  • グループ企業との連携は、製品・サービス提供にどのような強みをもたらしていますか?

    長年培ってきた設計力・生産技術力を基盤に、顧客ごとの要望に柔軟に応える対応力と、品質・納期面で高い信頼を築いてきました。日本の海運を支える永続的な事業活動が新来島どっくの強みでありアイデンティティであると言えます。

  • 日本初の大型LNG燃料自動車運搬船を作ろうと思ったきっかけについてお聞きしたいです。

    当社にとって上お得意顧客が最新鋭の船を要望されたため取り組みました。これは発注主の特定顧客のみならず同規模顧客、金融機関、社内従業員の注目する会社の将来性を決める新しい取り組みであると誇りをもって建造に取り組みました。

  • 文系の方の活躍の場もあるとお話しされていましたが、具体的にはどのような場で活躍しているのですか?

    文系出身社員が活躍している部門は3つあります。1つ目は管理部門です。管理部門は総務・人事・経営企画・財務など会社や社員に関わる業務を行っています。2つ目は営業部門です。船はオーダーメイドで造っています。そのためお客さんの要望を聞き取り社内に展開していきます。3つ目は造修部門です。船を造るにはスケジュールなど工程管理が必要であるためその作成を行ったり、溶接などの実作業を行うわけではありませんが、現場に出て必要な設備投資の検討や品質管理、安全管理を行います。近年、文系出身者の活躍も増えている職種です。

  • 今後の事業方針や中長期的なビジョンについて伺えますか?

    国際海事機関の方針である船舶が排出する温暖化ガス0に向けて、新来島どっくでも2030年にかけて約400億円を投じて新燃料船を建造できる体制を更に構築していきます。設備投資だけでなく労働力の維持確保や生産ラインの自動化やDX化の推進によって、今後も海洋国家日本国内における存在意義、地域社会における雇用やまちづくりにも貢献していきたいです。

  • 主力となる船種や、近年需要が伸びている船種について教えてください。

    自動車運搬船とケミカルタンカーにおいては、累計建造隻数においては世界1位です。

  • 主な顧客層は、国内外でどのように分かれていますか?

    バラ積み運搬船やケミカルタンカーでは、海外の顧客もいますが、大半は日本国内の船主や海運会社、商社が顧客となります。

  • 競合他社との差別化戦略は、どのように考えていますか?

    当社以外の造船所でも建造できる船であったとしてもより顧客の細かい要望を聞き入れて実際の船にしていくところであったり、実績のないような特殊な船型でもこれまでの知見を生かして船を造り上げていくところです。

  • 希望や理想に沿った船の設計図を作成する段階で、顧客である船主さんとのイメージの齟齬を無くすために行っている工夫はありますか?

    顧客と協議を重ねる中で得られる情報と記録の蓄積が重要になります。過去の履歴を踏まえ、最初にどのような提案をできるかが大事になります。最終的には、設計仕様書を基に協議しながら柔軟に修正を行っていくことも必要です。

  • 新来島どっく様が最も得意とする船種と、その技術的特徴は何ですか?

    当社が最も得意としているのは、内航・近海で活躍する貨物船やRORO船といった「中型実用船」です。これらの船は港湾条件や運航ルートによって求められる性能が大きく異なるため、一隻ごとに最適な船型設計や構造設計が必要になります。当社は長年の建造実績を基に、燃費性能を高める船型や、限られたスペースで効率的に作業できる艤装配置など、実運用に直結する技術を磨いてきました。こうした“使いやすさ”と“省エネ性能”を両立した船づくりが得意分野です。

Q.
強み・弱み・機会・脅威(SWOT分析)、付加価値・差別化
  • スライドで他社との差別化が目立ちましたが、何か戦略があるのでしょうか?

    幅広い船種における豊富な建造実績を活かし、船型・構造・艤装を含めた最適設計を行うことで、燃費性能や使いやすさといった実用面での価値を高めています。

  • 他社には難しい特殊船を建造できる理由は、具体的にどこにあるのでしょうか?

    長い歴史の中で培ってきた技術力と経験を活かしながら船体構造を設計し、特殊な装置は機器メーカーと協議を重ねて、船も荷役装置もきちんと動く、きちんと稼働するといったことを実現させています。

  • 造船業の弱みとして人材不足がありますが、それに対して何か取り組んでいることはありますか?

    求人においては、学生のみなさんの採用ももちろんですが、最近は高度外国人材の採用にも力を入れています。他にも造船業界を知ってもらうために、小学生や中学生、高校生の工場見学の受け入れを毎年行っています。地域に根差した産業として会社や事業内容、業務内容を発信し、将来この仕事をやってみたいと思ってもらえるような取り組みをしています。

  • 他の造船会社と比べて、社風や働き方で違うところはどこですか?

    新来島どっくは、会社が大きすぎないので職場間の距離が近く、年次や職種に関わらず意見を出しやすいです。造船は多くの工程が連携するため、日常的にコミュニケーションを取りながら課題解決に取り組んでいます。また、若手のうちから実際の船づくりをしっかり学びながら、後に責任ある仕事や立場を任される点も特徴です。

  • 脱炭素化や新燃料対応が進む中で、新規需要として注目している分野はありますか?

    海運造船業界では2050年にGHG(温室効果ガス)排出0という目標に向けて、新燃料の研究・開発が進められています。これらの分野は、1社単独での開発が困難なため、燃料の供給要領、取り扱いにおける安全性、燃費等をみながら決まっていくことになると思います。

  • 原材料価格・為替・船価変動など、経営上のリスクとして注視しているのは何ですか?

    船は、受注(契約)した段階で価格(売上)が決まります。実際に造りはじめるのは数年後なので、受注した時と原材料価格も為替も変動しています。これらの価格変動リスクを極力回避することが企業努力になりますが、講義でお話した「造船は、博打」ということになります。

  • 高度な機械加工技術と職人の手作業(鋼板加工)の融合が強みとありましたが、職人の高齢化などの問題点はありますか?

    ベテランの職人が引退しても対応できるように若手社員も日々がんばっています。今はベテランのような早さやグレードでできなくても年月をかけて技能の向上に取り組んでいます。

  • 現在の造船業界の変化の中で、課題だと感じている点はありますか?

    造船業界では現在、環境規制への対応や技術革新のスピードが加速しており、それらへの対応が求められる一方で、設計力・現場力を継続的に高めていく必要もあります。また、技術者や技能者の育成・継承も重要なテーマです。当社としては、こうした変化を前向きに捉え、若い世代の新しい発想や挑戦を取り入れながら、みんなが楽しんで仕事ができる社風づくりも課題です。

  • 受注生産(オーダー)で他社に作れないものを作ると聞きました。具体的にはどのような船ですか?

    建造実績としては世界初の長尺レール専用の運搬船や特殊なRORO船があり、世界で唯一の船種や特殊船といわれる船舶も手がけることが可能です。

  • 同業他社と比較したとき、製造技術や品質面での「強み」と考えている点を教えてください。

    当社の強みは、海外を貿易する外航船舶・国内を航行する内航船舶どれでも建造できる造船技術とそれを高い品質で具現化する国内拠点をもっているところです。

  • 今後の事業において、課題(弱み)と感じている部分はどこでしょうか?

    生産能力を維持拡大するための設備増強(着工済)や労働力の確保に加えて、労働力を補うためのデジタル化やロボット化の推進です。

  • 脱炭素化の流れをはじめとする外部環境の変化に対し、どのような機会を見出しているのでしょうか?

    船は、約15年稼働すると更新することが多いですが、脱炭素化の流れが加速化している関係で15年経たずとも新燃料で稼働する船に造り替えてしまおうという機会も増えています。

  • 造船業界の就職状況が知りたいです。世間的には人材不足が問題視されている中で、造船業界はどうなのか気になりました。

    造船業界も他の業界と同じように人材不足は大きな課題となっていますが、新来島どっくでは地元出身者や近隣地域出身者を中心に企業や業界に興味を持って入社してくれる人が毎年います。あまり普段の暮らしに身近な業界ではないため、業界や企業をしっかりアピールしていく部分は課題かと思います。

  • 海外の造船業について、日本の造船との違いを教えていただきたいです。日本の方が精密な造船を行っているというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

    特に中国は、コスト競争力を強みに船の受注を伸ばしています。一方で日本の造船は、燃費性能や操船性、耐久性といった細部まで作り込む「精度の高い設計・製造」に強みがあります。船主様ごとの細かな要望に応える受注生産や、長期間安心して使える品質づくりは、日本ならではの特長です。

  • 韓国・中国造船の低コスト戦略は、どの程度の脅威となっていますか?

    中国に関しては、低コストだけでなく低価格で船の受注を伸ばしています。低価格で船を受注して仮に赤字船が続いたとしても政府が経営を支援してくれています。日本は、赤字経営になると自分たちのがんばりで建て直すしかありませんので、赤字覚悟で船の受注を推し進めることはできませんが可能な限り、中国との価格差が出ないようがんばっています。

  • 新来島どっく様の強みとして、環境に配慮した船の開発に力を入れている点が挙げられると思います。具体的にどのように環境に配慮しているのか知りたいです。

    船における環境への配慮は、燃費の改善(少ない燃料で航行できる)と排気ガスの削減が主となります。前者は、造船所で波や風の抵抗が少ない船体を設計したり、摩擦の少ない塗料を採用する等、工夫していますが、後者は新燃料の開発にも関係しますので、他の質問に回答してある通りです。

  • 顧客満足度を高めるために行っている取り組みは何ですか?

    お客様も多種多様なご要望を持っていますが、それらへの柔軟な対応や難しい場合の代替案の提示など、お客様に寄り添うスタイルが新来島どっくの強みでもあります。

Q.
顧客・競合・協調関係(3C分析+C)
  • 顧客との打ち合わせや仕様策定の段階では、どのような価値提供を心がけていますか?

    顧客の要望を的確に捉えて、新来島どっくグループの良い部分や特許件数451件を誇る技術力を仕様に織り込むことです。

  • 海外造船所と比較したとき、日本の造船に求められる期待はどう変わっていますか?

    国内の顧客からみれば新しい船を建造する時は、言語や商習慣による差異がないため、細かい仕様も聞き入れやすい点はあります。就航後のトラブル時にも素早さと丁寧な対応が日本の優位性となります。

  • 今後の事業展開で、特に力を入れている分野(省エネ船、DX、安全対策など)は何ですか?

    造船所だけでなく特に製造業においては、作業時の安全面の向上や労働災害の撲滅は、昔から最重要課題であり今後も同じです。船づくりにおいては、生成AI等の最新技術を取り込みながらデジタル化を進めて、省エネ船の建造に取り組むといったどの分野にも力を入れていかないと勝ち残れません。

  • 今治市内に競合が多いと思いますが、逆に協力関係になることもあるのでしょうか?

    以前は、ライバル意識のような面もありましたが、今はオール今治どころではなくオールジャパンで国内の造船業発展のために各社と協同で技術開発を行ったりもしています。

  • 主な顧客層(船主・企業)は、どういった業種や地域の方々が多いのでしょうか?

    愛媛県内特に今治地域には、昔から船主と呼ばれる船を所有する会社がたくさんいます。都心部にはそういった会社から船を借りて世界中の荷物を運ぶ海運会社や商社も多いので、関係者すべてが顧客となります。

  • サプライヤーや地域企業との連携(協調)で、重要視している取り組みはありますか?

    愛媛県内特に今治地域には、造船所だけでなく船が動くために必要な設備を製造する事業者がたくさん存在しています。同じ地域で事業を行っているので、横の繋がりや連携も多くお互いの地域活性化に取り組んでいます。

  • 船のオーダーというのはあまり想像がつかないので、どのような企業からどのくらいのペースで依頼されるのか気になりました。

    船をオーダーする人や会社は、船主と呼ばれる船を所有だけして、船を動かして物資輸送や貿易を行う海運会社や商社に貸し出して商売をする人がいます。また海運会社や商社が自ら船をオーダーして自社船として所有し船を動かしたりもしています。2000年代~2010年にかけては、中国の経済成長が盛んで中国へたくさんの物資が運び込まれました。当時は、とにかく船が必要という時代だったので船主や海運会社以外の会社も船を持って貸し出して稼ぐなんていうこともありました。また船は、約15年使用すると更新することが多いですが、今は脱炭素の流れで重油燃料からLNG燃料への切り替えもあり更新のタイミングも早まっています。

  • 顧客企業は、どのような用途・目的の船舶を求めていますか?

    世界規模でみれば新しい油田やガスが発掘されれば輸送するための船舶需要が高まります。新興国が発展していく段階では、バラ積み船で大量の鉄鉱石や石炭等が運び込まれ国の施設やインフラ整備のための粗鋼生産に利用されます。

  • 価格競争が激化する中で、競合他社との価格以外での差別化要因をどのように構築・維持していますか?

    現顧客層の維持と新規顧客でリピーターになる顧客への重点対応が大切になります。船が完成した後に起こるトラブルへの迅速かつ柔軟な対応も最重要サービスとなります。

Q.
長期・短期のビジョン、計画、方針
  • GHG(温室効果ガス)ネットゼロを達成するために、どのような取り組みを行っていますか?

    海運会社や同業他社と新燃料の開発や取り扱いについて情報交換を行いGHGネットゼロの船が建造できるように取り組んでいます。

  • 造船業界全体の中で、最近変化してきていることや今後注目している動きがあれば教えていただきたいです。

    造船業界では近年、環境規制の強化を背景に、省エネルギー性能や環境負荷低減に関する技術が大きく進展しています。LNG燃料船やアンモニア燃料船など次世代燃料への対応に加え、船型改良や省エネ付加物による性能向上が重視されています。また、設計・製造分野では3D設計やデータ活用、工程の自動化などDXの導入が進みつつあります。今後は、環境対応とデジタル技術を両立させた競争力が重要になると注目しています。

  • 造船は長期的なプロジェクトになると思いますが、社内の部門間連携やチームワークで特に工夫されている点はありますか?

    船は受注契約する時に引き渡す日を決められています。引き渡す日が決まると、逆算していつからつくり始めて、進水させて、試運転に出る必要があるか、主要な工事を決めていきます。更には現場がつくり始める日が決まると設計を終えて建造に必要な資機材の注文、納品も終えていないといけません。これらは一人の人間、一つの職場が流れ作業でやっていくのではなく、それぞれの専門職場へ流していきます。前の工程が遅れると後ろの工程にシワ寄せがくるので、自職場で遅れを発生させないことが大事です。どうしても天候不良やトラブルで工事が遅れるときは後工程と調整を行いますが、最終的に引き渡しを遅らせないことが会社としての底力とチームワークの見せ所です。

  • 短期的な経営課題として、現在最も優先度が高いものは何ですか?

    常に新燃料船の建造ができて建造量の拡大に向けての体制づくりと労働力の維持確保です。

  • 10〜20年後を見据えた長期ビジョンの中で、御社が目指す造船所の姿はどのようなものですか?

    顧客、取引先、地域に愛されて世の中から必要とされる会社でありたいと思います。

  • 現段階でもかなり大きな会社だと感じていますが、今後の長期的なビジョンはあるのでしょうか?

    新来島どっくは、以前は多角的に事業展開をしていた時期もありますが、現在は船づくりを本業としています。今後も船づくりを柱として事業運営を続けていくことが使命であり、目標です。

  • 今後数年間で、重点的に取り組む分野やテーマがあれば教えてください。

    新燃料船の開発建造と労働力の確保においては日本人だけでなく外国人の活用も推進していきます。

  • 脱炭素・デジタル化など大きな環境変化に対して、どのような長期戦略を描いているのでしょうか?

    他の項目でもありますが、設備投資の推進と労働力の確保を行いながらデジタル化については、他社の協力も得ながら進めています。

  • ベトナムの会社との関わりだけでなく、他のヨーロッパやアメリカなどの会社と関わる予定はあるのでしょうか?

    今のところありません。

  • 大阪や広島など全国に複数の造船所を持たれていますが、海外展開などは考えられていますか?

    今のところありません。

  • 将来、造船業はどのように変わっていくとお考えですか?

    四方を海に囲まれた日本において造船業は、経済安全保障と国家安全保障の両面から重要な産業であることは、これまでもこれからも変わりません。現在では日本政府も造船業支援策を打ち出してくれておりますので、建造量世界1位奪還は厳しいですが、存在感を発揮していくことになると思います。

  • 資格取得のサポートには、どのようなものがありますか?

    通信教育です。TOEICや現場向きの資格まで様々ですが、資格取得のために自己負担3割で通信教育を受講することができます。資格取得ではありませんが自己啓発として業務上で使う原価やパソコン関係などの実務的な分野も通信教育で学ぶことができます。

Q.
求める人材・働きがい・人材教育・男女共同参画
  • 女性が活躍できる機会はありますか?

    男性と同じように総合職として、設計部門や工程管理や品質管理を行う建造技師として船に直接携わる業務を行う女性社員や総務、人事、経営企画、財務などの管理部門で会社や社員さんに関する業務を行う女性社員もいます。文理問わず、女性社員が活躍できる場はたくさんあります。

  • 造船の仕事の魅力や、この仕事ならではのやりがいがあれば教えてください。

    船は世界では約70%、日本に限った話だと99.6%は船で物を運んでいます。この世に必要不可欠なものを造っている点や物づくりの中でもかなりスケールが大きい点は魅力ややりがいです。

  • 応募者が学生時代に経験しておくと強みになる活動はありますか?

    学校での勉強も大切ですが、学業以外に部活動やアルバイト経験も大いに役立ちます。旅行や遊びの中で得た経験が意外と役に立つこともたくさんあります。

  • 若手社員さんが最初に担当する仕事は、どういった内容が多いですか?

    入社してしばらくは、業務そのものの進め方や船に関する基礎的な知識を身につける期間になります。その後、技術系の部署においては「担当船」を持ち、同型船(前例のある船)の設計や工程の管理を担当するようになります。

  • 若手からベテランまで、働きやすい職場環境にするために工夫していることはありますか?

    人事部門主導による社内コミュニケーション活性化イベントや職場での親睦を深める場を設けています。

  • 入社後の教育・研修制度には、どのような特徴がありますか?

    新来島どっくでは、本社だけではなく各グループの新入社員もみんな本社に集合して一緒に研修を実施します。基本的な社会人教育やマナー研修はもちろんですが、サイクリングの聖地今治ならではのサイクリング研修のような楽しいコンテンツもあります。また総合職の場合は設計や現場、営業や管理部門を順番に研修で回り、実際にどのような業務をしているのかよく知ってもらった上で職場配属になります。職場配属については事前に配属希望調査を実施し、その内容も踏まえて配属を決定しています。

  • 女性社員の活躍について知りたいです。

    元々、女性社員の場合、一般事務職といわれる受付や電話対応、コーヒー出し、請求書処理等男性の補佐的な業務で活躍する場面が多かったですが、2020年頃から総合職と呼ばれる人事採用スタッフだけでなく、設計や現場の管理技士として活躍する社員も増えてきました。高校を出て現場で溶接をしている女性社員も数名います。また、人事や財務のような事務系スタッフで働く社員も数名おります。

  • 若手のうちから任される業務範囲や、技術者として成長できる研修などについて教えてください。

    若手、ベテランという括りで仕事の割り振りは基本的にありません。若手でも能力とやる気のある社員は、大きい仕事も任せてもらえて更なる成長の機会を得ることができます。技能職の社員は、他社と連合でスクールのような研修会を開催しています。

  • 若者や女性は、どのような分野で活躍されていますか?

    総合職社員として管理部門や設計、建造技師としても様々な分野で活躍します。

  • 新人教育や人材育成で力を入れていることは何ですか?

    造船や船についての知識をしっかり身につけて入社してくる方はほとんどいません。そのため、まずは専門的な知識を身につけることが大切になってきます。入社後の新入社員研修や配属後においても船の基礎的な知識から専門的な部分まで学べる機会を設けています。

  • 技術力の継承や教育制度には、どのような取り組みがありますか?

    複雑な作業においては、若手社員に対してベテランの技能者が付いて教育サポートします。

  • 新入社員を受け入れる際に、御社のような技術力の必要とされる業界で、技術力という面以外で大切にされることは何ですか?

    入社してくる段階で技術力を兼ね備えた人はいませんし、求めていません。入社して自分の先輩達のようになりたい、先輩達のような仕事ができるようになりたいと思って、何でも取り組める方を求めています。

  • 理系のイメージが強い造船業ですが、文系出身の人でも造船業界で役に立つ業務を教えてほしいです。

    船をつくるというプロジェクトにおいて理系特に機械工学系の学問を生かせる作業が多いのは確かです。ただ必ずしも理系出身者である必要はなく、入社してから学ぶことでいくらでも活躍できます。あとは企業なので理系出身者だけが集まってモノをつくるだけでは経営はできません。営業や財務、総務人事、システムすべてが機能して経営がうまく回ります。但し、反対にこれらの職種も文系出身である必要もなく、理系出身者もいます。

  • 新来島どっく様が求める人材像は、どんな特徴を持っていますか?

    仕事をする上で同じ部署の人はもちろんですが様々な部署の人とも関わります。そのためコミュニケーションがとれることや仕事に対して前向きに取り組んでくれる人を求めています。

  • 今後さらに発展していくために、どのような人材が欲しいですか?

    今後さらに発展していくためには、引き続き多種多様な船や新たな船へ取り組んでいかなければなりません。そのため、新しい内容にも前向きに挑戦できる人材が欲しいと感じています。また、造船所では多くの社員・部署が連携を取りながら船をつくっていますので、コミュニケーションをしっかり取りながら業務を進めていける方を募集しています。

  • 学生のうちにはイメージしにくいのですが、造船の仕事で「ここが一番おもしろい!」と思う瞬間ってどんな時ですか?

    船というあんなに大きなものを社員の手で設計し、その図面に沿って現場の社員の手でつくり上げていくという一体感とスケールの大きさがおもしろい!と感じられる瞬間です。そして建造された船が実際に日本や世界の物流を支えているって考えたときにわくわくする気持ちと誇らしい気持ちが溢れます。

  • 技術系と事務・経営系の社員の割合はどのくらいですか?

    約850人いる社員の内、製造現場で働く社員が300人、建造技師および設計として働く社員が300人、その他事務系統で200人くらいの割合となります。

  • 造船業という伝統的に男性中心の業界において、女性技術者や女性管理職の登用をどのように進めていますか?

    造船業は男性が中心というイメージが強いかもしれませんが、近年は女性総合職として入社し、船舶の設計や現場での工程管理・品質管理を担当する社員が増加しています。また設計部門においては女性で係長の役職についている方もおり、キャリアアップを目指すことができる環境もあります。

Q.
その他
  • 株式について質問です。造船業界は活気があるようですが、非上場である現状の影響と、今後の上場の有無、およびその理由が知りたいです。

    新来島どっくの株式は、非上場です。上場していると株価が上がった下がったと業績に影響があるだけでなく、不特定多数の会社や人が株主になると、様々な要求や判断を迫られ自分達の思うような経営がしにくくなります。また買収のリスクもつきまといます。新来島どっくは、上場することで市場から資金を調達するというよりかは、まずは自己資金を蓄えて必要に応じて友好金融機関から借入を行い事業を行っています。

  • 今後の造船業界で新来島どっく様が目指している方向性や、新しい技術の導入計画について教えてください。

    新来島どっくは、以前は多角的に事業展開をしていた時期もありますが、現在は船づくりを本業としています。今後も船づくりを柱として事業運営を続けていくことが使命であり、目標です。

  • 造船中に材料費の高騰などで建造費が変動すると思うのですが、どのように見積もりを立てていますか?

    船の材料は、大半が鉄でできています。鉄の価格は、素材となる鉄鉱石や石炭の価格に左右される面が大きいので、それらの価格動向も注視して、見積を行い可能な限り価格転嫁できるよう交渉しています。

  • 新来島どっく様は、地域経済や地域コミュニティにどのような影響を与えているとお考えですか?

    新来島どっくは、今治市の大西町という人口約8,000人の町にある造船所です。当社の社員は、約850名ですから約1/10を占めています。もちろん社員全員がこの大西町という所に住んでいるわけではありませんが、そういう意味でもまずは雇用の面ではかなりの影響力はあります。年に1回社員や社員の家族、地域の方々を招いて感謝祭というイベントを行っております。5000人くらい来てくれます。また船が完成して出ていく時は、近所や今治市内の幼稚園生を招いて、みんなで船の見送りをしています。日頃から造船業への理解を深めていただくとともに地域と円滑なコミュニティを築いています。また今治市にとっては税収の面でも太客です。

  • 環境規制や脱炭素化への対応で、御社はどのような戦略を取っていますか?

    新来島どっくは2020年に日本初のLNG(液化天然ガス)燃料の自動車運搬船を建造しました。脱炭素化へ向けてそのような新燃料船にいち早く取り組み、お客様へ引き渡しをしています。今後は「アンモニア燃料船」のようなCO2排出量をゼロにすることが可能な次の新燃料の検討・設計を進めています。

  • 若手社員が意見を出す場や、チャレンジできる機会はどのくらいありますか?

    任されている業務の中で疑問に感じることや若い目線での業務改善に繋がりそうな場面では、若手の意見を聞く場面もたくさんあります。

  • 地域住民を招いた工場開放イベントとして「新来島感謝祭」を行っているとありましたが、開催しようと思ったきっかけや開催内容の詳細を知りたいです。

    造船業は、地域の理解がないと事業ができません。誠実に事業を行っていても予期せぬことで近隣にご迷惑をおかけすることもありますので、少しでも造船所内の様子や普段見ることのない船を間近で見てもらい理解を得られるよう努めています。イベント内容は、完成間近の船の見学や全員参加型の餅まき、福引抽選会、地域の団体によるステージイベント等、毎年5,000人以上が来場してくれます。

  • 地域企業・サプライヤーとの協力関係は、造船の品質にどのように影響していますか?

    サプライヤーである各装置メーカーの品質が高ければそのまま船の品質も向上します。各サプライヤーとは、どういった仕様や品質が必要かは会話を重ねて協業しています。

  • 非上場かつ、投資期間が長い造船業に関して、資金調達はどのように行っているのですか?

    まずは自己資金でキャッシュフローがうまく回るように努めています。大型の設備投資をする時には、友好金融機関から借入をお願いすることもあります。

  • AIが関わっている分野はありますか?なければ今後関わる可能性が高い分野について知りたいです。

    事務所内での資料作成等は、一部活用がはじまっています。今後も加速化すると思われます。

  • グリーン燃料をはじめとする環境対応型船舶の需要が高まっていますが、今後10年を考えたとき、どのような特徴を持つ船舶が求められるようになると考えられますか?

    いつの時代もですが、一度にたくさんの荷物を積み込んで、燃費効率が良くて排ガスが出ない(少ない)船が求められます。また、船を運航する乗組員の生活環境(船内での)を向上させることも重要になってきます。

  • 部署間で連携する際に大切にされていることは何ですか?

    船をつくるという大きなプロジェクトはひとりで達成できるものではなく、設計や営業、工場の社員が連携しながら実施していくものです。そのため「報連相」は業務を進めていく上で非常に大切になってきます。

  • DX化の推進とありますが、具体的にはどのようなことがありますか?

    現在は、造船工程において工事開始から最後の引渡し(完成)まで一貫したシステムで管理できるシステムを構築している段階です。こういったデータが蓄積されれば次に建造する時に何人で何時間くらいかかる、という工程的な見積の算出にも役立つようになります。

  • 地域の貢献に関して、他に何か取り組みはありますか?

    主に地域の雇用を支えること、今治市を中心とした自治体活動への参画、地域の小中学生の工場見学会受入による地域産業への理解向上支援、プロスポーツ団体や芸術団体への寄付支援等が主な地域支援となります。

  • 外国人労働者は、どのような業務をしていますか?

    実際に現場で船を造っています。

  • SDGs(持続可能な開発目標)に関する様々な取り組みをされていると思われますが、特にどのようなことに配慮して施策を行われていますか?

    細かく説明すると複雑になりますが、大きくは船そのものを環境に配慮した製品にすることと造船業を通じて地域社会に貢献するという意義があります。

  • 地元企業・学校・自治体との連携や、地域活性化に向けた取り組みがあれば教えていただけますか?

    2年に1度バリシップという国際海事展を今治市役所や地元の造船、海運会社と共同開催しています。元々は、海事都市今治を広く知ってもらうために開催しておりましたが、9回目となった今年は24カ国、380社が出展しました。今治造船技術センターといって今治市にある造船会社や今治市と一体となって新入社員に向けて現場作業で必要となる溶接研修等を合同で行います。また新入社員だけでなく入社して数年たった若手の技能コンクールで熱戦を繰り広げています。愛媛大学でも2026年度から工学部の中に海事産業コースというのが新設されます。この辺りも今後、造船会社として何か一緒に取り組みが出てくると思います。

  • 造船の仕事って、どんな1日の流れなんですか?

    午前8時から各職場で朝会を行い今日各自が行う業務を共有し合って業務を開始します。12時~13時は、お昼休みとなります。午後からも17時まで業務を行います。業務内容は人によって異なりますが、事務管理部門や設計の場合、デスクワークや打合せ、営業はお客さんの対応、建造技師は工程や品質管理のため現場に出たり、デスクで報告書の作成を行ったりします。

  • 海外の造船市場との競争を踏まえて、日本が勝てる分野はどこだと思いますか?

    四方を海に囲まれた日本には、たくさんの海運会社や船を所有する船主がいます。そういった顧客にやっぱり日本で船をつくろうと思ってもらえるような造船所であり続けることが勝機であり勝ち残るチャンスとなります。

  • 今後10年で、最も重点を置くべき技術領域は何ですか?

    新燃料船の建造体制の構築と造船工程における生産性の向上(省人化、自動化、DX化、生成AI活用推進等)です。

講義が終わって

造船は同じ船を量産するのではなく、貨物や航路、お客さんの思いに合わせて一隻一隻を受注生産している点と、為替や鉄の価格変動によって同じ船でも数十億円単位でコストが変わる「博打の世界」であるという話が特に印象に残りました。
愛媛大学 社会共創学部 学生
今治市の造船会社として、ジモト企業100のコトに参加させていただきました。
造船業は、日常生活において身近ではない業種ですが、先生による第1回目の講義で詳しく業界や新来島どっくのことをご説明していただいていたおかげで、我々はWEBサイトを調べても出てこないようなここでしか聞けないような切り口で講義を行いました。
また、学生からいただいた質問を考える過程で我々も改めて自社の業界を考えるきっかけになったように思います。学生のみなさんには、新来島どっくに限らず少しでも造船業に興味を持っていただけたらありがたいです。
株式会社新来島どっく 総務部人事課係長 松本 安正

株式会社新来島どっく
INFORMATION

〒799-2293 愛媛県今治市大西町新町甲945番地
TEL 0898-36-5511(代)
公式サイト https://www.skdy.co.jp

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